使い勝手がよく運転が楽しく思える「いい軽自動車」新型ekワゴンをチェック
東京ウォーカー(全国版)
税制面や買い求めやすい価格設定という経済性もあるが、日本の独自規格である軽自動車は、日本人のライフスタイルや道に合致しているからこその支持の高さを集めていると思う。実際、日本国内における新車登録台数500万台のうち軽自動車は実に4割の200万台を占めている。中でもホンダ・N-WGNやN-One、ダイハツ・キャスト、スズキ・ハスラーといった、やや背の高い「ハイトワゴン」「トールワゴン」と呼ばれるジャンルは激戦区で、各社力を入れている。そこに今春、三菱自動車は約6年ぶりのフルモデルチェンジとなるeKワゴンを投入。さらに群雄割拠の様相を呈してきた。今回その新型ekワゴンを試乗することができたのでレポートする。

新型eKワゴンは、三菱自動車と日産自動車の合弁会社であるNMKVが企画・開発マネジメントし、両社のエンジニアの協働で誕生した。いわば三菱自動車のもつ「約60年にわたる軽自動車づくりのノウハウ」と日産自動車の「先進技術」の、いわば「よいとこどり」したモデルだ。そういう車を期待するなというより、悪いハズがなく、結論から先に言えば、その期待を大幅に上回るデキの良さだった。
広い後部座席に細かな配慮が

それでは、よいとこどりの一つ、三菱自動車側のノウハウからご紹介しよう。後席を開けるとライトグレーを基調とした明るい室内、そしてコンパクトカーはおろか、セダンよりも広い室内空間に心が躍る。

大柄の成人男性が座っても狭さや苦痛を覚えることはなく、ほぼ同価格のBセグメント・コンパクトカーの狭さを知っている人ほど、この広さには驚くこと間違いないだろう。広さにも驚くが、さらに乗降性のよさにも驚いた。

天井が高いので、あまり屈まなくてすむだけでなく、サイドシルと呼ばれるシャーシ床面の段差が低いため、脚を上げる必要がない。さらにシートの角が丸みを帯びているため、先に座ってから足をスッと入れることも容易だ。ファミリーカーの場合、後席に子供やお年寄りが多いが、この配慮は「誰がこの車に乗るのか」という点をよく考えた現れだろう。

後席がここまで広いと荷室は狭いのでは、と思いがちだが、そうではない。後席を思いっきり下げてもスーツケースが入るほどの広さが確保されているのだ。さらに後席シート全体が片手で前後、そしてフルフラット化する。この使い勝手の良さにもまた驚く。これなら買い物が多い奥様でも安心だ。しかも底面にはさらなる収納も。2輪駆動モデルと4輪駆動モデルで高さは違うのだが、わずかなスペースすらも収納にしてしまったことは驚嘆に値する。


運転席に座ると、まず驚くのは収納の多さだ。まず運転席と助手席には各2箇所にドリンクホルダーを設置。さらにセンターコンソールには引き出しが用意され、シアトル系カフェなどで提供されるカップを置くホルダーも。その下には大きめのタオルを入れるのにちょうどよいボックスも。助手席のグローブボックスは二段式で、さらに助手席下にはシューズボックスまで用意。運転席のハンドルコラム下には、折りたたみ傘を置くスペースまである。傑作なのは、助手席に配置された車検証やメンテナンスノートを置くスペース。この手の書類って意外と場所を取るからうれしい限りだ。

さらに嬉しいのは「マニュアルを見なくてもわかりやすい」操作性の良さ。近年、ハイブリッドカーを中心に「ジョイスティックタイプ」のシフトレバーが増えているが、ekワゴンはレバー式。シフトポジションがどこにあるのか手の感覚でわかるのはとても安心するし、誤操作の心配もない。そしてステアリングコラムにはパドルはなく、そしてスポーツモードといったボタンもない。シンプルの極みだ。

いっぽう、ハンドルに付いたのは三菱自動車としては初となる自動運転レベル2「MI-PILOT」だ。高速道路の同一車線において、車間と白線を監視しドライバーをアシストするこの機能は、日産自動車の「プロパイロット」の三菱版といえるもの。巡行だけでなく渋滞の時でも強力に運転手をサポートしてくれる。軽自動車で高速道路は……という方は、ぜひこの機能を活用していただきたい。この自動運転レベル2を筆頭に、オプションのアラウンドビューモニターやデジタルルームミラーなど、日産自動車の先進技術が各所に盛り込まれ、ドライバーをアシストしてくれる。

さて、エンジンは3気筒自然吸気のみ。こちらは新開発で以前よりもより低回転から発生し、かつアップ。より力強い加速が、信号待ちや高速道路の合流でドライバーを助けてくれる。もちろんエコカー減税の対象車であるが、自動車所得税は今年10月廃止され、代わりに環境性能割が導入される予定で、こちらの方が実質納税額は下がると思われる。ただし消費税は10%に増税されるので、買いは今か、それとも10月まで待つべきかは悩ましいところ。

ちなみに、上級モデルであるekクロスには、モーターアシストを搭載したハイブリッドモデルと、ハイブリッドにターボを搭載したモデルも用意され、より力強い加速が得られる。


このekクロスについて簡単に説明すると、こちらはよりアウトドアテイストを強めた三菱自動車らしい1台。フロントマスクには新型デリカD:5で採用されたドヤ顔「ダイナミックシールド」を採用。このヘッドライト配置には奇異に映るかもしれないが、対向車や歩行者にとっての防眩効果を狙ったもので、デザインと機能美の結晶ともいえるものだ。今後同社の新車にも搭載されていくことだろう。アウトドアテイストは天井に設けられたレールをはじめ、オプションの樹脂製オールウェザーマットなどにも表れている。室内は男性的なブラックのほか、プレミアムインテリアパッケージとしてタン×ライトブラウンも用意。この車内色は見た目以上に上品かつ上質なのでぜひチェックしてほしい。
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