神戸に「泊まる価値」はあるか!? 魅力発見の旅に行ってみた
東京ウォーカー(全国版)
神戸のプレスツアーに参加した。きっかけは、「KOBE EYE(こうべあい)」という、神戸観光局と神戸市民、メディア関係者が「神戸の奥深い魅力を多くの人たちに知っていただくために」結成された集いに招かれたことだった。
「神戸について思うことを忌憚なく」という言葉を真に受けて、というわけではないが、「宿泊で、というイメージがあまりなく、京都や大阪に行く際に、ちょっと足を伸ばして、という印象」という言葉を述べた。いわゆる“三都物語”の他の“二都”に比べると、「宿泊して」という観点ではやや弱さがあるように感じる、といったようなことを。
集いから程なく、「暮らすように旅する」神戸プレスツアーの誘いを受けた。
スイーツの街、神戸の魅力

ツアー初日。まずは、「乙仲通」を散策しながら「パティスリー モンプリュ」へ。ここで、ORIGINE KOBE(オリジンコウベ=神戸を代表するパティシエの集まり。2015年に発足)発足の中心となったパティスリー モンプリュの林周平シェフと「コンパルティール ヴァロール」の大西達也シェフにORIGINE KOBEと神戸のスイーツについて話を聞いた。
「発足から2年たったときに『ORIGINE KOBE』というスイーツが生まれました。参画している8店舗が同じレシピを共有し、同じ値段設定で展開しています。『神戸のお土産をつくろう』という話がきっかけでした」
「(ORIGINE KOBEの今後は?)大切なのは続けていくこと。メンバーで海外でのイベントなどもやりたいと話しています」
パティスリー モンプリュでは4種類のスイーツをいただく。「朝イチ、4種類も食べられるかな」という不安(?)をよそに完食。甘すぎず、とても美味しかった。


なお、「乙仲通」は神戸市中央区の「栄町通」と「海岸通」の間を東西に通っている、約800メートルの通りで、レトロな近代建築を利用した、女性に人気のエリアとのこと。確かに「女子受けしそう」という印象のカフェやアトリエ、セレクトショップなどが並ぶ通りで、取材クルー(自分以外すべて女性)の反応もそれを証明していた。
「金泉」と「銀泉」を堪能できる有馬温泉
昭和11年創業の老舗洋食店「欧風料理 もん」での昼食を経て、有馬温泉は「向陽閣」へ。愛媛の道後温泉、和歌山の白浜温泉と並び「日本三古湯」のひとつに、群馬の草津温泉、岐阜の下呂温泉と並び「日本三名泉」のひとつに数えられる有馬温泉は「偉人たちの癒しの湯」として知られ、古くは飛鳥時代の舒明天皇、孝徳天皇の行幸にはじまり、小野小町、清少納言、足利尊氏、黒田官兵衛、福沢諭吉、谷崎潤一郎など、多くの偉人の心と身体を癒してきた湯として知られている。中でも、都合9回の湯治に訪れたとされる豊臣秀吉は、大火や地震に見舞われた有馬の復興・繁栄を助けた偉人としてこの地で愛され、有馬温泉には「太閤像」と「ねね像」の姿が。


有馬温泉といえば「金泉」と呼ばれる赤褐色の湯が有名だが、これが想像していた以上に赤褐色。「兵衛向陽閣」の岸本さんの話によると、これは湧き出るお湯が約600万年前の海洋プレートに含まれたわずかな海水で、地下深くのマントルに温められ、地表に届けられるのだが、金泉はその鉄分と塩分の多さから、無色透明で湧き出た後に空気中の酸素と反応し、酸化することで赤褐色に変化する、とのこと。今回は時間の都合上、足湯にとどまったものの(残念。苦笑)、有馬温泉は、金泉と無色透明の銀泉というふたつの温泉が楽しめる点も魅力だ。
日本一の酒どころ、灘の酒蔵めぐり
続いて、ツアー一行は灘の酒蔵へ。余談だが、ツアー前の選択肢では「酒蔵まわり」ともうひとつのルートが用意されていたものの、ツアー参加者は全員「酒蔵」を選択したそう(笑)。
まずは、菊正宗。ここは、国指定の重要有形民俗文化財「灘の酒造り道具」を展示(※菊正宗酒造記念館に展示)する唯一の酒蔵で、後藤守館長が「生酛(きもと)造り」へのこだわりを語ってくれた。いわく、「生酛造り」とは、アルコールを造る酵母を育てる「酛(酒母)」を、水と米と米麹から、昔ながらの手作業で4週間かけて造り上げる、酒造りの原点と言える製法のこと。生酛造りは通常の倍以上の時間と手間がかかり、安定的に行うことも難しいため、全国でこれを伝承するのは、菊正宗を含めてわずか数蔵しかないとのことだ。その後、きき酒コーナーで試飲。こだわり、歴史をうかがった後の一杯(正しくは二杯)は格別だった。


続いて、浜福鶴。名物案内人の宮脇米治さんからお酒ができるまでの行程を丁寧に説明いただき、「もろみ仕込みが体感できる」酒造見学コースを巡回。ここでは、もろみの香りや、発酵中音を体感することができた。その後、生酒試飲コーナーへ向かったのだが、米治さんが飲ますわ、飲ますわ(笑)。10種類以上の試飲をさせていただき、ツアーメンバーは皆、(おそらく)ほろ酔い。


そして、3棟目の酒蔵、神戸酒心館へ。酒心館を代表する銘柄「福寿」の純米大吟醸は、2012年のノーベル賞晩餐会でテーブルを飾り、一躍有名になった名酒。また、酒心館には、かつての酒蔵を利用した多目的ホールがあり、ここでコンサートや展示会など、さまざまなイベントを開催している。さらに、酒蔵ウエディングも受けつけるなど、伝統を守りつつ、新しい取り組みを意欲的に行う酒蔵という印象を受けた。もちろん、締めの試飲では「福寿」も美味しくいただく。


やはり美しい、神戸の夜景を堪能
酒蔵巡りですっかり気分を(さらに)良くした一行は、ヴィーナスヴィレッジで夜景を鑑賞。さらにメリケンパーク、ハーバーランドと神戸の夜景を堪能した。今年2018年4月にメリケンパークに誕生した噴水広場は、夜間に特別なライトアップの演出も。20分ほどの間隔で、カラフルなLED照明と音楽による約3分間の演出があり、神戸ポートタワーを背景に最大5メートルの高さにあがる噴水がつくり出す風景は、とても幻想的。神戸の夜景は、やはり美しい。



初日の夕食は「味加味」で会食。このお店、もとはうどん屋からスタートしたそうだが、オーナーがお客さんのいろいろなリクエストに応えていくうちに、和食・洋食・イタリアン・中華まで、文字どおり“何でもあるお店”になったとのこと。様々な国の文化を受け入れて育ててきた、実に神戸らしいお店だなと感じた。
この記事の画像一覧(全27枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介