影山貴彦のテレビのホンネ。「ちょうどええ」30分 ドラマ「大阪環状線」

2018年11月20日 12:07更新

関西ウォーカー 関西ウォーカー

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ネットが力をつけた時代だからこそ、テレビは見せたいものをまっすぐに。

『大阪環状線Part4 ひと駅ごとのスマイル』

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帰ってきたぞ!「大阪環状線Part4 ひと駅ごとのスマイル」。シリーズ開始からずっと楽しみに見ている。毎回大阪環状線の駅を舞台にし、1話完結のオムニバスドラマのスタイルで、そこに行き交う人々の心の機微を描く。前回に続いて「スマイル」がシリーズテーマだ。まさに関西のドラマにふさわしい。

放送時間が、これまでの深夜枠から土曜日の午前に変わった。とてもいい編成判断だ。NHKの朝ドラを除けば、ドラマは夜に放送されるものと考えがちだが、そんな固定観念から解き放たれた方がいい。朝のワイドショーを「そのまま」のテイストでゴールデンタイム(夜7時~10時)に放送してもいいし、深夜のバラエティ番組を、平日の夕方に放送するのも大いにありだろう。

時間に応じて、放送する番組のジャンルをほぼ決めている現在のテレビ局のスタイルは、はっきり言ってもう古い。タイムテーブル(番組表)を真っ白にして、一から作り直す局が出てきてもいいはずなのだが、なかなか変わらない。

「大阪環状線」に戻ろう。今回新たな工夫をしている。西畑大吾が、マスコットキャラクターとして毎週登場する。大阪に住む19歳の大学生の役柄だ。祖父の元に届いた手紙の送り主を探しているという設定だ。そして元音大教授である祖父役を演じるのが、宇崎竜童。とてもいいキャスティングだと思う。クライマックスとなる回が今から楽しみだ。

このドラマ、2丁拳銃のネタ風に言えば、「ちょうどええ」30分の長さだ。土曜日のゆったりした時間、関西色の人情話に浸ってはどうだろう。NHKの朝ドラとは一味違った「ほっこり感」を味わえるはずだ。

折に触れて述べているが、今、だらだらと放送時間を延ばす番組が目立つ。ネットが力をつけた時代だからこそ、テレビは見せたいものをまっすぐ放送した方がいい。

Station7 野田駅「たこちゃんといかちゃん」(12/1土放送)の1シーン

【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。

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