【本誌連載の拡大版】ベイスターズ吉村裕基選手インタビュー(1)

横浜ウォーカー

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――昨シーズンは34本塁打、91打点と自己最高の成績を残しました。

「06年、07年、08年と僕は一軍で3年間フルにやってきたんですけど、『よくやった』というシーズンが実は一度もないんです。何かがよくても何かが悪いという変なバランスが取れていますので、その辺で今シーズンに限って言えばすべて自分で満足ができるようにしたい。満足したらそこで終わりなんですけど、とにかくレベルの高いところを目指してやっていきたいですね」

――昨シーズンに関しては打率(.260)に満足できない、と。

「打率もそうです。あとは(昨シーズンのチームの成績だと)地元の横浜スタジアムのグラウンドでプレーしていてもやはり応援よりも野次の方が多いですから…。ことしは横浜港開港150周年という節目の年で、僕らもユニホームを変えてシーズンに臨んでいますので、そういった中で『またことしもかよ』と絶対に思われたくない。横浜市民、神奈川県の人が横浜ベイスターズのことを誇れるように、選手一人ひとりが自覚を持ってやっていきたいと思います」

――野次と言われましたけど、これは余談ですが、お客さんが大勢いる中でも野次とは聞こえるものですか。

「聞こえるんですよ。過剰に反応するとあまりよくないんですけど、自分の心の中でしっかりと受け止めるようにしてます。言ってくれるうちが華なので。そういう野次を力に変えられるのも、自分たち次第だと思うんです」

――前回のリーグ優勝と日本一がともに11年前ですから、そろそろ野次よりも歓声の中でプレーしたいですよね。

「はっきり言って、僕も前回のことはまったく知らないんです。僕は九州の福岡育ちなので、やっぱりジャイアンツやソフトバンクなんです。特にいまのソフトバンクと言えば、僕が育った当時はダイエーですけど、テレビをつければCMにソフトバンクの選手が出ていたり、コンビニに行けばソフトバンクのグッズが売られていたりと、徹底して地域が盛り上がっていますからね。横浜市も僕らがやらないと、ベイスターズが勝たないと盛り上がらないと思うので、『きょうも横浜スタジアムに行こう』と思わせるようにしたいんです。横浜スタジアムの立地条件はホントに素晴らしいと思うんです。福岡のヤフードームもいいスタジアムなんですけど、ちょっと市街地の中心から離れている。それでも人が集まってくる。横浜は場所がいいのにそんなに集まらないのは、やっぱり僕らが弱いから。もっと魅力的にならないといけないんです」

――実際、11年前はチケットがまったく買えない状態でした。

「そういう状況にしないと。そうしたら僕らも、自分の持っている力以上のものが出ると思うんです。応援というものは、そのぐらい僕らに勇気、力を与えてくれるものだと思っています」

――昨シーズンの悔しさを糧にして臨む09年ですが、チームの雰囲気で何か変わった部分はありますか。

「ベイスターズの顔であった石井琢朗さんが昨シーズン限りでいなくなった。残っているベテランの野手でいうと佐伯貴弘さんであり仁志敏久さんなんですけど、そういう先輩方ももちろん大事なんですけど、はっきり言って若い選手がどんどん出てこないと盛り上がらないと思います。僕自身は20代の野球ファンというのをもっと獲得しないといけないと思ってます。やっぱり同世代の人に応援してもらいたいですからね」

――この連載企画で昨年9月に内川聖一選手に話をうかがった時も「チームの成績が伴わないことが一番悔しい」と言っていました。

「昨シーズンに自己最高の成績を残してる内川さんがそう思うということは…やっぱりいくら自分が打ってもチームが負けたら素直に喜べないというのがありますし、守っていても気持ちがいいとは言えません。悔しい、悔しい、悔しいで昨シーズンは終わってしまったので、今シーズンは守っていてもみんなと一緒に喜べるような結果を残していきたいですね」

――入団7年目でことし6月に25歳になる吉村選手からは、若手から中堅に差し掛かかる世代の代表としてチームを引っ張っていこうという決意を感じます。「ハマの若大将」といったところでしょうか。

「それは内川さんも言われてますんで(笑)。でも、何らかのニックネームはいただきたいですね」

――「ハマのヘラクレス」をすでに拝命していますが。

「そうですね。だから何だ、というのもありますけど(笑)」

――いえいえ、吉村さんのパワーを見ると「ヘラクレス」と言いたくなります。

「パワーや体格だけでやっていけるのであれば、それでもいいんですけど、プロ野球はそういう世界ではない。そのパワーをどう生かすかというテーマで取り組んでいます。もちろん、自分が親のおかげでこの体があるということを忘れずにやっています。小さい時から体は大きい方だったので、そのパワーにプラスアルファがあれば、と思って努力しています」

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