フィギュアスケート・夏のローカル大会で見つけた東京のホープ達【後編】

東京ウォーカー(全国版)

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世界ジュニア出場の経験を今季に生かす、宮田大地


宮田大地、ショートプログラムの演技


昨シーズン、最大の目標である世界ジュニア出場を果たした宮田大地。その夢は達成できたものの、シーズンの総括としては不満も多く残ったようだ。

「昨シーズンは世界ジュニアに行くまでで燃え尽きてしまいました。内容としては全然満足できなかったんです」

特にジャンプの安定感がなかったことが不満だったという。そこでオフには重松コーチとジャンプを一から見直した。

「無駄な力を使わずに3回転を跳べるジャンプに変えていこう、というテーマでやってきました。今季からシニアに上がります。今の実力ではまだまだ太刀打ちできない。色んなものをレベルアップさせていきたい」

4回転ジャンプは、昨シーズンよりも惜しいレベルにまで来ていることが見て取れる。練習ではかなり降りられているという。ただこの試合で気になったのは、アクセルの調子が悪いことだ。

「トリプルアクセルをやる上で、今まで自分の跳んできたアクセルの跳び方をいったん捨てる、ということをしています。長年体に染みついたものなのでとても大変です」

しかしトリプルアクセルを習得したくて重松コーチに教わることを選んだだけに、ここは是非とも乗り越えてほしいものだ。

ショートプログラムは“シンドラーのリスト”。昨年からの持ち越しだが、表現がより深くなっている印象だ。そしてフリープログラムは“パールハーバー”。ロシアのアレクサンドル・サマリンが使っていた曲だという。

「ジュニアグランプリで2試合彼と一緒だったんですが、公式練習で聴いて、いい曲だな、使ってみたいな、と感じていました。彼の演技の世界観を気に入ったんです。振付は岩本英嗣先生にお願いしました」

この試合の時点ではエレメンツをこなすだけで精一杯の印象だった。本人も「もっともっと滑り込みをしなければいけない」と自覚しているようだ。

今季の目標として、近いところでは東日本選手権で優勝することだという。全日本選手権の後半グループで滑るためには、東日本からアピールしなければならないからだ。そしてその先にはユニバシアードへの出場という目標がある。そのためにも全日本では少しでも上の順位を目指したいという。

中学生ながらトリプルアクセル認定、堀義正


曲は“ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲”。憧れの町田樹も使った曲だ


この試合で初めてトリプルアクセルが認定された、堀義正。まだ中学3年生だ。オーバーターン気味だったが、大技が認定されたことは素晴らしい。

東京の男子は、表現力豊かな選手が多い。ジュニア男子クラスで優勝した小林建斗を始め、西山真瑚、石塚玲雄、大島光翔、國方勇樹と、表現力、スケーティングでアピールする選手が多いのだ。そんな中、堀選手の表現力、スケーティングはまだ粗削りな面が目立つ。

「自分でも表現力を身につけなければいけない、と感じています。そのために尊敬する町田樹さんの演技を研究してきました」

ショートプログラム“ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲”は、同じ曲を使った町田樹の動画を繰り返し観て研究したという。そしてフリープログラムは“インタビュー・ウィズ・バンパイア”を選んだ。「トム・クルーズが好きだから」という理由だそうだ。

今後の課題として、彼は体力面を挙げていた。と同時に、スケーティングの重要性も理解しているようだ。

「佐野先生からも、体力作りとスケーティングの大切さを指導されています」

今季の目標として「シニアの全日本まで行きたい」と強気なコメントを聞かせてくれた。それはつまり、全日本ジュニアで6位以内に入るということだ。まだ中学生。伸びしろはたっぷりあり、何よりもジャンプの能力が高いことは今後に期待を持たせてくれる。

東京から新たなカップルが誕生。折原・森組


今季結成した新しいアイスダンスカップル、折原裕香・森望組


アイスダンスの世界に新たなカップルが誕生した。昨シーズンまでは紀藤裕香との登録名で活躍していた折原裕香、そして長身でスタイルが良く、東京にはファンも多い森望(もり・かなた)。この両名が今季からカップルを組んだのだ。昨年、話を聞いた際にはペアへの転向を志望していた折原選手、今後はどうするのだろうか。

折原:「ペアではなく、アイスダンスを続けることを決めました。ただシングルも当面は続けます。今季は両方しっかりやって、ちゃんとシングルで結果を出してからアイスダンスに転向したいと考えています」

森:「今季はシングル、アイスダンス、両方ともちゃんとやろうと思っています。その後どうするかは、まだ決め切れていないんです。今季やってみてから結論を出すつもりです」

「このカップルで本格的にやることになると思います」と語る折原選手に対し、「まだそこまでは決めていない」と言う森選手。将来像は固まっていないのが実情のようだが、踊れて華のある折原選手、そしてスタイルが良く、リードの素質もありそうな森選手。カップルとしての相性は良さそうに見える。是非とも続けてほしいものだ。組んだばかりということもあり、足元の技術はまだこれからのカップルだが、ローテーショナルリフトは高くて見事だった。これには折原選手も「結構練習しました」と胸を張る。

今季の目標については、まずは東日本アイスダンスに出場することだという。

森:「東日本アイスダンスに出るためにテストを受けなければいけないんです。級とは別に、試合に出るためのテストがあるんです。そして全日本ジュニアまでには仕上げて、そこで良い演技をすることが今季の目標です」

この大会ではフリーダンス、“マイフェアレディ”のみの披露となったが、ショートダンスは洋楽の“Feeling Good”、そしてスイングの“Gettin' in the mood”とのこと。東日本アイスダンスで観られるのが楽しみだ。【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image Works)】

編集部

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