今季は世界フィギュアスケート選手権出場を目指す!完全復活を遂げた山本草太【後編】

東海ウォーカー

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今季、世界フィギュアスケート選手権出場を目標に戦いを続ける山本草太選手。前編に続き、今年5月に行われた独占インタビューを改めてお届けするが、後編では、オリンピックへの思いや、普段の学生生活についての話題が中心となる。また、げんさんサマーカップの取材内容なども含め、彼の今シーズン初戦までの数か月間を振り返りたい。

オリンピックが目標と、口に出してやっていきたい


山本草太、げんさんサマーカップでのショートプログラム、演技前の表情


―今後の目標として、オリンピックのことは意識に入っていますか?

「はい、それが目標です。昨シーズンは、まだ口に出せないと考えていたのですが、やっぱり口に出すと出さないとで、日々の行動とか練習内容も当然変わってくると思ったので。自分を変えるためにも、今はオリンピックを目標に頑張るのみですね」

―オリンピックは出場が目標なのか、それともメダルを意識していますか?

「うーん、今までは出場が目標でした。でもそう言われると、出場自体が目標だと日本代表の3枠にも入れないし、それこそトップになるっていう気持ちじゃないと代表選手には選ばれないと思うんです。意識を持って本気で挑まないといけない舞台なので、高い目標を持たなければなと」

―グランプリシリーズは?

「昨シーズンの調子が悪かったので、1戦呼ばれればいいかなと思っています。優勝したオランダのチャレンジカップはB級大会だったので…。もし出場できても、去年のような内容じゃダメなので、しっかり練習して完璧なプログラムを目指したいです」

―では話を変えて、スケートから離れた普段の学生生活について教えてください。

「今日のような私服を着ることもなく、普段はジャージで過ごしています。逆に普通の服を着てる時は『なんでそんな服着てるの?』って言われるぐらいで(笑)。練習や実技の授業があったりするのでジャージが多いです。あと、2年生になってだいぶ慣れたというか、不安感がなくなったと思います。後輩もできて楽しく過ごしています」

―休みの時に後輩とか友達とかと遊びに行ったりとか?

「ないです(笑)。休みはあるんですけど、あんまり時間を作って行くこともなくて、家で休んでいることが多いです」

―趣味とかはないんですか?

「そうなんですよね。いつも困るんです。なさ過ぎて。連盟のホームページの強化選手のところに趣味とか記載されるんですけど、みんなはショッピングとか、ボウリングとか、いい趣味あるな、って思ってるんですけど、今年僕が書いたのは『食事』(笑)」

―それは日常生活…ですよね(笑)。

「はい、日常生活(笑)。あと長風呂かな?もうそんなのしかなくて」

―以前、怪我をしていた時には映画を観たりゲームをしていたりと聞きましたが。

「最近、ゲームはあまりしてないです。映画も、オフの日に少し観れるぐらいで。今はそんな時間も作れず…」

―まあ、アスリートらしい学生生活ですね。

「大学って遊べるイメージがあったんですけどね(笑)、部活があると全然遊べません」

―インターネットで自分のことを検索したりしますか?

「中学生の頃とか、結果を残し始めて、ネットに記事が載るようになった頃は検索しましたけど、最近はあまり見ないです。当時は嬉しかったですね。やった、載ってる載ってるって(笑)」

―では、今は大人のスケーターになったと思いますか?

「大人っぽいって言われるときもありますし、子どもっぽいって言われることもあります。見た目は大人っぽいけど、実際に会ってみると幼いね、と言われたりもします。自分では分からないですね」

長時間にわたり、ざっくばらんに様々な話をしてくれた山本選手。その後、グランプリシリーズは彼の予想通り、NHK杯の1戦のみの派遣となったが、チャレンジャーシリーズについては、USインターナショナルクラシックとフィンランディアトロフィ―の2試合への派遣が決定したのだ。また、連盟サイトのプロフィールは、さすがに趣味の欄が“食事”ではまずいと判断されたのか、“音楽 / 映画鑑賞・散歩・入浴”に変わっていた。

ほろ苦い結果となった、今季初戦


【写真を見る】山本草太、げんさんサマーカップでのフリープログラムの演技


山本草太の今季初戦は、げんさんサマーカップとなった。彼にとってはショート2本、フリー3本の4回転ジャンプに挑む初めての大会となるが、今後、国際大会で活躍するためには避けて通れないチャレンジだ。しかし、その結果はほろ苦いものだった。ショートプログラムでは4T+3Tの予定が、ファーストジャンプセカンドジャンプともにダブルトウループとなってしまったのだ。シニア男子のショートプログラムでは、2回転と2回転のコンビネーションでは点数にならない。このミスで「頭が真っ白に」なってしまい、得意なはずのスピンでもミスを犯すという、不本意な内容だった。ひとつ光明を見いだせたのは、4回転サルコウを試合で初めて成功させられたこと。フリープログラムも、課題が見える演技となった。

「いつもなんですけど、前半でばててしまうので、そこを演技中にも実感しました。また、最初のジャンプだったり、アクセルだったり、パンクをしてしまって、全部締めていかないといけないなと感じました。(全日本ではトウループ、今回は2種類の4回転)このような構成をできるようになって、やっぱり難しいなと感じています。ただ、これでもまだ構成は低い方かなと感じていて、現在のスケート界を見れば、この構成ではミスしてはいけない。フリーは後半につれて曲調も上がっていって、表現も盛り上げなきゃいけないんですけど、まだまだできていない。体力をつけて、ジャンプを成功させながらも、ステップを全力でできるようにならなければいけないと感じました。ステップでレベルが取れないなど、課題もたくさん見つかったので、これをしっかり次のチャレンジャーシリーズ、グランプリシリーズに向けて完成させていきたいです」

国際大会で戦える高難度の構成で臨んだのだが、そのことで得意だったはずのスケーティング、スピン、ステップなどに悪影響が出てしまった印象だ。

「やっぱり4回転が難しいんですよ。前はそれがなかった分、スケーティングとスピンに気を配れていたんです。自分がうまかったからというよりは、簡単な構成だったからいい演技ができていた、と僕は思っています。やっぱり難しいジャンプをやった上で、そのような演技ができないといけないと思っているので、今の4回転3本の構成で、ステップなどもしっかりやっていかなければいけないと思っています」

課題がはっきりと見えた試合となった。それは大きな収穫だ。

「こうやってサマーカップに出場できて、感覚をしっかりと確かめられたので、この経験を踏まえて、次からはこんな演技はできないと思っているので、しっかりと戦うために頑張ります」

その言葉通り、先週のUSインターナショナルクラシックでは、いくつかミスはあったものの、げんさんサマーカップとは別格の調整ぶりを見せ、視界は良好だ。特に4サルコウ+3トウループのコンビネーションに目途が立ったことは今後に向けて大きな収穫といえるだろう。一方、後半のスタミナ切れ、スケーティングに関してはまだまだ改善の余地が大きく、今後の仕上がりに期待したい。次戦は10月第二週、チャレンジャーシリーズのフィンランディアトロフィだ。より一層の仕上がりを見せ、大いにアピールしてほしい。

中村康一(Image Works)

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