Bリーグで最も危険な男、金丸晃輔
東海ウォーカー

進化を続ける日本最高のシューター
「本当に素晴らしい動き。抑えるのは難しい」と、梶山ヘッドコーチ(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)が手放しで褒めれば、 ジョゼップ・クラロス ヘッドコーチ(秋田ノーザンハピネッツ)は、たった一人に41得点を取られた後、「彼はファウルをもらうのが上手い」と小さな皮肉を込めた。続けて「彼のような選手がいればチームが変わる」とも。その彼とは、シーホース三河の金丸晃輔。今、Bリーグで最も脅威を与えるプレーヤーだ。フリースロー成功率94.2%で1位、平均得点19点で日本人1位、3Pシュート成功率44.5%で3位(すべて2月18日現在)。得点力にスポットを当てると、日本人プレーヤーの中で飛び抜けたスタッツを残している。
昨シーズン、三河にはもう一人のエース比江島 慎(現リンク栃木ブレックス)が在籍し、金丸と比江島、そして桜木ジェイアールが絡んだ多彩な得点パターンで勝利を重ねた。しかし、今シーズンより比江島が移籍したことで的が絞りやすくなり、金丸にマークが集中する。シーズン序盤は得点が伸びない試合が目立ち、チームも負けが先行した。メンバーが一新してオフェンスの連携がつたなかったのも原因で、試合後に「自分はボールを持ってから勝負するのではなく、流れの中で得点するタイプ。今はチームとして攻撃ができていない」と不満をもらすこともあった。

ただ、与えられた環境に適応するのが一流の証拠に思う。金丸はシーズン中盤から進化した。「ボールを持ってから勝負するタイプではない」と話していた金丸が、ボールマンとしてピックアンドロールを使ったり、ドライブを仕掛けたりするようになった。バリエーション豊かな得点パターンについて聞くと、「いつも練習では、これくらいやるんですよ」とはぐらかすが、スキルアップは明らかだった。Bリーグで一番危険な選手は、当然、一番厳しいマークを受ける。「(ディフェンスが厳しい時は)ファウルをもらうプレーを心がけています。3Pシュートにこだわらず仕掛ける。外と中、両方をマークするのは難しいですから」と話す。金丸のフリースロー成功率は上述の通りで、非常に高い確率で得点につながっている。スキルだけでなく、バスケIQの高さも金丸の武器なのだろう。

感情を内に秘めて、たんたんと得点という仕事をまっとうする職人。趣味はバス釣りで、オールスターの3Pシュートコンテストで優勝後、賞金30万円の使い道を聞いた。すると「それ…、聞くんですか」と笑った後で、お約束のように「釣り用具です」と答える、お茶目な男であるのも忘れないでもらいたい。


日の丸を背負って世界を驚かす日を
2月21日(木)より、再びバスケW杯とオリンピックの出場をかけたバスケ男子日本代表戦が始まる。稀代のシューターの名前がない事に疑問を覚えるファンも少なくないだろう。金丸は「自分はある程度プレータイムをもらえて、自分を中心としたオフェンスのシステムでないと良さを出しにくいタイプ。(選ばれないのは)その点じゃないですか」と話す。ただ、その言葉の温度と口にしたときの佇まいには、〝代表選手にも負けていない〟というプライドが伝わってきた。W杯やオリンピックへ道が続けば、この男にもチャンスが回ってくる可能性はある。現に結果がそう示しているのだから。日の丸を背負った時は、いつものように顔色を変えず、たんたんと世界を驚かせてくれるはずだ。

シックスマン
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