14歳・樋口新葉がフィギュア世界Jr表彰台に挑む!

東京ウォーカー(全国版)

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3月2日(月)から8日(日)まで、エストニア・タリンで開催されるフィギュアスケートの世界ジュニア選手権。宇野昌磨と山本草太が優勝候補の筆頭として挙げられる男子シングル。

一方、女子シングルも久々に日本勢のメダル獲得が期待されている。出場する日本人女子3選手の近況とともに、女子シングルの展望を伝えたい。

樋口新葉、永井優香、坂本花織の日本人3選手がエントリー。中でも樋口新葉はメダル獲得の可能性が高い。本命はロシアのメドベデワだろう。安定感抜群の選手で、加点を稼ぎやすい、そつのない演技をする。

同じくロシアのサハノヴィッチも力のある選手で、安定感は欠くがパーフェクトな演技をすればメドベデワよりも上。この2人の実力は高く、大きく崩れない限り、日本勢が上回ることは難しいかもしれない。

樋口新葉にとって、最も気になる存在はアメリカのカレン・チェンだ。昨季の後半に故障してからずっと本調子ではなかったが、ここに来て本領を発揮し始めた。樋口の目標であるメダル獲得のためには、カレン・チェンに負けないことが重要になる。

世界ジュニアに向けて、最後の試合となった全国中学校大会では、フリーでミスはあったもののショートでの優位性を生かして優勝。激闘の全日本選手権の反動もあり、正月休みから練習量が落ち、この試合は本調子ではなかったというが、格の違いを見せつける結果となった。

今大会への思い入れは強く、「ジュニアグランプリファイナルよりも相手は強くなるが、それでも表彰台に立ちたい」と力強く宣言した。自身の目標でもあるパーフェクトな演技をすること、そしてフリップのエッジエラーを回避することがメダル獲得へのカギを握る。

幸いなことに、全国中学校大会の後は順調に練習を積めたようで、調子を上げた状態で臨むことができそうだ。ここ数カ月の活躍で衆目を集める存在となったが、プレッシャーを感じることなく、いかんなく実力を出し切ってほしい。

永井優香は靴が合わずにかかとを痛めてしまい、エントリーしていたインターハイを欠場、韓国での四大陸選手権で復帰した。調整不足が響き、本人としては満足のいかない結果だったようだが、精一杯のアピールで可能性を感じさせてくれた。

幅と高さのあるジャンプが魅力で、特にルッツジャンプのクオリティが高い本格派。パーフェクトな演技ができれば表彰台も狙えるはずだ。ただ、現在のコンディションを鑑みるとそこまでの結果を求めるのは酷かもしれない。フリップのエッジエラー、苦手なループなど、課題を一つ一つ改善して、来季に向けて存在感を示してほしい。

関徳武コーチは永井優香の育成に関して、長期的な視野を持っているようで、シニア年代になった頃を見据えて、技術を教えているという。「浅田真央のような観る人を感動させるスケーターになりたい」。その目標に向かって、一歩一歩進んでもらいたい。

坂本花織は、樋口新葉と同様、全国中学校大会から世界ジュニアに向かうローテーション。今季は西日本ジュニアでミスの多い演技をしてしまったが、その後は立て直し、安定した演技が続いている。

「西日本ジュニアの演技は、調整ミスが生んだ体調不良が原因です。自己管理の大切さを学びました」と反省しているようで、今回は完璧な調整をしてくるはずだ。今のところ、身長が伸びてジャンプが崩れる兆しもない。

毎日の体幹トレーニングを欠かさず、現在の体格に合った体幹を作れていると自信を見せる。でき栄え点(GOE)での加点を狙い、ジャンプの入りを難しくする挑戦も続けており、世界ジュニアを見据えた戦略を立ててきた。

とはいえ、課題も多い。今季は表現力の向上に取り組み、成果があったと自信を持っているようだが、スケーティングはトップ選手と比較すると見劣りする。世界の舞台でどこまで通用するか、チャレンジ精神を持って勝負してほしい。

2010年のオランダ・ハーグ大会以来、世界ジュニア選手権での日本女子のメダル獲得はない。かつては毎年のようにメダリストを輩出した日本女子。今年こそは日の丸を掲げることができるだろうか。【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image Works)】

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