4/21(土)全国公開!注目のアニメ映画「ももへの手紙」沖浦啓之監督直撃インタビュー (その2)

2012年4月27日 11:29更新

関西ウォーカー

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「人狼 JIN-ROH」の沖浦啓之監督が7年もの歳月をかけた待望の新作アニメーション映画「ももへの手紙」が4/21(土)に全国公開される。

作品の見どころなどお話を伺った。(聞き手:関西ウォーカー玉置編集長、ライター菊地武司)

(その1からの続き)

司会:では続きまして、菊地さんの「ファンタジ-としての仕掛けも絶妙」とは。

菊地:ファンタジーって結構諸刃の剣なところがあって、ファンタジー色が強すぎるとしらけちゃう。(本作は)そこがギリギリのラインで、ファンタジーなのに本当の世界にある、地続きな部分のドラマがしっかりと描かれている。単なるファンタジーで終わらせてないところがスゴイ。

玉置:妖怪の現れ方もある種日本の伝統的で。

菊地:ですね。クライマックスを言っちゃうとあれなので…。

玉置:言わないでくださいよ。これ、生放送ですから(笑)。

菊地:ですよね(笑)。

沖浦:意表ついて俺が言っちゃうみたいな(笑)。

一同:(爆笑)

玉置:極論を言っちゃうと、僕は結末を知っていても観られると思います。言わないですけど(笑)。本当に仕掛けがいろいろあって。次々と解き明かされていくものがあるから、なかなか難しいですけど。

沖浦:でも単純と言えば単純な話だとは思うので。

司会:妖怪たちの声優さんがすごくよかったなと。そのあたりはいかがでしたか?

沖浦:それはもう絶大ですね。西田敏行さんで言えば、アドリブで面白いことをたくさん入れてくださって。アフレコの現場で、西田さんがブースの中、ガラスの向こうで演技されていて、それを我々は外で聞いているんですけど、みんなもう大爆笑で。

玉置:僕の中では優香さんがものすごく新鮮でしたね。これまでも優香さんのバラエティやドラマを観てきましたが、今回のお母さん役はすごく新鮮でしたね。

司会:声優はどうやって決められたのですか?

沖浦:オーディションをやった役もあれば、やらなかった役もあります。優香さんの、いく子というお母さん役は、オーディションをしないで最初から優香さんでいきたいとお願いしました。優香さんをイメージというか、最初から僕の中で「いく子はこういう声だ」というイメージの声があったんです。で、あるきっかけで優香さんの顔を見ずに、声だけを聞いた時に自分の中で考えていた役の声にドンピシャで。年齢的には優香さんのほうがかなり若いんですけど、落ち着いたしゃべりもできる人なので、そこは期待してお願いしました。

菊地:で、期待通りだったと

沖浦:そうですね。期待以上に。

玉置:知らないで観た人は優香さんだってこと、わからないでしょうね。

司会:さらに監督に質問ありませんか?

玉置:お母さん、ももちゃん、お父さん、それぞれが描き込まれていましたが、どのように感情移入されていたのかなと。

沖浦:基本的にはももちゃんと、お母さんの話なので、そこに感情移入はしているとは思います。でも、姿は出てこないけど、お父さんの存在も重要なわけで。作中でお父さん、お母さん、ももの3人で揃って出てくるというシーンはほとんどないんですけど、家族ですから、今は見えないお父さんとのつながりを“描かないで、描く”ということが必要なので、お父さんは作品の中で空気として存在しているというか。

玉置:実はお父さんがカギですよね。

沖浦:そうかもしれないですね。

玉置:母と子が反発したり、もちろん愛情があったり、そういう関係にドキドキしました。「大丈夫かなー」とか。

沖浦:そうですね、男同士とはまた違いますからね。男同士だと照れがあるというか、恥ずかしいですからね。

司会:では菊地さん、質問をどうぞ。

菊地:僕は影を使わずに立体感と存在感のあるキャラクターを描写できた理由をお聞きしたいです。

司会:僕は気付かなかったのですが、影はあまり使われていなかったのですか?

菊地:ほとんど使ってないですよね。

沖浦:使ってないわけではなくて、ちょこちょこポイントとなる部分に使っています。「人狼~」もそうですが、普段から影をつけていると、いざ光の演出をしたい時に変化を明確にしづらいんです。もちろん上手くやることもできますが、普段影がない方が、感情的な部分の演出も含めて光で強調しやすくなるんです。だけど存在感を出す描写という点では、絵が止まっているとキツいことも出てくるんです。影などの線が少ないと情報量が少なくなりますから。限られた線のなかで、立体感と重さを出していこうとすると、動かしたり、ちょっとした芝居で表現していかないといけないんです。「これは立体物である」という証を見せていかないといけなくなるんです。

司会:なるほど。

菊地:では、もっとも上手くできたかなと思われる部分はありますか?

沖浦:作り出したのが今から8年も前になるんですけど、その時からというか、昔から思っていたことなんですが、作品を観た後にその場所に行ってみたくなるような作品にしたかった。映画の場合は特に視野に入っているものが、ほとんど背景の絵だったりするんですね。だから背景というのは非常に重要なんです。もちろんドラマとか、動きとか、楽しいところも観てほしいですが、同じくらいに観た後にその場所に行ってみたくなるようにもしたかった。今、アニメの舞台になったところを訪ねるというのが流行っているみたいですけど、そういう気持ちになってもらえると嬉しい。でも、瀬戸内海を美しく描くだけではなくて。実際に住んでいる人たちがいるわけですから、あまりにも美化しすぎて描いてしまうと、そこに住んでいる人たちに対しても失礼になってしまうので、なるべく実際に人が生活しているところを切り取っていけたらという思いで描いたんです。今回、試写会で観た人たちから「行ってみたくなった」という声を聞かせてもらって、当初の目標…映画としての目標とはズレてしまうかも知れませんが、そう言ってもらえたことは嬉しいですね。

司会:最後に監督からメッセージを。

沖浦:子どもから大人まで、いろんな世代の方に観ていただけるように作りました。実際に試写会で子どもたちが笑って観てくれているというのを聞いて、非常に嬉しく思っています。なので是非気軽に劇場に足を運んでいただいて、観ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

玉置:泣いている話ばかりしてましたけど、試写会場は爆笑でした。相当面白いですよ。

【文=リワークス】

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