背筋がヒヤ〜リ涼しくなる子ども向け演劇上演中！

KAAT神奈川芸術劇場では、ことしもキッズ•プログラムを開催。現在上演中の作品は、いま注目の劇団「イキウメ」主宰の前川知大さん作「暗いところからやってくる」。

ふわりと揺れるカーテンの間を抜け、ダンボールの山や無造作に置かれた傘を横目に会場へ入ると、そこは誰かの部屋のようだ。置いてある家具や物から、中学生か高校生の男の子の部屋だと予測。部屋を横切って座席に着くのもなんとも不思議な気分…。「暗いところからやってくる」というタイトルからか、目の前の誰もいない薄暗い部屋が怖いのか…パパやママにピタリとくっついている子どもたちの姿が目立った。

--1か月前に亡くなった祖母の家に住むことになった、中学生の輝夫。引越しの片付けが終わらないのにベッドの上で漫画を読みふける夏休み。母親や大学生の姉に「早く片付けなさい」と怒られる毎日だ。ある日、輝夫はこの家に“誰か”の気配を感じる。パキッと鳴る天井、風が無いのに落ちる洗濯物…。姉は「気のせい」とか「怖がりだ」とかバカにするけれど…本当に気のせいなのだろうか？「 誰かいるの？」 闇に問いかけた輝夫に、応えは返ってくるのだろうか？ 暗いところからやってくる“誰か”とは一体…？--

上演時間は約70分。演劇ならではの手法としかけが散りばめられ、演劇にはじめて触れる子どもと大人が同じ感覚で楽しめる舞台だった。子どもたちの笑い声や、時折ハッとさせられる緊張感にママがぎゅっと子どもの肩を抱いている光景もキッズ•プログラムならでは！　公演は8/5(日)まで。子ども1500円•大人3000円のほか、お得な親子ペアチケット4000円もあり。暑い夏休みに、涼しい劇場で背筋がヒヤ〜リ涼しくなる舞台はいかが？ きっと忘れられない思い出になるはず。