北海道ゆるっと鉄道旅~室蘭本線1:有名観光地と陸の孤島が共存する路線

2018年12月5日 20:00更新

北海道ウォーカー 川島信広

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北海道の室蘭本線は、長万部(おしゃまんべ)駅から東室蘭駅を経由して岩見沢駅までの区間と東室蘭駅から室蘭駅までの区間からなる路線。ただ、全区間を走破する旅客列車は運転されておらず、区間により雰囲気や性格がまるで異なります。

車窓からは有珠山や昭和新山眺めも楽しめる特急列車スーパー北斗(稀府駅~黄金駅間)

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今回から3回に分けて、特急列車が行き交う長万部駅から沼ノ端(ぬまのはた)駅間と、幹線ながらローカル色がある沼ノ端から長万部駅間、工場地帯の雰囲気が漂う東室蘭駅から室蘭駅までの間について紹介します。

特急列車やクルーズトレインも走行する北海道随一の幹線

【写真を見る】洞爺駅付近を走る特急「スーパー北斗」

室蘭本線の長万部駅と沼ノ端駅の間の区間は、函館市と札幌市を結ぶ幹線ルートの一部。特急「スーパー北斗」をはじめ、旅客列車や貨物列車が多数行き交います。函館駅から北上する函館本線は、長万部駅の先は峠越えの多い山あいの区間を進み、小樽駅などを経由して札幌駅へと向かいます。いっぽう、長万部駅で函館本線と分かれる室蘭本線は、東室蘭駅や苫小牧駅を経由し、沼ノ端駅から千歳線経由で札幌駅方面へと向かいます。小樽駅経由より東室蘭駅経由のほうが距離は長くなるものの、高速走行する特急列車が走っているため走行時間が短くなります。室蘭本線のこの区間は数多くの列車が走行する、北海道内随一の幹線です。

室蘭本線の長万部駅と沼ノ端駅の間は旅客列車のほか貨物列車も多数運行。本州と北海道を結ぶ物流の要です(稀府駅~黄金駅間)

JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」も室蘭本線を走行します(虎杖浜駅~登別駅間)

世界的な観光地と秘境駅が共存

登別温泉の観光名所、登別地獄谷。登別駅から登別温泉までは路線バスで約15分です

室蘭本線沿線には、さまざまな観光名所があります。なかでも有名な場所は、登別温泉と洞爺湖。ともに、アジア圏をはじめ世界各国から観光客がやってくる人気スポットです。団体バスやレンタカーで訪れる人もいますが、列車と路線バスを乗り継ぎ訪れる人がかなり多く、最寄りの登別駅や洞爺駅では特急列車が発着するたび、スーツケースを持った人たちが多数乗り降りして駅構内はかなり賑わいます。

洞爺駅から洞爺湖へ向かう路線バス。観光客がぎっしり!

特急列車が数多く発着する観光拠点の駅があるいっぽう、普通列車の一部のみしか停まらないにも関わらず人気がある観光名所の駅もあります。その駅の名は、小幌(こぼろ)駅。この駅がなぜ観光名所かというと、周囲から道路が通じていないため車などでアクセスできず、JRが唯一の交通手段というロケーションにある、いわゆる秘境駅だから。

小幌駅を出発する普通列車

山あいのトンネルとトンネルに挟まれた谷間にある駅で、下車しても民家などはありません。けもの道のような散策路を歩いていけば、崖が迫る海辺まで行くことができます。行きも帰りも日に数本のみ停車するJRの普通列車が唯一の足。乗り遅れには注意しましょう。

陸の孤島を手軽に体感できる秘境駅。土日などは数多くの訪問客がやってきて「この賑わいで秘境駅!?」と感じてしまうほどの人気スポットです。

停車する列車はわずかですが、北海道内で随一の幹線なので特急列車や貨物列車など通過列車は多数

長万部駅の名物駅弁、かなやの「かにめし」を味わおう

室蘭本線の起点、長万部駅といえば、かなやの「かにめし」が有名

1928(昭和3)年創業で、長万部駅で長らく駅弁を販売してきたのが「かなや」。そして数多く販売した駅弁の中でも大好評の商品が、1950(昭和25)年に販売開始した「かにめし」。発売開始以来変わらぬ製法を貫き、現在まで愛され続けているロングセラーです。

カニのほぐし身とタケノコを水分がなくなるまでじっくり炒ることで、カニの香ばしさを引き出し、うま味を恐縮させています

かつては長万部駅で長時間停車する列車が数多くあり、駅弁としてのニーズもありましたが、現在は短時間停車の列車ばかりのうえ、特急列車は窓が開かないので駅弁としての役割は実質終えました。そのかわり、函館駅と札幌駅を結ぶ特急「スーパー北斗」の一部列車では車内販売で購入することが可能。列車内で予約をすると、長万部駅発車時にかにめしが積み込まれ、受け取ることができます。今も昔も、長万部駅周辺の列車の旅のお供はかにめしです。

駅前にあるかなや本店などでも購入するこができます

昔も今も木製折にこだわる。駅弁のイメージを守るというだけではなく、傷みの原因となる白飯から出る水分を木折が吸ってくれるためです

室蘭本線の長万部駅から沼ノ端駅までは、多数の列車行き交ううえ、さまざまな観光スポットが点在する区間です。いっぽう、沼ノ端駅から先の室蘭本線は列車本数がぐっと少なくなり、ローカル色豊かな区間。次回、沼ノ端駅から岩見沢駅までの区間を紹介します。

かなや本店 ■住所:長万部町長万部40-2  ■電話:01377・2・2007 ■営業時間:8:00~16:00 ■休み:なし

※掲載内容は2018年11月現在の情報です。

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