影山貴彦のテレビのホンネ。関西ローカルで光る 「えぇトコ」えぇ番組
関西ウォーカー
地域局の判断で独自制作の番組を放送。これぞ関西の意地ってものだ!
ナインティナインの岡村隆史が司会を務めるクイズバラエティー、「チコちゃんに叱られる」。NHK東京放送局(AK)制作だ。番組開始早々の4月、メディアで絶賛したのはボクだ(笑)。着ぐるみ?で登場する5歳児のチコちゃんの声の主は、キム兄こと木村祐一。決め台詞の「ボーっと生きてんじゃねーよ!」は、流行語にもなったので、みなさんご存じだろう。
公式グッズが本日(12月14日)から発売開始、18日には写真集が出版され、来年1月には連載漫画もスタートするなどチコちゃんの勢いは止まらない。大晦日の「紅白歌合戦」にもきっと出てくるだろう。もしかして審査員か?(笑)。ただ、番組は視聴者に長く愛されることがベストだ。急激な人気沸騰は少し心配でもある。
おっと、「関西の番組にエールを送る」このコラム、今年最後を全国ネットの番組ネタで締めるわけはない。本題はここからだ。「チコちゃん~」が、多くの地域で本放送されているのは金曜夜7時57分からだが、このほぼ同時間、関西では「えぇトコ」というNHK大阪放送局(BK)制作の紀行番組をローカル放送している。週末の夜にふさわしく、まったりした雰囲気を醸し出し、丁寧に制作している佳き番組だ。島 よしのりと橋本のりこの安定感あるナレーションも素晴らしい。
ほとんどの地域で、土曜朝(8時15分~)が再放送となる「チコちゃん~」だが、関西では金曜の放送はないため、土曜が本放送。「チコちゃん~」の番組宛に多くの問い合わせがあるようで、番組ホームページには赤字で「金曜日は、それぞれの地域放送局の判断で、独自に制作した番組を放送する場合がございます」と説明しているのが興味深い。
AK制作の「チコちゃん~」もいいが、BK制作の「えぇトコ」も決して負けてない。これぞ関西の意地ってものだ。
【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。
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