常連になりたい!福岡コーヒーカタログ<大野城・太宰府編>

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世界一のロースターで自分の好みを探す「豆香洞コーヒー」


13年の世界大会で、“初代世界一の焙煎士”となった後藤直紀さん。世界一の称号を得たあとも満足することなく、抽出を競うジャパンブリュワーズカップやカッピングの大会に挑戦。手廻し焙煎機からもローストのヒントを得たりと進化を続ける。

豆香洞コーヒー / 世界有数の焙煎士として国内外で講演を行うなど、コーヒーを広める活動にも力を入れる後藤さん


「豆香洞」の焙煎は2台体制。「マイスター」はシングルオリジンが中心、そして工房で後藤さんが扱う「ギーセン」ではブレンドと使い分ける。「最初にギーセンを導入したときは豆が華やかになりすぎて、“豆香洞の味”を出すのに苦労しました。レストランのような感動する味わいよりも、毎日飲んでも飲み疲れない“味噌汁”のような存在のコーヒーが目標なので。でもようやくブレンドも味わいがきれいになり、飲み口も落ち着いてきたと思います」と後藤さん。

豆香洞コーヒー / 「豆香洞ブレンド」(484円・税込)


ハウスブレンドといえる「豆香洞ブレンド」(484円・税込)にはロータスビスケットが付く。ホットは2杯目からは242円(税込)とお得。

焙煎やカッピングの技術に加え、“コーヒー理論”も整然としているのだろう。“焙煎日本一”に輝いた「コーヒーマン」の江口さんを輩出し、現在の岡部店長は日本3位に入賞するなど、新しい才能を生み出す店としても知られている。今店頭に立つコーヒーマイスターなどコーヒーの魅力を伝える有資格者は4人。その1人が、コーヒーは淹れる温度で味が変わること、そして本店とリバレイン店では抽出の温度を変えていることを教えてくれた。2店を飲み比べてみるのもおもしろそうだ。

豆香洞コーヒー / 白木原の住宅街という立地ながら、“世界一の味”を楽しみに多くの人が訪れる


[豆香洞(とうかどう)コーヒー]福岡県大野城市白木原3-3-1 / 092-502-5033 / 11:00〜19:00、喫茶は〜18:00(LO17:30) / 水曜、木曜は豆の販売のみ 

世界唯一の焙煎機で喫茶の新境地を開く「珈琲蘭館」


良質な豆を見分ける時、焙煎で豆の個性をしっかりと引き出せているか確かめる時、決め手となるのがカッピングの技術。そのカッピングの競技会で2度の日本一に輝くのが、「蘭館」の田原照淳(たはらてるきよ)さんだ。田原さんはカッピングのほかにもハンドドリップ大会で準優勝、コーヒーマイスター利き珈琲王で日本一も獲得。

珈琲蘭館 / 完成までに3年間待ったという井上製作所の焙煎機


18年の夏、店の心臓部ともいえる焙煎機を新しく導入した。メーカーは以前、世界唯一のミルを特注で作ってくれた井上製作所。「世にある焙煎機って、実は豆にどれだけの熱量をかけているか曖昧にしかわからないのです。普通はそれを勘で補うんですが、それがずっともどかしくて」。新しい相棒は、豆にかける熱量もドラムの回転数もコントロールが自在。豆の表面だけ先に焦げることがなくなり、中まで均一に火が入るようになった。

珈琲蘭館 / 「琥珀の女王」(1380円・税込)。通常の3倍の量の豆でコーヒーを淹れ、それをシェーカーで急冷。コーヒーの苦味とミルクの甘味のコントラストが秀逸


「釜の中で豆がふっくら膨らむから、その分、豆の中の成分も抽出されやすくなったと感じています。旨味をおおっていたヴェールがとれて、華やかなコーヒーになった印象ですね」と自信をのぞかせる。「琥珀の女王」(1380円・税込)は通常の3倍の量の豆でコーヒーを淹れ、それをシェーカーで急冷。コーヒーの苦味とミルクの甘味のコントラストが秀逸だ。

また、40年の歴史と共に愛された喫茶メニューも健在。特に「エッグサンド」(825円・税込)がおすすめで、田原さんに聞くとぴったりの一杯をセレクトしてくれる。

珈琲蘭館 / 手縫いのネルを使って一気にコーヒーを淹れる田原さん


[珈琲蘭館(コーヒーランカン)]福岡県太宰府市五条1-15-10 / 092-925-7503 / 10:00〜18:00 / 無休 

挽きたての香りにこだわる“純”豆屋「珈琲Chiba」


福岡の感じのいいお店でおいしいコーヒーを飲んだ時、「どこの豆ですか?」と尋ねると「二日市にある豆屋さんで…」と説明されることがよくある。それが06年に開業した「珈琲チバ」だ。

珈琲Chiba / 店主の千葉孝範さんが一日の大半を過ごすハンドピック台。通常は欠点豆だけを除くが、千葉さんは大きい豆、欠点豆、丸い豆、合格豆の4つに選び分ける


いま、世のコーヒー店は豆の状態で買い、自宅で挽くことのおいしさを訴えつつ、客の利便性のため粉にした状態でも販売する店が大半だ。でも、チバはかたくなに豆のまま販売することにこだわっている。「豆を粉にする時のいい香りをどうしてもお客さんに楽しんでほしくて、開店2年目には粉にして売ることをやめました。それと手で丁寧に選別した豆の美しさも眺めてほしいんですよね」と千葉孝範さん。その言葉どおり同店の豆は欠点豆を取り除くだけでなく、大きさや形もそろえてあり、ぴかぴかと美しい玉のよう。

珈琲Chiba / きれいにそろった豆からも店主の丁寧な仕事ぶりがわかる


通常、店にストックする生豆は約30種類。ブレンドのほか、月に2種類ほどシングルオリジンを選び店頭のラインナップに加える。こまめに焼き新鮮な状態で渡すことがモットーで、予約しておけば200gから好きな豆を焼いてくれる。店内を見回すと気になるのが風格のある古いミルたち。「プジョーやザッセンハウスのアンティークのミルも販売しています。なかには140年前のお宝も。好きな豆を選んで、趣のあるミルで挽く贅沢を家で楽しんでほしいですね」

珈琲Chiba / アンティークミルは見た目のよさだけでなく、現行品より快適に挽けるものも多い


[珈琲Chiba(コーヒーチバ)]福岡県筑紫野市二日市中央6-6-20 / 092-929-1333 / 10:00〜17:00 / 日曜休み 

時を忘れてもコーヒーのおいしさは変わらず「自家焙煎珈琲 萌香」


筑紫野ICへ向かう道から少し脇へ入った山と里の合間。「萌香」は、緑豊かな環境に建つ自家焙煎コーヒー店だ。店主の帆足拓哉さんが喫茶を開いたのは03年。仕入れ豆を使っていたが、鮮度のいい豆を扱いたいと思い3年目に自家焙煎の道へ。焙煎機は当時、福岡で数台しかなかったプロバットを選んだ。

自家焙煎珈琲 萌香 / 秋は庭や周辺の林が色づく。名水処としても知られ、喫茶を利用すると水を無料で汲んで帰れる


「同機種を使っていると聞き、湯布院の『ボン・ボヤージュ』に飲みに行ったら見事に自分好みの味で。そのころは浅煎りできれいに焼けている豆は少なかったのですが、そこのはおいしかったんです」と帆足さんは語る。現在は浅煎りから深煎りまで焼くが、焙煎方法は豆を投入してから出すまで火力を変えないというもの。「何かが突出した豆は味が落ちるのも早いんです。家飲みでも楽しめるようにしたいから、あえて派手なおいしさにしないようにしています」と帆足さんは説明する。

自家焙煎珈琲 萌香 / 「ストレートコーヒー」(写真左、600円~・税込)と「パウンドケーキ」(写真右、280円・税込)


「ストレートコーヒー」(写真左)は600円~(税込)。「パウンドケーキ」(写真右)は280円(税込)。コーヒーは2杯目から200円引き。また店の場所柄、わざわざ訪れる客が多いので、滞在時間も長い。今の焙煎方法だとコーヒーが冷めても嫌な酸味が出ないというのも大きなメリットだそう。窓の外は一面の緑で、野鳥もすぐ近くに姿を見せる。きれいな味わいのコーヒーを飲みながらくつろぎたい。

【写真を見る】自家焙煎珈琲 萌香 / 糸のように細くお湯を注ぐ帆足さん。カップは200客ほどあり、好きな器で飲むこともできる


[自家焙煎珈琲 萌香(もか)]福岡県筑紫野市古賀906-1 / 092-929-3351 / 11:00〜19:00 / 火曜休み 

九州ウォーカー編集部

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