映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」壮絶な親子を演じた太賀&吉田羊「本当に仲が悪いと思われていた(笑)」

2018年11月30日 18:06更新

関西ウォーカー 山根翼

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漫画家・小説家などマルチに活躍する歌川たいじの自伝的コミックエッセイ「母さんがどんなに僕を嫌いでも」が太賀、吉田羊の共演で実写映画化。本格的な共演は本作が初めてだと話す2人が互いの印象から本作にかける思い、そして自身の母親との思い出などを語ってくれた。

本格的な共演は初めての太賀&吉田羊。「母さんがどんなに僕を嫌いでも」では壮絶な親子を演じている
撮影:川田洋司/ヘアメイク:高橋将氣(太賀)、paku☆chan(ThreePEACE)(吉田)/スタイリスト:山田陵太(太賀)、梅山弘子(KiKi inc.)(吉田)

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「母さんがどんなに僕を嫌いでも」は、拒絶されても母親への愛を諦めなかった青年が起こした奇跡を描いた感動作。幼い頃から母・光子に愛されることなく育った主人公・タイジは、その壮絶な家庭環境から17歳で家を飛び出す。その後、社会人になってはじめて友人たちに背中を押され、もう一度光子と向き合う決心をする。主人公・タイジを太賀、母・光子を吉田羊が熱演。森崎ウィン、白石隼也、秋月三佳、木野花らが脇を固めている。「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」の御法川修監督がメガホンをとった。

映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」メインビジュアル(C)2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会

「私たち本当に仲が悪いと思っていたんじゃないかって(笑)」(吉田)

ー共演される前の印象、共演してから変わったポイントを教えてください。

太賀「言うまでもなく素敵な女優さんだと思っていました。これまでに一緒のドラマに出ていたことはあったんですけど、ほぼ絡んでいなかったので、僕としては結構ジラされていました(笑)いざ共演してみると、役が影響してコミュニケーションをとる感じでもなくて。とはいえ、緊張感の心地良さみたいなものはあって、大変なシーンの連続だったんですけど正直楽しかったです。羊さんは一見軽やかに演じているように見えて、そこにはいろんな思いや考えがあるんだなと思って、改めて羊さんの底知れない魅力を感じましたね」

太賀撮影:川田洋司/ヘアメイク:高橋将氣/スタイリスト:山田陵太

ー吉田さんはいかがですか?

吉田「太賀君とはいつかガッツリお芝居をしてみたいと思っていました。対立する役ではありますが、親子役で共演できることが本作のオファーを引き受ける大きな理由でした。彼を拒絶する役だったので、現場でもほとんど話しませんでしたし、それはお互いそうしているところもありました。太賀君が持っている感受性の豊かさや感度の高さが、すべてタイジの姿とリンクして、どこか見透かされているような目線をずっと感じていて、彼の目をほとんど見れませんでした。彼と対峙するシーンはリアルな感情で向かっていました」

ー現場ではそこまでコミュニケーションをとっていなかったんですね。

吉田「私たちのシーンは殺伐としていました。あえて話さなかったのもあって、スタッフさんは私たちが本当に仲が悪いと思っていたんじゃないかって(笑)できるだけ演じるシーンに関して共通認識がない方がいいと思ったんです。何を考えているのかわからないことが役にリンクしてリアルな空気感が生まれるような気がして、演技についての相談はしませんでした」

映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」劇中カット(C)2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会

ー光子がタイジをビンタするシーンもありましたね。

吉田「太賀君が『本気で来てください』って言ってくれたので、本気でやりました。本当に腹が立つんです、『見透かしやがって!』と(笑)」

太賀「見透かそうという思いは全然なくて(笑)むしろ、母親というものを知りたいという気持ちが強かったですね。タイジは自分の中に母親の似ている部分を見つけるんですけど、似た者同士だなと思いました。子が親を思う気持ちって普遍的なものだと思うし、ひとつひとつのシチュエーションで得た実感を丁寧に拾っていけば成立すると思って演じました」

吉田「私は原作者の歌川さんにお会いしてお母さんに対するエピソードを聞いて役の準備をしようと思ったんですけど、聞けば聞くほど光子への理解が離れていくんですよ。今回は観客に好かれようという思いは一切捨てました。こういう母親がいたこと、そしてその母親でさえ子供は愛しているんだということが伝わればいいと思いました」

吉田羊撮影:川田洋司/ヘアメイク:paku☆chan(ThreePEACE)/スタイリスト: 梅山弘子(KiKi inc.)

「母が亡くなったら自分の中の何かが崩れる」(太賀)

ーお2人の実際の母親はどんな人ですか?

太賀「とても親バカな人ですね。僕も母親からたくさんの愛情を受けたと実感していて、自分の根幹にある人間性を形成してくれたのは母でした。もし、母が亡くなったら自分の中の何かが崩れるのは間違いない。自分のことを話しているみたいで、母のことを話すのは苦手です(笑)」

ー小さい頃はどんな子供でしたか?

太賀「好奇心旺盛な子供だったと思います。母は放任主義だったせいか怒られたこともほとんどないです。許されてばっかりでしたね」

吉田「お芝居はいつからやってたの?」

太賀「14歳ぐらいからやっています。母と一緒にドラマを見ることが多くて、ドラマが好きだったのか、母とドラマを見ている時間が好きだったのか、よくわからないんですけど(笑)」

ー吉田さんの母親はどんな人でしたか?

吉田「私の母は家族を後回しにして、先ず弱っている人や悲しんでいる人に手を差し伸べる人でした。母は父のことが大好きで、父親っ子だった私に対して本気で嫉妬したこともあります(笑)。そんな母を許せず、母には反発してばかりでしたが、結局私は母が大嫌いで大好きだったんです。父と同じように愛して欲しかったんですね。今思えば、十分すぎるほど母は私に愛を注いでくれていたのに。もっと優しくすれば良かったなと後悔しています。」

役者として互いを尊敬していると明かす太賀と吉田羊撮影:川田洋司/ヘアメイク:高橋将氣(太賀)、paku☆chan(ThreePEACE)(吉田)/スタイリスト:山田陵太(太賀)、梅山弘子(KiKi inc.)(吉田)

ー本作にはさまざまなメッセージが詰まっていて、受け取る反響が大きいような気がします。

吉田「虐待の当事者の方たちが本作で救われるとは思っていないんです。むしろ観られないだろうと。実際、私のSNSに『羊さんのお芝居が好きですけど、この映画だけは観ません。なぜなら私にも同じ経験があるから。そして未だに私は母を恨んでいます』というコメントをいただきました。当事者の方たちにとっては一生涯現在進行形なんです。でも、周りの人がこういう手の差し伸べ方があるんだとか、こういう理解の仕方があると知れるきっかけになってくれれば、演じた意味があるんじゃないかなって思います」

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