休日は観光列車に乗って~車内は楽しい仕掛けやおいしい魅力満載!特急『かわせみ やませみ』

2018年10月10日 9:00更新

九州ウォーカー 前田健志

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城下町・人吉を満喫し、再びJR人吉駅へ到着。数時間だけれど、町の風情や人の温かみが、わずかな滞在時間を濃密で忘れられないひと時にしてくれた。

JR人吉駅からの帰路は、特急『かわせみ やませみ』に乗っての旅路だ。

清流に舞う宝石にちなんだ美しき列車

コバルトブルーの1号車「かわせみ」。深い森のように濃いグリーンの2号車「やませみ」

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まだまだ旅は折り返し!テンション上げてGO!

球磨川流域に生息する野鳥から名付けられた『かわせみ やませみ』。美しい車体は、渓流・球磨川のブルーと球磨地方の森のグリーンをイメージしたもので、デザインは水戸岡鋭治氏によるもの。球磨地方の豊かな自然の中を走る姿は、まさしく渓流に舞う「翡翠(かわせみ)」のようだ。

「見てみて!かわせみがいる!」

車体のデザインに早速テンションが上がる3人。

「もしかしたら本物のかわせみと出会えるかもね」

と、新たな旅の期待に胸を弾ませつつ車両に乗り込む。

もっとも新しいD&S列車。車内には楽しみがいっぱい!

美しいかわせみのデザインが車両を彩る

車内の至るところに、かわせみ・やませみのデザインが。いくつ見つけられる?

1号車「かわせみ」のサービスカウンターにある暖簾にもかわせみが

2017年に運行を開始した新しいD&S列車とあって、2両編成の車内はまだ新しさに包まれている。球磨産の杉材は床に、カウンターやテーブルにはヒノキ、暖簾にはい草を用いるなど、熊本の特産品を随所に配し、温もりのある雰囲気を醸している。

また、たくさんの羽といくつも色が巧みに絡み合い、宝石のような美しさで見る者を魅了するかわせみのように、この列車もまた細かな仕掛けがたくさん。

かわせみ・やませみ以外にも野鳥の絵が飾ってある

伝統工芸「組子」を使った間接照明

さまざまな銘柄の球磨焼酎を展示。「こんなにたくさんあるんだね」

28の蔵元が製造している球磨焼酎を展示

水戸岡鋭治氏デザインのかわせみの模型も展示

地元特産品のほか、人吉・球磨特有の郷土玩具「きじ馬」なども展示

車内のさまざまな箇所にかわせみ、やませみのデザインが施され、日本が誇る伝統工芸「組子」を使用し、行灯に見立てた間接照明、球磨焼酎などの特産品を展示したショーケースも見応えがある。

1号車「かわせみ」の車内には、バードウォッチングができる窓を設置

球磨川に舞うかわせみを見つけられるかも?

さらに、1号車の丸い車窓には双眼鏡が備え付けてあり、列車に乗りながら野鳥観察ができる。

「あ!あれかわせみじゃない?」「え?どこどこ?」「いや、川が光っただけかも」「スズメじゃない?」

なんて会話も旅の楽しい1コマ。運がよければ、本当にかわせみ、やませみを見つけられるかもしれない。

恒例の思い出づくりはもちろん、最新技術を使った体験も

「わああ!」と本人はテンション高め。だが、何にエキサイトしているのかは周りには伝わらない。これもVR体験の楽しみ!?

もう1つ、特急『かわせみ やませみ』のおすすめは、360度映像で人吉・球磨の自然を体感できるVR体験。この列車だけのオリジナルサービス(平日3~6号、土日祝1~6号で貸出し)で、目の前に広がる映像は迫力満点。

「うおおっ!すごっ!」「ちょっとどこから声出してるの?」

と、みんなで大笑い。美しい球磨川や、秋めく草木を愛でるのとはまた違った楽しみを味わえる。

記念パネルと一緒にはい、チーズ!

すべてのD&S列車の記念乗車証をコンプリートしてみては?

特急『かわせみ やませみ』では2種類のスタンプがある

もちろん、D&S列車恒例の記念乗車証へのスタンプと、記念パネルを持っての撮影はお忘れなく。特急『かわせみ やませみ』では、2種類のスタンプがあるので、お好みで。

「私は両方押そうっと!」

2号車ビュッフェで郷土の味をとことん堪能

名物駅弁「球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット」

ビュッフェではオリジナルグッズも販売。クリアファイルセット520円、ピンバッジセット900円、立体キーホルダー800円ほか

特急『かわせみ やませみ』にはおいしい魅力もたくさん。2号車「やませみ」のビュッフェでは、人吉の食材にこだわった商品を販売。名物駅弁『球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット』(1300円)は、「地元で採れた旬の食材で作るおばちゃん達の愛情弁当」をテーマに、郷土の家庭料理「ひまわり亭」が開発。汁物が付いた珍しい駅弁となっている。「つぼん汁」とは「壷の汁」という意味で、人吉・球磨地方でハレの日などに食べられる郷土料理。鶏肉やニンジン、ゴボウ、豆腐、カマボコなどをイリコのダシで煮て調味した具だくさんの汁物だ。弁当の中身は“四季彩”の名の通り、季節によってさまざま。旬を散りばめた彩り豊かな駅弁となっている。

そのほかにも、人吉・球磨産の旬のフルーツを使った「くまのスイーツボックス」(単品720円・コーヒー付1000円)や、人吉で蕎麦を堪能した『開』特製のおつまみセット「くまの宝箱セット」(単品800円・焼酎1杯付1100円)など、地元グルメを堪能できるメニューもある。※駅弁、スイーツボックス、おつまみセットはすべて土日祝限定で2号からの販売(※数量限定)、内容は季節により変動。オリジナルグッズも多彩だ。

「すごく飲みやすい」と“初”球磨焼酎に舌鼓

さらに、忘れてはならないのが、球磨焼酎の車内販売。減圧蒸留・常圧蒸留・樽熟成と3つタイプすべてがそろっており、1杯400円から手軽に味わえる(銘柄は時期によって変動)。

「とっても飲みやすい」「香りがすごくいいね」

と、大好評。ついつい飲みすぎてしまわないようご注意を。また、1号車「かわせみ」のサービスカウンターでは、期間限定で利き酒イベントを実施することもあるので、こちらも要チェック。

列車の旅は、線路のようにどこまでも続く

少しずつ日が傾くなか、列車は球磨川沿いを走る。行きと同じルートのはずなのに、全く違った美しさに見えるから不思議だ。カタンコトンという列車の鼓動が心地よく、昼間よりも、しっとりと静かな時が流れる。

帰りは行きよりも時間の経つのが早く感じてしまうのはなぜだろう。球磨焼酎でほんのり紅潮した顔が車窓に映りはじめると、もうすぐ日が落ちる。旅の終わりも間近だ。

もっとゆっくり走ってほしいと願うも、列車はカタンコトンと変わらないリズムを刻む。でもこれは思い出に残る列車旅のほんの1ページ。『SL人吉』もまだまだ現役でがんばってくれるはず、特急『かわせみ やませみ』も、人吉・球磨の自然も次に会ったときはまた違った美しさを見せてくれるはず。

旅の終わりは寂しいけれど、また次の旅へと思いを馳せよう。

「次こそは本物のかわせみに会えるといいな」

旅はいつまでも序章だ。

特急『かわせみ やませみ』

特急かわせみ やませみ ルートMAP

[特急かわせみ やませみ]熊本~人吉1日3往復(全席指定※1号、2号のみ自由席あり) / 毎日運行 / 熊本~人吉大人片道3270円(乗車券1820円、特急券1450円)

【九州ウォーカー編集部/文=前田健志(パンフィールド)/撮影=福島啓和/提供=九州旅客鉄道株式会社】

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