特撮に初挑戦!映画「ラブ&ピース」監督・園 子温にインタビュー
関西ウォーカー
一匹の小さなカメとの出会いをきっかけに、不遇な日々を過ごすサラリーマン・良一の人生に起こる転機を描いた映画「ラブ&ピース」。「愛のむきだし」や「冷たい熱帯魚」などを手がけ、世界でも高い評価を得る鬼才・園 子温。彼が25年前に書き下ろした脚本をもとに怪獣特撮に初挑戦した感動のラブストーリーだ。園監督に本作への思いを聞いた。
―脚本のアイデアはどんなところにありましたか?
園「主人公の鈴木は25年前に四畳半の部屋でくすぶっていた頃の僕がモデルです。ある日、寂しく街を歩いていたら、ペットショップのカメと偶然目が合ったんです。話し相手に飼おうかなと思った時に、この作品の脚本がパッと浮かんだんです」
―CGではなく特撮にこだわった理由はありますか?
園「僕らは、特撮を見て育った世代なので、怪獣映画はCGを使わずに撮影をしたかったんです。近年は怪獣映画を撮る人が少なくなってしまいましたが、そんな時代だからこそ日本の文化の一つでもある特撮にこだわりました」
―特撮の撮影現場はいかがでしたか?
園「一日かけて作ったセットも一度しか壊せないので、時間もお金もかかって想像以上に大変でした。失敗したら使えないセットが残るだけなので、呆然とする作業ばかりで。これはCGのほうが、やりやすいなと思いました。でも滅多に経験できることではないので、自分の中での感動はありました」
―冴えないサラリーマンの鈴木良一役に長谷川博己さんを起用した理由をお聞かせください
園「前に出演してもらった『地獄でなぜ悪い』の流れでお願いしました。長谷川くんはギターを持ったこともなかったみたいで、毎日猛特訓してましたね。彼もこの役はヤバイと思ったみたいです(笑)」
―劇中に登場する怪獣へのこだわりなどはありましたか?
園「嫁さんの甥っ子たちに、怪獣映画を撮る話をした時に、紙にささっと怪獣を書いて見せたんです。そしたらかわいいって言って喜んでくれたので、かわいさにはこだわりました。声も現場では僕がやってたんですけど、どうしても人間っぽくなってしまうので、ピカチュウの声をしている大谷育江さんにお願いしました」
―本作の撮影を終えて、園監督の中で新たな発見はありましたか?
園「よくエログロの監督と言われますが、自分の本質は、本作のようなファンタジーな作品にあるんじゃないかなと、再認識しました。作業的には辛いことばかりで、楽しいことは一握りしかないけど、映画を撮り続けていきたいですね」
【取材・文=リワークス】
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