いま行きたい!福岡・六本松エリアのコーヒーショップ5選
九州ウォーカー
日本一の焙煎士が蓄積した“最高”を味わう「COFFEEMAN Roasting & Planning Café」
16年2月開店と聞くと、まだ約2年半しか経っていないのかと思う。その理由はあまりにも街並みに溶け込み、もっと前からこの場所にあったような感じがするから。そういった意味では開業当時から、「まずはこの街に根付きたい」と話していたオーナーの江口崇臣さんの芯はずっとブレていない。



江口さんは「豆香洞コーヒー」で焙煎の腕を磨き、自身も14年のジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップで日本一の栄冠を獲得した、国内トップクラスの焙煎士の一人。
「競技会に出場する一番の理由は自身の技量や知識で足りない部分を客観視するため。なので、日本一はあくまでも副産物」と江口さん。その考えに基づき“日本一”を生かしたプロモーションは積極的に行っていないのも江口さんらしい。さらに「日本一を獲得して、通販をやっていないのは僕ぐらいかと。開店してからずっとですが、目の前のお客様に最高のコーヒーをお出しすることに注力しています。と言えば聞こえはいいですが、今の僕の技量だと、これが精一杯というのが本音です」と笑う。一方でその言葉の裏返しは“狭く、深く”だ。輝かしいタイトルをもつ焙煎士の“本気”が詰まった同店。

特に浅~深煎りの4段階を用意するブレンドが柱で、どれもバランスに秀でている。まずは好みの焼き加減のブレンドで、江口さんの焙煎の技術に触れてほしい。

[COFFEEMAN Roasting & Planning Café(コーヒーマン ロースティング アンド プランニング カフェ)] 福岡市中央区六本松4-5-23 / 092-738-7051 / 8:00~20:00 / 月曜日(祝日の場合営業) / 10席 / コーヒー1杯500円~
飲む人の暮らしをイメージして豆を焼く「Saredo Coffee」
約5年前に護国神社そばにオープン。オーナーの権藤恒一さんはもともと“シアトル系”のコーヒーショップに10年勤めたバリスタだが、独立を機に焙煎にも着手。

今では定番ブレンド3種、シングルオリジン7種に、月替りで登場するシーズナルブレンド1種の常時11種の豆を焼いている。そんな同店が目指すのは“日々の暮らしに寄り添う店”。あくまでも飲む人が主役と考え、一日の暮らしの中でのさまざまなシーンを想定する。特に、飲み飽きないようブレンドした甘い余韻が特徴の「まろやか」、スイッチを切り替える時にピッタリな香ばしさ重視の「ほろにが」、スイーツと一緒に楽しんでもコーヒーの個性が負けないマンデリン使用の「ごほうび」の3種の定番ブレンドは、同店のコンセプトを体現している。

カフェ利用にも力を入れ、スイーツの種類は10種以上と豊富。コーヒーと相性のよい焼き菓子のほか、ドリンキング・アフォガート(650円)など、コーヒーを使ったスイーツも用意する。なかでも、販売開始から2300本以上を売り上げている、自宅用のアイスコーヒーリキッド(550円〜)で作るコーヒーゼリー(650円)はコーヒーが苦手な人にもおすすめの一品。コーヒーの風味は残しながらも、すっきりとした味わいに仕上げている。
大濠公園や舞鶴公園などからほど近い同店。散歩がてらテイクアウト利用するのもおすすめだ。

[Saredo Coffee(サレド コーヒー)] 福岡市中央区六本松3-11-33 エステートビル1階 / 092-791-1313 / 11:00~20:00(LO19:30) / 水曜日休み / 16席 / コーヒー1杯500円~
コーヒーの伝道師が作る純なる一杯「三和珈琲館」
六本松の交差点から桜坂方面へ向かう城南線の入口付近。何十年も前から掲げられたグリーンの看板が目印だ。創業は1974(昭和49)年。店主の井手一博さんが、世界中から選りすぐった豆を自家焙煎で提供する喫茶としてオープンさせた。


創業以来、大切にしているのは、豆の純粋なおいしさだけをカップに落とし込むこと。そのために、生豆の状態で2回、焙煎後も2回にわたりハンドピックで欠点豆を取り除き、1粒の雑味も混じらない、最後の1滴までおいしい一杯を目指している。

「いいコーヒーとは、1口目に香ばしく、2口目に強い甘味を感じ、3口目にまろやかな味わいと爽やかなあと味が残るものです。三和で飲んでコーヒーの概念が変わったという方もたくさんいらっしゃいます」と井手さんは自信をもって語る。
生涯をコーヒーに捧げる井手さんらしいエピソードも。ある時、皇室で提供されているコーヒーの種類を耳にし、「もっとおいしいものを味わっていただきたい」と一念発起。そして豆、焙煎共に最高品質のコーヒーを作り上げ、皇室に数年間贈り続けた。そのインドネシアのセレベスカロシをベースとするブレンドは、「エンペラーズ・ブレンド」と名付けられ店で飲むことができる。そんな井手さん自らが教える「コーヒー教室」(2000円・コーヒー2杯付き・要予約)も開催。コーヒーの深淵な世界をのぞいてみるのもいいだろう。
[三和珈琲館(サンワコーヒーカン)] / 福岡市中央区六本松4-1-14 / 092-711-8735 / 10:00~21:30 / 年末年始休み / 26席 / コーヒー1杯630円~
コーヒーハンターが誘う未知なる喫茶体験「Mi Cafeto 六本松店」
世界50か国以上、2500を超える農園を知る男。世界最高品質の豆を追い求め“コーヒーハンター”という異名を持つJose.川島良彰氏は、コーヒー界では知らぬ者のいないレジェンド。その川島氏が、“コーヒーはフルーツである”ということを知ってほしいと、17年9月に九州初となる店を六本松にオープンした。

ミカフェートのコーヒー選びは栽培環境の優れた畑を探し出すことから始まる。精選方法も銘柄ごとに果肉除去・乾燥などの工程を生産者と話し合い、もっとも美味しくなる方法をとる。豆のグレードや保存方法もまた独特。本物のコーヒーを作るためにはワイン同様、土壌のよさ、作り手の品質管理が重要。同店では、明確な品質管理基準のピラミッドを作り、その全てのグレードでおいしいコーヒーを提供する。保存する方法は酸素が透過しにくく、アロマ(香り)を維持する特殊なペットボトルを採用している。

淹れるのは独自の認定資格を持つバリスタ。抽出は150㏄の抽出量に対し、ペーパードリップとしては多めの20gの豆を使用。雑味の元となる微粉を茶こしでこし、ウェーブドリップを使い高温の湯で淹れることで、豆の個性的な香りを際立たせている。コーヒーが気に入ったらワインショップさながらのコーヒーセラーもチェックを。自宅でも世界を旅するような体験ができるだろう。


[Mi Cafeto 六本松店(ミ カフェート ロッポンマツテン)]福岡市中央区六本松4-2-2 六本松421 1階 / 092-406-7441 / 11:00~19:00 / 水曜日 / 20席 / コーヒー1杯600円~
研究熱心な職人とコーヒー談義を「Fusuku Coffee」
名刺に書かれた肩書きは“株式会社賦句珈琲 代表取締役”。しかし話を聞くうちに、これは生粋のコーヒーギーク(オタク)が自分のコーヒー道を探求するために開いた“ラボ”なんだと確信した。

店主は、永遠のコーヒー少年ともいえる賦句孝司さん。ハンドドリップの抽出技術を競うジャパンハンドドリップチャンピオンシップでは、スタッフも含め2度も九州予選で1位に輝き、全国で3位入賞を果たすなど、コンスタントに結果を出している。「抽出ってお湯が豆を透過する際のスピードがかなり重要。豆にガスを多く含む深煎りは粉にした時にお湯が通る“道”ができるのでゆっくり注ぎ、逆に浅煎りは膨らみにくいので勢いをつけて攪拌させるんです」と賦句さん。しかも日によって豆の膨らみ方は変わるので、片時もドリッパーから目を離すことはない。

通常、カウンター内にあるエスプレッソマシンもここでは客席側に置かれている。それは「ラテアート体験」(3000円・要予約)を体験した客は、いつでもそのマシンを使って自分でエスプレッソを抽出し飲めるため(1回250円、ミルク使用300円)。また、ペーパードリップも定番のハリオV60をはじめ、ボナビータなどマニアックなものからも選ぶことができる。「コーヒーについて語り合いたい」という賦句さんの願いを形にした空間だ。新しいコーヒーの扉を開けたい時に訪れてほしい。


[Fusuku Coffee(フスク コーヒー)]福岡市中央区谷1-12-30 / 092-406-7745 / 7:00~18:00 / 水曜休み / 12席 / コーヒー1杯500円~
九州ウォーカー編集部
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