おいしい豆腐には理由がある。京の老舗「嵯峨豆腐 森嘉」の逸品を味わう
関西ウォーカー
江戸後期、安政年間の創業以来、手作り豆腐にこだわる「嵯峨豆腐 森嘉」。川端康成や司馬遼太郎の小説にも登場する名店だ。こちらの定番商品が、絹ごし豆腐のようになめらかでありながらも、木綿豆腐のようなコシも感じられる「嵯峨豆腐」。その誕生秘話からこだわりのポイントまでご紹介。<※情報は関西ウォーカー(2019年18号)より>
京豆腐の元祖·嵯峨豆腐
「嵯峨豆腐」誕生のきっかけは、凝固剤として一般的なにがりが不足した戦後、中国の製法を参考にした4代目が、にがりの代わりにすまし粉(石膏)を用いたこと。タンパク質を固めて離水しがちなにがりと異なり、すまし粉は水分も一緒に固めるため、独特の柔らかな食感が続くという。

「豆腐の80~90%は水分。そのため大豆の選定と同様、水にもこだわっています。敷地内の地下からくみ上げる軟水は欠かせない原料。豆のタンパク分を程よく引き出し、食感や風味を整えてくれます」と6代目の森井邦夫さん。オリジナル製法の嵯峨豆腐は評判を呼び、周辺の寺院や料理店でも長く愛用されている。そんな看板商品はもちろん、この時期に訪れたなら夏季限定の「きぬごし」や「からし豆腐」もぜひ購入したい。


大豆が香るふっくら生地に多彩な食感の具材がぎっしりの飛龍頭

嵯峨豆腐の生地をベースにした飛龍頭も評判。味わいの肝となるギンナンやユリネは一年を通して冷凍物を一切使用せず、生のものだけを厳選。毎日早朝から、ギンナンを湯がいてむいて、ユリネは一枚一枚包丁を入れてほぐすなど、手間ひまかけて仕込む。

そして、ニンジン、ゴボウ、キクラゲ、黒ゴマ、麻の実と、豊富な具材を練り込んで山の芋で粘りを出した生地を2度揚げしながら、中身はふっくら、表面はカリッと仕上げる。店頭では揚げたてに塩をかけておやつ感覚で。煮物や鍋物にして、ダシが染み込んだ生地を味わうのもおすすめだ。

「当店の飛龍頭は食べ応え抜群です。店頭で揚げたてを召し上がっていただけますので、嵐山散策中に小腹がすいたらぜひお立ち寄りください。ご自宅で煮物にしていただいてもおいしいですよ!」と、取締役の森井邦夫さん。

店頭では職人さんが豆腐を作る様子が見える。
■嵯峨豆腐 森嘉<住所:京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町42 電話:075-872-3955 時間:8:00~18:00 休み:水曜(祝日の場合翌日)、火曜不定 駐車場:4台(無料) アクセス:JR嵯峨嵐山駅より徒歩15分、嵐電嵐山駅より徒歩15分>
編集部
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