東京とんかつ会議・殿堂入り店「とん太」

2016年3月10日 10:00更新

東京ウォーカー

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おいしいとんかつを求めて、東京中のとんかつを食べ歩く3人の食いしん坊・山本益博、マッキー牧元、河田剛が同じ店をそれぞれ採点する「東京とんかつ会議」。そのなかでも、3人が太鼓判を押す店舗が「東京とんかつ会議・殿堂入り店」。審議の結果、第9回の殿堂入り店として選ばれたのは、豊島区高田にある「とん太」だ。

とん太「特ロースかつ定食」(2160円)


とん太「特ロースかつ定食」(2160円)


【写真を見る】東京とんかつ会議メンバー3人による採点表


河田剛「非常に均整のとれた一品」


高田馬場といっても、駅からはかなり離れた学習院下にある。赤テントに店名と電話番号が書いてあるところは大衆食堂風だが、玄関周りは割烹風というなかなか面白い店構えになっている。

平日の昼、開店前から行列ができていて、開店と同時に満席になった。「特ロースかつ定食」(2160円)は、非常に均整のとれた一品。肉の断面はきれいに切り揃えられ、わずかにピンク色を残している。肉そのものの旨味も十分。こちらもまず塩で食べることを推奨しているようで、ベトナム産と中国産の2種類を用意しており、どちらも豚肉のおいしさを引き出す力がある。

ソースはウスターソース一本、“濃厚なとんかつソースがほしい方はケチャップと混ぜてください”との表示がある。しかし、ウスターソースはハーブとスパイスの香りが高く、あえてとんかつソースをかけなくてもよさそうだ。

衣は白っぽくふんわり揚げており、口の中ではらはら崩れていく。油が若干にじむが、気にならない程度である。同時に注文した「かきフライ定食」(1700円)は、身にジューシーさを残し、とてもおいしかった。

キャベツ、ご飯、お新香も突出したものはないが、丁寧な仕事である。味噌汁は、しじみ、わかめ、豚汁の3種類から選ぶことができる。前回はしじみ、今回はわかめにしたが、わかめの場合はやや味噌の香りと旨味が弱い印象である。総じて欠点が少なく、どんなときでもある程度以上の打率を残すバッターのような店ではないだろうか。

山本益博「『とんかつ』の内容は都内有数」


3年ぶりに出かけた。開店20分前に到着しても、すでに行列ができていて、人気は一向に衰えていないどころか、並ぶ様子からさらに人気が上昇している感じである。

今回は「とんかつ殿堂入り」審議のために、審議委員3人(河田、牧元、山本)で出かけた。1人では「特ロースかつ定食」しか食べられないが、3人一緒だと、「特ヒレかつ定食」(2260円)と「かきフライ定食」が注文できた。

行列していた客のほとんどが頼む「特ロースかつ」は、肉質、揚げ加減、油の質など、どれも申し分なく、3年前の印象とほとんど変わらない。

「特ヒレかつ」も香りのあるヒレで、火の通し加減が絶妙だった。また、「かきフライ」も潮の香りが口中に溢れて、極上の一皿と言ってよい。

東京のどこにでもあるとんかつ屋の店構え、風情なのだが、「とんかつ」の内容は、御飯、味噌汁、お新香を含めて、都内有数と言ってよいのではなかろうか?

「東京とんかつ会議」の連載18回目に書いたように、配膳の女将さんの記憶力はやはり驚嘆すべきものだった。このサービスを含めて、「とん太」を「とんかつ殿堂入り」に推挙したい。

マッキー牧元「また明日も食べに来たくなるとんかつ」


周囲に飲食店などない寂しい場所だが、開店前から行列ができる。そのためフリの客は全くおらず、店内はとんかつ好きな人たちの静かな熱気が充満している。そんななか、ご主人が一人、黙々とかつを揚げている。もうそれだけでうれしい。いい店である。

低温からじっくりと揚げられるとんかつの衣は、中粗で淡いきつね色。油切れよく軽やかで、サクッとした食感も心地よい。肉の断面を見れば、しっとりと肉汁がにじみ出て、中心部をロゼに残した仕事である。

何もつけずにそのまま食べれば、軽い衣の中で肉は優しい甘みに満ちて、きめ細かい味わい。食べ終えた後に漂う甘い香りの余韻が、品のある菓子を食べた後のような穏やかさがあって、それこそが、このとんかつの特徴である。

自家製ウスターソースは、甘みが勝ちすぎず、酸味と旨味のバランスがよいキリッとした味わいである。カツの甘みや衣と出会うことによって、違った旨味を膨らませるソースでもある。

キャベツはみずみずしく、味噌汁は、しじみ、わかめ、豚汁から選ぶことができるのもうれしい。特ロースカツの新香は、キャベツとニンジン、ダイコン、カブ、キュウリで、浅漬けながらとてもおいしい。

ゴマと小さなすり鉢が用意され、そこにソースを入れて漬けて食べる人もいるようだが、ソースはソースだけで食べた方がよりおいしい。ゴマは、そのままご飯にかけるか、塩と混ぜて、カツにふりかけても面白い。

白身魚のフライは、魚の甘みをしっとりと残したまま、さくりと揚がっていて上出来。食べた後に、また明日も食べに来たくなるとんかつである。

【東京ウォーカー】

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