9のトピックスで歴史がわかる!「福岡うどん」のキホン
九州ウォーカー
うどんの発祥や普及にまつわる話から、具材のうんちく、トレンドの移り変わりまで、福岡のうどんにおける知っておきたいトリビア、豆知識を紹介。これで福岡のうどんツウ!?
1.うどんは博多発祥なの!?
うどんの誕生には諸説ある。その一つが博多発祥説だ。当時の宋へと修行に渡った聖一国師は、帰国の際、製粉技術が描かれた「水磨の図」を持ち帰った。これに記された図面の機具を再現したことで、博多の街では小麦粉の大量生産が可能となった。一般市民にも小麦粉が手に入りやすくなり、うどんも家庭で親しまれるようになったのだ。


2.うどん普及の陰に醤油あり
うどん文化が花開いたのは江戸時代。「稲庭うどん」や「きしめん」など、各地のご当地うどんも大半がこれ以降に確立されている。うどん発祥の地という説がある香川「讃岐うどん」も、うどん文化が盛んになったのは江戸以降。その理由の一つに醤油があるとされる。江戸期以前、醤油は高価で、庶民は手に入れられなかった。参勤交代で街道が整備されるなど、物流が活発になり、醤油の価格も下がり、ご当地うどんの確立にひと役買った。

3.博多最古の老舗は「かろのうろん」
福岡で最も古いうどん店が、1882年創業の「かろのうろん」。現店主の高祖母はうどん作りが得意で、趣味と実益を兼ね、空き家を利用してお客に振る舞い出したのが始まりだ。現在も店を構える老舗には、1926年創業の「木屋」、1948年の「名代 花びし」 、1951年の「因幡うどん」、1954年の「みやけうどん」が挙げられる。


4."やわ麺”の博多うどんは商人の味
博多うどんの最大の特徴は柔らかい麺。この柔らかさにも博多らしい理由がある。博多は古くから商人の町で、時間にシビア。今も昔も行列や待つ時間を嫌う。そんな博多人の気質に合わせ、素早く提供でき、噛み切りやすく、飲み込みやすい柔らかな"茹で置き”の麺を用いた。これが普及し、親しまれるようになる。

5.独自の進化を遂げる福岡の讃岐うどん
博多でも讃岐うどんの店は愛されている。1960年代に開業した「博多さぬきうどん」がそのはしりで、以降、数々の出店があった。ただし、いずれの店も、やわ麺好きな博多っ子の洗礼を受けることに。そこで、讃岐らしいコシを残しながら、早く提供できるように麺を細く、薄くするなど、店ごとにアレンジを加えている。

6.21世紀に入ると大手チェーンが福岡進出
2000年以降、福岡市内のうどんシーンは群雄割拠の様相を見せる。「ウエスト」「牧のうどん」という地元愛が支える人気チェーンがあるなか、「はなまるうどん」「讃岐釜揚げうどん 丸亀製麺」といった大手全国チェーン店が福岡進出。21世紀に入り、一気にうどんの選択肢が多様化した。

7.北九州の雄 福岡市へ進出
福岡市のうどん事情が活発化した背景には、北九州の動きもあった。地場で圧倒的な支持を得る「資さんうどん」の福岡市内進出だ。これにより「丸亀製麺」「ウエスト」「牧のうどん」「資さんうどん」による四つ巴の激戦区が生まれた。北九州からは「豊前裏打会」の福岡市での展開も目が離せない。

8.うどん居酒屋が市民権を得た!?
福岡での締めは昔からラーメンが主流だったが、近年、その選択肢にうどんが加わることも多くなった。「唄う稲穂」、「二○加屋長介」、「うどん大學」など、いずれも一品料理の味はもちろんのこと、専門店顔負けのクオリティを誇るうどんを提供。そんな"うどん居酒屋"というスタイルもすっかり浸透し、人気を得ている。

9.福岡うどんが次々と東京へ
福岡うどんは、今や東京でも流行の兆しをみせている。福岡発のうどん居酒屋文化を引っさげた「二◯加屋長介」は現在、東京で2店舗を展開する繁盛ぶり。北九州発の「豊前裏打会」一派の「大地のうどん」も高田馬場に出店し、好評を博す。また、やわ麺のうどんを豚バラ串と一緒に楽しめる「博多うどん酒場 イチカバチカ」も誕生。東京での福岡うどんの活躍が目覚ましい。


九州ウォーカー編集部
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