影山貴彦のテレビのホンネ。MBS新番組「ミント!」 関西各局の活性化を好感
関西ウォーカー

作り手の真剣さを感じる「ミント!」の登場。関西のテレビ界に新しい風が吹いている
「令和」の幕が開いて、およそ1週間。すでに何かが変わったような気分になっている人もいるだろうが、「元号と自らの生活は関係なし」と、淡々と毎日を送っている人もいるだろう。いずれにしても、「新元号恩恵大型連休」も終わった。会社や学校に戻るのがイヤな人、ヤレヤレとホッとしている人、こちらもさまざまだろう。
テレビの世界にも、日常が戻った感がある。各局の春の新番組もスタートしてしばらく経つ。これからがいよいよ勝負の時だ。4月1日にスタートしたMBSの新番組「ミント!」。関西のテレビ局にとって、久々の大型番組改編だった。1999年に始まり、長らく視聴者に親しまれてきた「ちちんぷいぷい」を約2時間にコンパクト化し、「ぷいぷい」と直結する形で生まれた、3時間強の報道・情報番組が「ミント!」だ。個人的には「ちちんぷいぷい」を5時間に枠大する選択もあったと思うが、いずれにしても関西のテレビ界に、新しい風が吹いたことは間違いない。
テレビ、特に帯番組は習慣性で見られる。それぞれの視聴者が、馴染んだ番組を続けて視聴する傾向にある。もちろんリモコンを手にチャンネルを替えながら見る人も多いが、ほどなくそれぞれ落ち着く番組に戻っていく。テレビ視聴の帰巣本能とでも言おうか。だが新番組がひとつ始まることで、視聴者はこれまで深く気にしなかった番組も意識し始める。関西各局がしのぎを削る夕方の情報・報道番組が、「ミント!」の登場で活性化されたように映るのは私だけではないはずだ。作り手たちの真剣さを感じる。それでこそテレビだ。大いに切磋琢磨して欲しい。
MBSは、18時15分から放送していた報道番組「VOICE」を終了させ、「ミント!」内の16時半という早い時間にローカルニュースを組み込んだ。大胆な手法、吉と出るか。


【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。
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