連載第6回「大阪インバウンド最前線」何故人気?インバウンドに大評判「⼤阪周遊パス」の魅力とは

2018年9月26日 23:13更新

関西ウォーカー 横井哲也

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この連載は、⼤阪で激増するインバウンド(訪⽇外国⼈観光客)の最前線を⼈気施設や旅⾏・観光に詳しい業界関係者などキーパーソンに話を伺うインタビュー企画。第6回は⼤阪観光局営業推進部部長・大明重夫さんに、多くの外国人が利用している⼤阪周遊パスについてお話をを聞いた。

⼤阪観光局営業推進部部長・大明重夫さん

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大阪周遊パスが外国人観光客の定番に!

―大阪周遊パスの利用者が増加している、いつぐらいからスタートさせたのですか?

平成13年度、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンがオープンした年に、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに加えて、大阪市内の観光施設や商業施設の振興を図ろうと大阪市が音頭をとって企画したのがはじまりです。

―特にインバウンドを意識していたわけではないんですよね?

当時は訪日客がそんなにたくさん来ていたわけではないので、想定は国内でした。それが、訪日客が増えるにつれ、これは便利だということで口コミで広がって、安倍内閣の観光立国政策がはじまってからここ3、4年で急に伸びてきたという感じですね。売上枚数でいうと昨年1年間で151万枚、その前が122万枚、その前が91万枚、その前が43万枚、その前が29万枚と倍々ゲームのような感じで増えています。スタートした年が1万6,000枚だったので約100倍(笑)。その約8割が外国人なんです。

―外国人はどこで周遊パスを買われるんですか?

空港の観光案内所とか、なんばと大阪駅にある観光局の案内所、Osaka Metroの全駅や私鉄の主要駅、ホテルのフロントなどでも販売をしています。海外のエージェントにも直接販売しています。ただ、問題なのは枚数が非常に増えていて、磁気カードなので生産が追いつかなくて、品切れ状態がよく出るんです。これだけ枚数が増えるとは想定していませんでしたから。世の中の流れとして磁気カードからICカードに変わって来ていて、磁気カードを作るメーカーが減って来ているので、増やすに増やせないという状況が続いています。

周遊パスが売れ続ける理由

―なぜそんなに売れるんでしょうか?

周遊パスを購入すると、Osaka Metroなどが乗り放題になるだけでなく、多くの施設の特典が受けられます。大阪城天守閣や梅田スカイビルなど、無料になる施設もあり、かなりお得なんです。発売当初は大阪市立美術館や大阪市立自然史博物館のように大阪市の施設の特典が多かったのですが、需要が増えるにしたがって多くの施設の特典が受けられるようになりましたね。

―無料や特典が受けられる施設が増えると、周遊パスの値段が上がりませんか?

実は発売当初は2000円だったんですけど、それが2300円になり、いまは2,500円に値上がりしています。私どもは2300円から2500円へと値上げをする際に利用者が減らないかと、海外のエージェントさんたちにヒアリングしたのですが、全く問題はないだろうと返事をもらったので、この値上げに踏み切りました。それでも世界的に見ればまだかなり安いんです。約70の施設の特典が受けられて、その施設が一覧になったガイドブックも付いてきます。うまく回れば8000円分くらい使えて、非常に割安ですよね。

―151万枚だとガイドブックも151万部あるということですか?

もっと刷っています。在庫がいるので、全部で200万部ぐらい。でも、掲載している施設の営業時間が変更になった場合など紙だと変更がきかないので、電子書籍にしようという話が出ています。例えば船なども天候によって運休が出るので、そういう情報を速やかに利用者に知らせることができるようになりますので。それと、下世話な話ですが、200万部も刷ると印刷代がバカにならんのですよね。そういった面も含めて、電子化をする時期だなと。本来的には、もう少し早くしておくべきだったのですが。これほど大きな数字になるとは、予想もしなかったですね。

―これからまさにラグビーや東京五輪もあり、まだまだ増えそうですね。

ゴールデン・スポーツイヤーと言って、来年がラグビーワールドカップ、再来年がオリンピック、その次にワールドマスターズ関西があります。これが結構な人数来られるんですよね。家族で来られたりして、結構、長期間滞在されるかと思います。それと万博やIRの誘致もしています。大阪によほどの天変地異とか政治的な状況がなければ、減る傾向にはないと認識しています。正直、どこまで増えるのかちょっと分からない状態ですね。LCCもまだ増便されていますしね。

――今後は何か仕掛けがありますか?

1日券はOsaka Metroと関西の主要私鉄の大阪市内エリアで使えますが、2日券はOsaka Metroしか使えないんです。本来は2日間の方がゆっくり広い範囲を回れるはずなので、その仕組みの見直しを提案しています。あとは価格的に非常に安いことから、市民からの“大阪を安売りするな”という意見もあるので、価格の妥当性も見直す必要はあるかなと思っています。

――因みに、今一番どこの国の方が利用してますか?

多いのは韓国。特に韓国での認知度が高くて、大阪に行くなら先ずこれを買うという雰囲気がありまして、関空だと、一番大手の「HANATOUR」というところがカウンターを持ってるんですけど、関空に着いたら8割以上は周遊パスを買って行かれますね。次は台湾が多いですね。あと、中国の本土が最近は随分と伸びて来ています。ただ、私共の課題としては国内の方がなかなか伸びないんですよね。首都圏の主要駅にパンフレットを置いたり、旅行代理店に委託もしているのですが、なかなか思ったように進んでいません。

大阪の人にも周遊パスを知ってほしい!

――日本人に対しての対策に悩まれていると。

大阪周遊パスのことを一番知らないのは大阪の人かもしれないです(笑)。大阪に住んでおられるんですけど、みなさん燈台下暗しなのか、なかなかご存知ないですね。なので、 その辺りの対策も踏まえて、拡大版を作っています。阪神拡大版、阪急拡大版、南海の関空版があり、今年は新しく万博記念公園版というのを作ったんですよ。1日券だと遠くに行くのは厳しいため、それほどの枚数にはなっていないんですけど、やはりそういったところで、対象の地域を増やして。もう少し利用がエリアの広いものにしていきたいなという考えはあります。

【写真を見る】「⼤阪周遊パスをもっと大阪の人にも知って、使ってほしい」と話す、大明重夫さん

――これからもどんどん広がっていく可能性もありますし、便利なサービスも増えるかもしれないということですね。

そうですね。お客様の利便性もそうですが、データの把握をして、参加していただいてるいろいろな施設や商業施設にデータをフィードバックしてあげることも私どものサービスの一つだと思っています。そこで、より効果的なサービスが生まれれば、施設にとってもお客様にとってもお互いにメリットになりますから。そういうことについては今後進めていきたいと思っております。

※本企画は、情報誌「関⻄ウォーカー」2018年8/28発売号の大阪インバウンド特集「YOUは何しに大阪へ?」との連動企画です。

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