岡山はフィギュア王国!高橋大輔、町田樹…その訳は?
東京ウォーカー(全国版)
岡山県は、高橋大輔や田中刑事をはじめ、フィギュアスケート男子の有力選手を多数輩出している。町田樹も広島出身ながら、岡山県に深い縁を持つ選手である。
かつて、岡山県のスケート関係者や記者に尋ねた際、興味深い答が返ってきた。
他県では、身体能力に秀でたスポーツエリートは、野球もしくはサッカーを志すケースが多い。岡山には、共に有力なプロチームが存在しないこともあり、スポーツエリートがあらゆる競技に散らばる傾向があるという。
もちろんこれだけが理由ではないだろう。優秀な指導者の存在や練習環境など、さまざまな要因が重なった結果なのではあるが、一つの有力な仮説であると思う。
そんな背景を持つ岡山県は、現在のノービス世代(おおよそ9~12歳)にも有力選手が目白押しだ。今回は、2月に開催された全国中学校大会に出場した、岡山県の注目選手を紹介したい。
まずは三宅星南(みやけせな)。2014年秋の全日本ノービス選手権のAクラスで優勝。すでにアイスショーやエキジビションへの出演経験も豊富な期待の新星だ。
ショートプログラムが苦手な印象もあったが、無難に演技をまとめて決勝へと駒を進めた。
迎えた決勝のフリープログラム。後半のフリップ以外は全て成功。緊張していたそうだが、「会場からの手拍子に後押ししてもらえたのがうれしかった」と語った。
しかし、フリップは当初の予定には入っていなかった。この点について聞いてみたところ、「フリップは直前の練習でも挑んでいません。フリップを跳びたい!との思いが強くなり、演技中に急きょ変更しました」とのこと。華奢に見える選手だが、気持ちの強さはさすがである。
全日本ジュニアでの予選落ちについても聞いた。「全日本ジュニアの時は、緊張のためにショートで失敗してしまいました。フリーのみのノービスと違って、2日間集中しなければならないのは大変です」。
そして、三宅星南の憧れの選手は、同郷の英雄、高橋大輔だ。「ショーに出演して、高橋選手と共演できたことが本当にうれしかったです。一つの動作で観客を魅了できるところに憧れています。人間性も素晴らしい!」と高橋を絶賛。
「僕と同じく、高橋選手に憧れている宇野昌磨選手の存在が刺激になっています。宇野選手のように難しいジャンプを跳べるようになりたい。ジュニアは年上ばかりですが、負けないように頑張りたいです」と抱負を語ってくれた。
次に紹介するのは、体の線がきれいな木科雄登(きしなゆうと)。2014年秋の全日本ノービス選手権のAクラスで3位と頭角を現し、全日本ジュニア選手権にも出場。今回、ミスはあったものの、総合6位と健闘した。彼の発言はとにかくポジティブだ。
「フリーでは最初のループが1回転になってしまいましたが、そのミスを引きずらずに挽回できました」。
ジュニアではノービスと違って、ショートとフリーの2つのプログラムを滑らなければいけない。
「確かに大変ですが、仮にショートでミスしても、フリーで取り返すチャンスがある、と捉えています。だから、ショートで特に緊張することはありません」と大器の片鱗を感じさせる答が返ってきた。
目標にしている選手は無良崇人だという。
「練習で一緒になることが多く、お手本にしています。無良選手のジャンプは高さがあります。自分もあんなジャンプを跳べるようになりたいです」。
来季の目標は「トリプルルッツ、トリプルフリップ、トリプルトゥループ+トリプルトゥループを試合で入れられるようにしたい。あとは全日本ジュニアに出て、ショートを通過して、もっと良い順位を取りたいですね」とのこと。
最後に、全国中学校大会を残念ながら棄権した島田高志郎にも触れておきたい。2014年秋の全日本ノービス選手権のAクラスでは2位。1位・三宅星南、3位・木科雄登と並び、岡山県勢が表彰台を独占。
島田は、あらゆる要素のレベルが高く、ジャンプのランディングでの柔らかな膝の使い方は天性の才能を感じさせる。
三宅星南、木科雄登、島田高志郎、それぞれ個性が際立っており、どんな選手へと成長していくのか非常に楽しみだ。身近にいる尊敬すべき先輩を追いかけて成長を遂げる…日本のフィギュアスケート男子の未来は明るい。【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image Works)】
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