マーベル最新作はヴィランが主役。残虐ダークヒーロー「ヴェノム」が映画化! <連載/ウワサの映画 Vol.57>
東海ウォーカー
今回紹介するのは、マーベル映画初となるヴィラン(=悪役)が主人公の「ヴェノム」! 「スパイダーマン」シリーズが生んだ、熱狂的人気を誇るダークヒーローの原点を描きます。人間と地球外生命体が合体しちゃったっていう…、エグい歯とか舌とか...、こんなに薄気味悪い造形のヒーローは初めて観たわ(笑)。おっかない怪物に寄生されちゃって、泣きそうな顔で危険なパワーを炸裂させるトム・ハーディは超かわいいですけどね!

主人公の敏腕記者エディ・ブロック(トム・ハーディ)は、人体実験で死者を出していると噂の<ライフ財団>を率いるカールトン・ドレイク(リズ・アーメッド)に無謀な取材を行い、会社をクビに…。恋人のアン(ミシェル・ウィリアムズ)からも別れを告げられ、自暴自棄の日々を送っていました。そんなある時、ドレイクの下で働く科学者から「真実を報道して!」と懇願されたエディは、財団の研究所に潜入。そこで<シンビオート>と呼ばれる意思をもつ地球外生命体に接触し、寄生されてしまいます。「一つになれば俺たちは何だってできる」と、シンビオートはエディの体を蝕み、ついに一体化して「俺たちがヴェノムだ」と名乗りを上げるのでした...! グロテスクな体で容赦なく人を襲い、喰い尽くすヴェノム。エディは自身を制御できなくなる危機感を覚える一方、少しずつその力に魅了されていくのですが…。

本作とは無関係ですが、敵が3人も出てきてヴィラン祭だったラム・ライミ監督の「スパイダーマン3」で、ヴェノムは一度映画出演してますね。ニューゴブリン、サンドマンに次ぐ”黒いスパイダーマン”のくだりですが、正直ね、かなり物足りなかった…。今回のヴェノムは、人の頭を食いちぎるスーパー・ヴィランの凶暴性も十分だし、ブラックユーモアのセンスもいい! ホラーやバディ・コメディ感も強い新たな物語が楽しいです。アンチ・ヒーローなヴェノムならではのダークでコミカルな世界は、ふつうのヒーローに飽き飽きなアナタにこそオススメ。寄生→同化の描写や、ラストの実質”2人VS2人”のバトルも視覚的に斬新!


トム・ハーディが魅せる二面性にもご注目を。トムには珍しい3枚目キャラのエディは、ご近所さんの爆音被害に歯を食いしばって耐えている気弱くん。体内に住み着いた最恐生物とユニークな会話をしつつ、意志に反してレストランの水槽に浸かってロブスターをガブリとやったり、強大なパワーに引きずり回されたりする姿がキュートです。そこからふと真顔になっただけで、「ヴェノムな俺」の目覚めを表現できちゃうのが、演技派トム! 凶悪な力に病みつきになるワルさが似合うね~。

宇宙が起源の生命体は人間とバトるのが相場ですが、見事に共生しちゃう点も独特。善人と悪人が影響を及ぼし合い、求め合い、奇妙なバディ関係を築く。それも一つの体で!っていうのがおもしろい。人類が宇宙で生き延びるための進化形としてのキャラ設定にも説得力があり、世相を反映した重いテーマまでカバーしてる。意外にも。

ソニー・ピクチャーズが手掛けた本作「ヴェノム」は、ディズニーが「アベンジャーズ」などを展開しているMCU(=マーベル・シネマティック・ユニバース)とは世界観を共有しないってことですが…。MCUに参戦してしまった最大の宿敵・スパイダーマンとの競演が諦めきれないよー。 トム・ハーディ×トム・ホランドってかなりアツいしっ! どうやっても...、ムリですか??? …無理だよね(涙)【東海ウォーカー】

【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします! 最近のお気に入りは「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」(11月9日公開)のオルガ・キュリレンコ!
おおまえ
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