神が宿る塩パン!王子「ロワンモンターニュ」は酵母がスゴい

東京ウォーカー

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パン作りにおいて大切な素材の一つが、生地の発酵をつかさどる酵母だ。果物由来の酵母や、ドイツ系のパンでおなじみのサワー種など種類は幅広い。そこにあって、きわめて希少な酵母を使い、独特な味わいのパンを生み出す名店がある。王子の「ロワンモンターニュ」だ。

「王子駅」から徒歩5分ほど。地域に溶け込む“街のパン屋”といった存在で、店内はアットホームな雰囲気に満ちている


世界遺産の豊かな自然が育んだ優しくも力強い酵母


同店が用いているのは「白神こだま酵母」。世界自然遺産に認定されている白神山地の、ブナ原生林より分離、選抜された酵母だ。発酵する力は強い一方で、生地は淡色で照りのある薄い表皮の、しっとりとしたきめ細かい食感になることが特徴。そして味わいは、華やかな香りやほんのりとした甘味を持ち、砂糖や塩を抑えても、小麦本来の旨味を存分に感じることができる。

【写真を見る】店内にはさまざまなパンがズラリ。焼き菓子を含めると、100種類近くが並ぶそう


同店に数あるパンのなかから、まず紹介したいのは「塩とバター」。いわゆる塩パンのことだ。生地には北海道産小麦の「春よ恋」と「キタノカオリ」をブレンドし、バターも国産を採用。まろやかな室戸産海洋深層水の塩と、2種類の国産きび砂糖と共にこね、仕上げの工程には旨味の強いフランス・ゲランドの塩を用いた、重層的なおいしさが楽しめる。

「塩とバター」(140円)。一見シンプルながら、インパクトのある味わいで大人気だ


食べてみて驚かされるのは、生地とバターがおりなすリッチな味わい。表面はパリっとしているが、その内側はムチっとした豊かな弾力を持ち合わせている。一方で中はふんわり、しっとりしていて芳醇な香りがたまらない。

独特の甘香ばしい風味の秘密


今や塩パン自体は珍しいものではない。その中でこの「塩とバター」が際立ったおいしさだと思えるのは、独特の甘香ばしい風味によるところが大きい。秘密は、仕上げの工程に隠されている。焼き上げの際に生地から溶け出てしみ出すバター。これで全体をコーティングすることで、よりパリっと、そして優雅な香りが生み出されるのだ。

「ロワンモンターニュ」の遠山 広オーナーシェフ。バターでコーティングする手法は、少年時代におやつとして実践していたロールパンのバターソテーがヒントだと言う


もちろん「白神こだま酵母」の力も絶大。遠山シェフがこの酵母を使うことになるきっかけは、同店をオープンした2001年までさかのぼる。以前より気になっていた、野生酵母の純粋培養を知るために秋田を訪れ、その魅力に心酔。やがて2004年には「白神こだま酵母マイスター」の第1号に認定され、今も酵母普及のために国内外に技術指導を行うなど、「白神こだま酵母」のパン店の第一人者として活躍している。

同店の代表作が「白神」(324円/右上)。そのほか「フィグ&クランベリー」(907円/左下)、「ぶどうのパンドミ」(432円/左上)、「森の木の実」(237円/右下)


また、今回写真では紹介していないがイタリアの伝統菓子である「パネトーネ・ナターレ」(クォーター918円~、ホール3672円)も好評。これは専用の酵母をイタリアより取り寄せ、北海道産小麦の粉で焼き上げた、ドライフルーツが豊かに香る芳醇な味わいが特徴だ。飛鳥山公園が近い同店。ピクニックや花見などで訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

東京ウォーカー編集部

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