11/2(金)~上演! 本谷有希子の「遭難、」が関西初登場!「ちょっと刺激が欲しい人に…。性悪な女の話、きっとスカッとします(笑)」

2012年10月10日 20:08更新

関西ウォーカー

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演劇と小説、2つの世界を行き来しながら“本谷にしかない個性”で突っ走る。自らの名前を劇団名にし、劇中に登場する人物は、キレてたり、自己チューだったり、エキセントリックだったり。それがまた切なく、気持ちいいほど魅力的。本人もきっとクセモノかと思いきや、緊張しながら話してくれるさまは素直で真摯で、何よりかわいい。今回の舞台は6年前に東京で上演された「遭難、」、キャストを変えての再挑戦。常に前を向いて挑戦を続けるクリエイターでもある。作品の通り、とても人を惹きつける女性、本谷有希子!

Q:鶴屋南北戯曲賞をとった「遭難、」

「6年前、シンプルに「性悪な女が書きたい」と思って(笑)。それのみでスタートしたような話です。トラウマを解消していくことで、逆に自分の道を見失う話がいいんじゃないかって。“遭難”ってタイトル浮かんだときに、すっとあらすじが決まった。だから、このタイトルにはとても助けられました。迷ったときにはタイトルに立ち返るみたいな。自分でも気に入っています。“、”をつけたのは、何か違和感が欲しくて。遭難だけだと、あまり身近な言葉じゃないし、漢字もゴツゴツしているので、言葉としてスルーされてしまうんじゃないかと。“、”があることで、「そういえば遭難ってどういう意味だっけ?」と、言葉の意味に注目してもらえるといいなって」

Q:学校、教師、いじめ…すごくタイムリーな話なのは偶然?

「まったくの偶然。6年前もそうでした。でも、舞台の戯曲ってどこか社会的なものとリンクしてしまう性質なんじゃないかと思う。だから、いじめを描くというより、社会で起きていることはそのまま受け入れて、人間の本質みたいなものを描きたい。台本はできるだけいじらず、役者さんの力をかりて、初演より人間の本質を追究する。それが課題です。主人公の里見先生には、俳優の菅原永二さん。見た目が女に見えるわけではありません(笑)。かなりの冒険。でも、男の人の体を通すことでしか、浮かび上がらせることのできない女の何かがある、と思って。ギャンブルに近いキャスティングですが、結果的に正解だったと言ってもらえる舞台を作ります」

Q:チラシにはブラック・コメディと・・・

「私の場合、悲惨であればあるほどおかしくなる話が多くて。これはその代表格。実際、初演の時も、ひいちゃうだろうっていう残酷なセリフでお客さんが笑ってたんです。笑っていいか、よくないのか、その境目がふわふわしている。シリアスかコメディか、分からない浮遊感、その時間こそが面白い。笑ってたけど、ホントによかったんだっけ?、みたいな気持ちにさせられる台本です。で、最終的には、主人公と同じように、自分を見失ってほしい(笑)。一緒に遭難してもらいたい。自分探しとか、「探す」ってことにはみんな積極的ですけど、見失うって中々得難い体験だと思う。この舞台を観た2時間で解放されると、ほかじゃなくて、ここに観に来た意味があるんじゃないかと。遭難って、ネガティブな意味に聞こえますけど、もし見えてた道がその人の何かを狭めてたり、とらわれているとしたら、そこから解放されたときに、どういうカタルシスがあるんだろうって。きっとスカッとすると思いますよ。刺激が欲しい人、身動きとれなくなってる人に観てほしい」

Q:書いてる内容はとてもタフ。登場人物は毎回誰かモデルがいるの?

「いえ、あんまり人間観察とかしないですね。無意識に観察してるかもですけど。自分の中にあるものなのかな。実は昔、立派な演出家にならなきゃって、頑張ってた時があって。ある時、誰かに「本谷さんがいい人なわけないじゃん」って言われて、「そっか」「そうだよね」って目が覚めたんです(笑)。ずいぶん楽になりました。多分、自分の中にあるものだとしても、出発点は誰もがふと感じる意地の悪さや考え方なのかも。そこを芯に描いていくので、共感してもらえるのかな」

Q:30代になって作品作りは変わりました?

「どうかな、でも、変わった、と言われます。私、もう33歳なんで。もう自意識とかダークサイドとか、言ってられないと。人間のイヤな部分だけを拾うのが、自分の仕事とは思っていなくて。それはまた、ふさわしい年齢の人がやればいい。型にはまりたくないんです。とらわれ過ぎると平たくなってしまう気がして…。嫌な性格の女を書くのをお家芸にしてずっとやっていくのかって思った時に、そこまでサービス精神ないなって。それより変化を受け入れようって思ったんです。結構自分を追いこむタイプかも」

Q:関西公演で、必ず行く場所は?

「ごはん食べに行きます。公演後はお酒を飲むのが好き。毎回決まったお店はないけど、こっちの人が勧めたくれた店に行きたい。自分からココ! って言うより、人がいいっていうものに乗りたいんです。今回の俳優さんは個性的なばかりだから、どんな風に盛り上がるのかな(笑)」

【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】

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