【あと2日!】「らぁ麺屋 飯田商店」の「中村屋リスペクト」限定麺を食べてみた
横浜ウォーカー
2017年10月~2018年9月までの1年間、ひと月に1店舗ずつ「ラーメンWalker神奈川2018」読者のために限定麺を作るスペシャル企画。「神奈川の食材を使ったり、ゆかりの名品をオマージュした“神奈川愛”あふれる一杯!」という共通テーマを元に、各店舗オリジナルを考案するというもの。ついに最終回を迎えたこの企画を待ちかまえるのは、湯河原「らぁ麺屋 飯田商店」。今や神奈川最高峰とも言われ、訪れるにはそれ相応の準備が必要だ。そんな店の「神奈川愛あふれる限定麺」は、海老名「中村屋」の塩らーめんをオマージュした一杯。食べられるチャンスは、あと9月23日(日)、24日(月・祝)の2日間だけ!
リスペクトしているからこそ!飯田らしい神奈川淡麗系

【ラーメンWalker神奈川2018限定麺】
「飯田の淡麗塩らーめん」(950円、1日15杯限定)。看板の醤油は「らぁ麺」なので、メニュー名までもオマージュしている。この透き通った一杯。これぞ神奈川淡麗系!な塩スープの下に麺まで見渡せる。これほど美しい麺があっただろうか。
キモはカツオ節!と、カウンター前に置いてある削り機がキュルキュルと音を鳴らす。提供前に削った、まさに削りたてを使うのだ。客席まで、その香りが風に乗ってふんわりと薫っている気もする。そんな店内で一口すする! 雑味やエグミが一切ない、天然水のようにクリアなスープにビックリ。そこに、フワッと広がるカツオ節の風味。野菜や魚介、豚骨まで入っているというのだから、緻密なバランスである。食材というのは、掛け合わせることで相乗効果となり、旨味が何倍にもなるのだなぁと、当たり前ながら改めて感じる一杯。しなやかな極細の麺をサッとすするごとに、口の中に広がる旨味が底知れない。
食べ進めるうちに、あっという間にスープが無くなってしまった。詳しい食材は、店主本人がSNSで説明しているので割愛するが、キモとなったカツオ節は鹿児島県の指宿(いぶすき)産本枯節を使用しているとのこと。

今の時代は美味いラーメンがたくさんある。だが、過去に「神奈川淡麗系」というものに初めて出合った人たちは、「神奈川に、こんな美味しいラーメンがあったなんて」と思ったに違いない。そんなことを感じさせる一杯だった。
今の状況は「決して当たり前ではない」

通常営業でも行列になる飯田商店が、なぜ、このタイミングでわざわざ「中村屋リスペクトの一杯」を作ることにしたのか。それは「神奈川愛」というテーマにある。決して安直に「神奈川を代表するラーメン店だから、中村屋を尊敬している」だけのことではない(それはもちろん前提だろうが)。
「中村屋」はもちろん、数十年前のラーメン店は「ラーメンなんて」などと言われた場所に身を置いていた。今ではとても信じられないけれど。
当然、ラーメンの食材にこだわる、なんて概念も一般にはなかった。例えば食材を探して使いたいと思っても「え?うちの食材を、ラーメンに使うの?」などと言われながら、大変な思いをしてルートを開拓してきたことだろう。食材だけに限ったことではない。今のラーメンは、その技法や作り方を考案した人達がいる。当然のようにメディアでラーメンが紹介されるようになった今を作ったのは、他ならぬ先人たちである。その感謝を忘れないこと。そして、もっとこのことをたくさんの人に知ってもらいたいと。だから「神奈川淡麗系」という神奈川独特のラーメン文化の先駆者である、「中村屋」へ敬意を表して一杯に込めた。ある意味、飯田店主が自身へ言い聞かせているようにも思える。
今、世の中の飲食店で作られているものにはすべて、たくさんの思いが歴史となっている。それを知る機会はなかなかないが、チャンスが訪れた際は食べながら感じてみるのもいいのではないだろうか。

チャンスはあと2日!
さて気になるのは、どうしたら食べられるのかということ。筆者は平日の初日に並んだが、朝5時半の時点では、並びは10名以下だった。まだ夜が明けきっていない薄暗い中、ほぼ同じタイミングで並び出したように記憶している。朝6時30分ころには、30人ほどに増えていた。おおよそは湯河原駅着の始発6時8分の電車で来るとこの時間である。朝7時の整理券はどうしてもゲットしたいところだ。

注意すべきなのは、並んでいる人数=整理券の番号 ではないというところ。飯田商店は代表者の並びもOK(とりあえず、で整理券をもらうのはNGだ)。並んでいる本人含め6枚まで整理券がもらえる。連休となれば、整理券配布ぶんだけで1日の営業が終わってしまう場合もある。さらに難しいことに、この店は必ずしも、朝早く並んでいる全員が「限定麺狙い」なわけではない部分。なかなか読めない! 店主の思いが詰まった一杯なだけに、ぜひとも食べてもらいたい。

だが、筆者はこうも考える。飯田店主の思いは、この限定麺だけではなく、常に持っている信念のようなもの。全てのメニューを同じ思いで作っているはずだ。たとえ限定麺でなくとも、もう伝わるのではないだろうかと。企画側からすれば、なかなか矛盾しているのかもしれないが…。
食券を買って席についたら、「ラーメンWalker神奈川2018」を開いて店員さんにシールを貼ってもらおう。「ラーメンWalker神奈川2018」1冊につき限定麺1杯なので、忘れないで本を持参しよう(飯田商店でも「ラーメンWalker神奈川2018」は購入できるので、持参できなかった人は店員さんへ)。この貴重な限定麺を食べられるのは、残りは、9月23日(日)、24日(月・祝)のみだ。(※限定麺が食べられる対象は本誌(紙)のみで、電子書籍版は対応しておりません)
【ラーメンデータ】<麺>細/角/ストレート(130g) <スープ>タレ:塩 仕上油:香味油 種類:丸鶏・鶏ガラ・豚骨・魚介・野菜
【らぁ麺屋 飯田商店】■住所:足柄下郡湯河原町土肥2-12-14 ■電話:0465・62・4147 ■時間:11:00~15:00 ■休み:月(祝の場合、翌日) ■席数:18席(カウンター10、テーブル8)※禁煙 ■駐車場:15台(無料) ■アクセス:JR東海道線湯河原駅より徒歩10分
【ラーメンWalker神奈川2018】限定麺ラリー参加店舗(2017年10月)ファットン、(11月)弘明寺ノ貫、(12月)鶏喰~TRICK~、(2018年1月)G麺7、(2月)麺屋庄太、(3月)カミカゼ、(4月)渦雷、(5月)麺処 秋もと、(6月)中村麺三郎商店、(7月)地球の中華そば、(8月)支那そばや 本店、(9月)らぁ麺屋 飯田商店
取材・文/濱口真由美
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