震災の“真実”を描いた映画「遺体 明日への十日間」公開特別対談イベントが開催

東京ウォーカー(全国版)

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現在公開中の映画「遺体 明日への十日間」の脚本/監督の君塚良一氏と、原作のルポルタージュ「遺体 津波、震災の果てに」の著者、石井光太氏による特別対談イベントが、3月3日に東京・シナリオセンターで行われた。映画は、東日本大震災の津波により壊滅的な被害を受けた岩手県釜石市の遺体安置所を舞台に、ボランティアとして働き、遺体に声をかけ続けた主人公や、遺体の検案をする医師、身元確認のために歯形を確認する歯科医ら、“死”に向き合った人間を通して、震災報道の“事実”とは異なる、東日本大震災で起こった“真実”が描かれている。

君塚監督は、18年前に起こった淡路・阪神大震災のドキュメンタリー番組を制作する際、震災報道でテレビが伝えられることに限界があることを感じつつ、実際に見た光景と放送した内容を違うものにせざるを得なかったという。そして2011年、「石井さんの原作に出合い、18年前のことを思い出した。どうしても2度同じ事をやり過ごすことができなかった」という個人的な思いが映画化のきっかけであることを明らかにした。

一方、映画化は時期尚早ではないかという意見に対して、原作者の石井氏は、「君塚さんと一緒に、被災地の関係者すべてに映画化についての意見を聞いて回り、関係者ひとりにでも嫌だと言われたら作らないつもりだった。映画を実際に見てくれたモデルになった当事者や関係者の方々に、作ってくれてありがとうと言っていただいた」という。また石井は、「ノンフィクションは、取材をした相手に一番尊厳を払い、彼らの思いを一緒に背負うことで、忠実につくることしかない。そういう意味で、今回の映画化は、僕は時期尚早とは思わないし、より多くの人が震災の“真実”と向き合うきっかけを作ってくれたことに感謝している。」と述べた。石井は、「遺族のもとにご遺体を返そうと思って働いている方々の気持ちがどれだけ温かくて、強くて、そしてそこに生きる人を支えたかを伝えたかった。人間の尊厳、温かさ、優しさ、そして勇気、そこだけを描きたかった。それがたまたま遺体安置所だった。それだけなんです」と、遺体安置所で起こった悲劇ではなく、「死体」が「遺体」になるその人間の温かさを描いた作品だということを強調した。【東京ウォーカー】

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