神戸に「泊まる価値」はあるか!? 魅力発見の旅に行ってみた

東京ウォーカー(全国版)

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神戸の「毎日登山」の文化に触れる


2日目の朝は8時前に新神戸駅へ。目的は「朝の登山」。新神戸駅の1階からトンネルを抜けると自然の中に広がる登山道があり、地元の方(出勤前?のスーツ姿の方も)に混じりながら布引の滝を眺め、展望台まで歩いた。神戸には「毎日登山」という独特の文化がある、とは聞いていたが、こんな街中のそばで大自然に囲まれた登山ができるとは、ちょっと驚いた。アテンドしてくれた神戸観光局の方いわく、「街中では知らない方に挨拶なんかしないのに、山の中では挨拶するんです(笑)。いい時間ですよね」とのこと。朝からマイナスイオンを浴びて気分一新。出勤前の登山は、ちょっと憧れる。

布引の滝©2018 AI INAGAKI


神戸の朝登山。朝から街を見下ろす©2018 AI INAGAKI


パンの街、神戸の魅力


体を動かした後は、フロインドリーブへ。ここは長い歴史を持つ神戸の老舗ベーカリーで、教会の礼拝堂を改装した開放的な吹き抜けの空間のカフェでは、ゆったりとした時間を過ごすことができる。フロインドリーブはドイツ出身のパン職人・故ハインリヒ・フロインドリーブ氏が創業したベーカリーで、第一次世界大戦の捕虜として日本にやってきたフロインドリーブ氏は、戦後もそのまま日本に残り、ドイツパンを日本に広めた第一人者として知られる人物。その後、3代目のヘラ・フロインドリーブ・上原さんが、ご自身が結婚式を挙げた協会が廃墟になってしまっていた際にその協会を買い取り、リノベーションしてオープンさせたのが、今のお店。

教会をリノベーションしてつくられた「フロインドリーブ」©2018 AI INAGAKI


94年の歴史をもつパン屋。神戸人が愛する「フロインドリーブ」©2018 AI INAGAKI


4代目の上原嘉恒ハインリッヒさんに神戸のパンの歴史やシュトレンの話をうかがいながら、パンのモーニングをいただく。上原さんは、神戸に根付くシュトレン文化を広める「HYOGOシュトレンの会」の代表も務め、「家族で食卓を囲むことが少なくなっている時代だからこそ、切り分けてみんなで食べるシュトレンの家庭的な魅力を発信したいと思います」と、その主旨を語ってくれた。

フロインドリーブ4代目の上原嘉恒ハインリッヒさん©2018 AI INAGAKI


話題のピーナッツホテル、そして中華街へ


朝食後は、北野を散策。異人館街として知られる北野では、廃校となった小学校を活用した体験型観光スポットの「北野工房のまち」やムスリムモスクも見学。さらにその足で、今年8月にオープンした「ピーナッツホテル」へ。特別に各フロアの部屋を見せてもらったが、なるほど、1階の「ピーナッツカフェ」も3階の「ピーナッツダイナー」が女性ばかりなのも納得。スヌーピーファンの女子旅には最高の空間だと思う。

2018年8月にオープンした「ピーナッツ ホテル」©2018 AI INAGAKI


スヌーピーと鳥たちのコミックをイメージしたスペシャルルーム©2018 AI INAGAKI


黄色に、チャーリー・ブラウンのトレードマークであるジグザグ模様のデザインや、野球をイメージした遊び心ある室内©2018 AI INAGAKI


ツアー二日目のお昼は南京町の港式カフェレストラン「群愛茶餐廳(ぐんあいツァツァンティン)」へ。ここに、日本の豚まん発祥の店「老祥記(ろうしょうき)」の三代目店主・曹英生さんが豚饅頭を携えやって来てくれた。2018年に生誕150年を迎えた南京町の歴史から、豚饅頭の美味しい食べ方(マヨネーズに少し醤油を混ぜて、が特に美味しかった)まで、曹さんの話をうかがいつつ、「群愛茶餐廳」でランチタイムを過ごした。

2018年に150周年を迎えた南京町©2018 AI INAGAKI


「群愛茶餐廳(ぐんあいツァツァンティン)」の施蓮棠(シーリェンタン)さん(左)と「老祥記」の曹英生(そうえいせい)さん©2018 AI INAGAKI


隠れた神戸の注目エリア「塩屋」


そして一行は、ツアーの最終目的地、「塩屋」へ。神戸の中心部から電車で20分ほどの距離にある塩屋は、山と海の間に街が広がる神戸のなかでも、最も海と山が接近するエリアで、とにかく坂だらけ。車が通れない細い路地には昔ながらの魚屋さんや八百屋さんの姿が。海を望む坂の街、「アマルフィー」は言い過ぎかもしれないが(笑)、山と海の両方が目前に迫る風光明媚な立地は圧巻だった。この街には、築100年を超える洋館「旧グッケンハイム邸」があり、その管理人であり、音楽家としても活動する森本アリさんが案内人を務めてくれた。旧グッケンハイム邸は、100年以上の時を刻んだ洋館をそのまま活用した多目的スペースで、「三田村管打団?」等で活躍する森本アリさんがブッキングするライヴや、海を望む庭をまるごと使ったパーティー等にも利用できる場になっている。近年、若手クリエイターの移住も増えるなど、塩屋は隠れた神戸の注目エリアとして脚光を浴びている場だ。

神戸市塩屋の洋館「旧グッゲンハイム邸」©2018 AI INAGAKI


旧グッゲンハイム邸の管理人・森本アリさん©2018 AI INAGAKI


塩屋の街並みを坂の上から©2018 AI INAGAKI


二日間のツアー。訪れる場所、場所で、たくさんの方の話を聞けたことも収穫だった。スイーツの世界も、パンの世界も、日本酒の世界も、温泉街も中華街も、坂の街も「受け入れること・つながること」を大切にしているように感じた。

初日の夜、神戸市の方と“忌憚のない”会話をした。宿泊して楽しめるツアーを考えていただいたこと、京都や大阪との関係の中で楽しめることもあらためて考えていきたいとおっしゃっていただいたこと。「暮らすように旅する」神戸ツアー、個人的には、旅以上に暮らしてみたい「神戸の魅力」を再発見する旅だった。

浅野祐介/ウォーカープラス編集長

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