【その3】7/17(木)~21(祝)、伝説のユニットが大阪で復活! 15年ぶりにそろった「大田王」とは? 3人を直撃!

関西ウォーカー

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

※【その2】の続き

Q:関西で笑わせることをメインにしたお芝居は少なくなった…。

後藤「なくなっちゃったでしょ。しかも演劇人による、こんなパッとしたようなコメディイベント、エンターテインメント・イベントみたいなもんって、まったくなくなっちゃったじゃないですか。必要だと思いますよ、今」

川下「不思議なんだけど、ボクら芝居始めたころにね、笑わせるのは当たり前だったですよ。笑いを入れないっていうのは、あり得なかった。だから今、そうじゃないっていうのが不思議なんですよ。芝居やるってことは、誰かを笑わせることだと思ってたフシがあって。もちろん目的じゃないですけどね、少なくとも手段としては笑わしては当たり前だと思ってたので、なんでだろうと」

後藤「今の芸人のソロイベントみたいなの観に行くと。最初ちょっと意味ありげなコントみたいなので始まって、笑いを取らずに。そこからいっぺん幕落として、音楽が流れて、で着替えて出てきて普通のコントが始まって…で途中でスクリーンに映像映して…みたいなのの繰り返しをしてるのがスタンダードだよね。でも、それってねぇ、『大田王』やってた頃はなかったです。吉本のお笑いの芸人のライブで、そういう構成は」

川下「それはオレたちがやってた」

後藤「ま、ほかにもやってたとこあったけど、そういうのを観て育った芸人たちが、今の芸人のソロライブのスタンダードにしていったんだと思うんですよね。吉本の中で抜きん出ようと思ったら、吉本の中にないものを観なきゃいけないっていう、すごい勤勉な世代がいっぱいいたころですよ。見に来てたみたいですよね、そういう連中が」

川下「オレたちだって、やっぱり『シティボーイズ』とか『ラジカルガジベリビンバ』とか見て、うわ、あんなふうにやりたいなって思ったことはあったので。でも、あれはオレたちとは異質なものでもあり、ただ目指してるところはすごく近いと思ってた」

後藤「今、そういうシステムが芸人のものになっちゃって、演劇人である人がいなくなっちゃったという感じに、なんかちょっと時代のズレを感じますね」

Q:今の関西の演劇界やお笑い界の人たちに、こんなおもしろいものあるんだよっていうのを「大田王」が見せてくれると?

後藤「おぉ、もちろん、それは、はい」

川下「はい、まさに、それです」

後藤「そこらの芸人のライブよりは、ずいぶんおもしろいものが出来るのは間違いないと思ってるし、演劇界の中で起こってる一個の事件としても、ちょっと抜きんでたものにはなると思いますね。関西の演劇界で起こる事件ですからね。大阪でしかやる気はないんで」

ABCホールのスタッフ「東京から観たかったら来てください。連休を挟んでますから」

後藤「なんか久しぶりでしょ、そういうのも。東京が羨むようなイベントが大阪だけであるって」

川下「悩んでるよね、今のお笑い好きたちが、例えば『バナナマン』とか『ラーメンズ』とかをどう扱うか。あれは漫才師なのか、コント師なのか、それとも演劇人なのかっていう、何か決めたくてなんか悶々としてる世代は会うね、よく」

三上「『東京03』って非常に演劇的だよね」

後藤「別にそこ決めないでいいのにね」

三上「『東京03』なんて、何秒かに1回笑いを入れるとかっていうセオリーがないから、すごく演劇的で。そういう意味で『バナナマン』も『サンドウィッチマン』みたいなコント師たちも好きだし。でも、自分たちは、自分たちがおもしろいと思える、芝居人ならではのコントっていうのをやりたい。我々も年食ってきて、何かを伝えなきゃいけないんだろうなっていうのもあるんです、実は。ワークショップもやってるけど、芝居的にも、今の若い人たちとか、ある程度できちゃう。ある程度出来ちゃって、それでOKがでちゃうんです。でも、なんか違う、なんかが足りなかったりする。そういう人たちに気づかせてあげられたり、なんか伝えなきゃいけない立場になってきてはいるんじゃないかというのもあるんです。これがお笑いだよって、えらそうに言うつもりも毛頭ないんだけど、我々がやってることを観てもらえれば、何か感じてもらえるんじゃないかっていうこともひとつあります。それは同じ畑にいる人たちにね。

観に来てくれる人たちにとっては、終わって、あぁおもしろかったっていう、ただそれだけ。満足してもらえればいいなっていう、そういうのを提供したいなと思ってます。それは、いつもそうなんですよ。ほかの芝居やるにしても、何かをやるにしても。何かひとつ、お客さんからお金もらって、何かを提供するって得は、絶対満足してもらわないと負けですから。何でもいつでも、そういうふうには思ってますけど、今回、『お笑いやる』って言ってるようなもんですから(笑)。『笑っていただきます』っていうことが、大前提としてハードルとしてあるから、それはちゃんと見事にクリアしていきたいですね。笑いは一番難しいと、我々は思ってますよ」

後藤「演劇人で、演技力がなければ、せっかくおもしろいものもおもしろくできないっていうのが、今の若手芸人連中が悩んでいるところだと思うし、演劇人で演技力がついていても、混沌としたよくわからない演劇をやってちゃ、お客さんは喜んでくれない。その手に入れた演技力の使い道もここにあると思うんですよ。

普段オレらは別々でちゃんとした仕事はやってますけども、そこでできないことをここでやるわけです。それが、自分たちの演技力を使って、どれだけ人を笑わせることができるかっていう遊びなんで。いろんな意味はありますね。観に来てくれる人によってね」

※【その4】に続く

【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】

この記事の画像一覧(全6枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

紅葉特集2023

紅葉特集 2024

全国約1100カ所の紅葉スポットを見頃情報つきでご紹介!9月下旬からは紅葉名所の色付き情報を毎日更新でお届け。人気ランキングも要チェック!

CHECK!全国の紅葉名所人気ランキングはこちら

花火特集

花火特集

全国約800件の花火大会を掲載。2024年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!2024年全国で開催予定の花火大会

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る