やべきょうすけが語る、最後の「闇金ウシジマくん」

関西ウォーカー

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累計1100万部を突破した真鍋昌平のコミックスを原作に、金と欲望に翻弄される人々の転落人生をハードでコミカルなタッチで描く社会派エンタテインメント「闇金ウシジマくん」。実写版は2010年のテレビドラマ「Season1」に始まり、その後映画シリーズへと成長。9月22日には「闇金ウシジマくん Part3」が公開となり、続く10月22日に公開された「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」で遂にグランドフィナーレを迎える。今回は、ドラマがスタートした当初から、山田孝之演じる主人公の丑嶋の右腕の柄崎として、シリーズを支えてきたやべきょうすけに、本作の魅力について聞いた。

全国の公開劇場で上映中の「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」に出演しているやべきょうすけ


―ドラマがスタートしてからのこの6年を振り返ってみていかがですか?

「6年にもなると変わった部分もあれば、変わらない部分もありますね。撮影現場での話でいえば、“朝刊”といわれる修正された台本が毎日やってくるんです。ドラマが始まった『Season1』の最初の頃は毎日が手探り状態の中で、“朝刊”を確認してセリフを会話になるところまで気持ちを持っていかないといけないわけですから、台本が毎朝変わるとなると本当に大変でした。とはいっても、『ザ・ファイナル』まで毎日のように、朝刊を読みながらああでもないこうでもないと言えたのは、飽きずに、常に刺激のあった撮影現場で楽しかったです。演じた柄崎でいえば、深夜ドラマで始まった当初と『ザ・ファイナル』に向けての柄崎とでは、キャラクターが全く変わっているところでしょうか(笑)」

―ドラマがスタートした当初の柄崎はとことん寡黙で、発言するだけでも新鮮味が出るほどの不器用なキャラクターでしたよね。

「そうなんです。寡黙で、表情も変えずに演じてくださいというようなキャラクターでした。社長の丑嶋に何か言われれば、"押忍!"ってひとこと返事をするだけで、あとは淡々と仕事をするような男が、気づけばワーワー喋って、あげくには“うるせーよ!”と突っ込まれるようなボケ倒しのキャラクターになっていきましたね(笑)。だけどそれというのは、6年間もシリーズをやってきた中で、やべきょうすけの演じる柄崎という男を監督が考えてくれたというか、どこかで僕に寄せていってくれたのかなと思っています」

―たしかに、原作のキャラクターを忠実に描くというよりも、作品の中で柄崎がより生き生きと描かれているように感じました。

「実は、原作者の真鍋さんに、『漫画で読んでいた柄崎とはキャラクターがだいぶ変わってきていますけど、どう思います?』と聞いたことがあるんです。すると真鍋さんは、「そんなドラマや映画を見ているおかげで、いろいろと気づくこともあったんですよ。ひょっとしたら、柄崎って本当はこう思っているんじゃないかなとか。丑嶋は人を動かして何かをするというタイプではないので、私としてはどうしても丑嶋が一人で乗り込んだりしてしまうような場面を思い浮かべる。だけど万が一、丑嶋にそういうことがあったら、本当は振り返ったところに柄崎がいたのかなとか、いないところで動いているのかなという風に考えるようになりましたよ」と仰ってくださいました。原作者の方にそういった影響を与えられたのなら、キャラクター像を変えてきたことも含めて、すごい作品をやってきたんだなと実感を持てましたね。なにより主役の丑嶋にブレがないので、脇でキャラクターの動きが変わってきても、カウカウファイナンスの灯台のような存在として、振り返ってその光のもとに戻ればいいので、作品としては決してブレないんだと思います」

―今作では、そんな丑嶋のルーツ、柄崎との関係性がついに描かれましたね。

「14歳の二人を演じてくれた狩野見恭兵くんと江口祐貴くんは、まだ若くてキャリアも少ないので、どういうことに気を付けて丑嶋と柄崎を演じてきたのかとか、もしかすると孝之や僕に聞きたいことがあるんじゃないかなと思って、現場を観に行こうと話していたんです。結局、撮影日も重ならずスケジュールが合わなかったので、現場には顔を出せなかったのですが、完成品を見た時に行かなくてよかったかもねと孝之と話したのを覚えています。行ったらプレッシャーになっていたかもしれないですしね。二人がしっかりと演じきってくれたおかげで、丑嶋のルーツや柄崎との関係性をやっと描くことができた。『6年やってきて、やっと丑嶋のことを知れてうれしかった』と、孝之とも言っていたんです」

―初めて、丑嶋にも人間らしい過去があったんだと垣間見れてグッときました。

「そもそも撮影の当初から、常に丑嶋の人間らしさみたいなものを捨てていくと話していたんです。映画やドラマの映像作品って、煙草を吸ったりするだけで哀愁が出ますし、夕日を見ているだけで切なくなにかを考えているように映ってしまうので、そういった描写は無くしてだいたいはデスクに座っている。ずっと精密機械のような男で、何を考えているのかわからないけど怖い存在。それが『ザ・ファイナル』では、14歳の頃の物語を経て、ラストで丑嶋に人間らしい一面があるのかないのかを観た人に考えてもらえると思います。そして、柄崎と丑嶋にしか分からない関係性がにじみ出ているラストの展開が堪らなく好きなので、ぜひ観てほしいです」

―最後にこれからご覧になられる方にメッセージをお願い致します。

「『ファイナル』ではついに丑嶋のルーツが描かれるだけでなく、今までシリーズを観てくれた人たちに、置いてきた布石の点をすべて線にして、"ありがとうございました"と言えるような作品になっています。これまでのシリーズに出てきたキャラクターやセリフが、実はこういうことだったのかと繋がってくるので、先に予習してから観てもらうもよし。『ファイナル』を観た後に、DVDなどで『Season1』から振り返っていく楽しみ方もできる作品になっています!」

映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」は、全国の公開劇場にて大ヒット上映中。

【関西ウォーカー編集部】

大西健斗

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