「鬼滅の刃」新聖地が活況、一方で“アニメ聖地認定”による不幸せな現実も
「無限城」そっくりと話題の温泉宿、コロナ禍でも宿泊問い合わせ増

また、景観が『鬼滅の刃』に登場する場所に似ているとSNS上で話題になっている温泉宿もある。福島県会津若松市の芦ノ牧温泉の旅館・大川荘には吹き抜け部分の中央に三味線を演奏するための浮き舞台があり、その光景が主人公の宿敵・鬼舞辻無惨(きぶつじ むざん)の本拠地「無限城」と、琵琶を奏でることで空間操作などの血鬼術を使った「上弦の肆・鳴女(なきめ)」を彷彿とさせるというのだ。
老舗旅館としてもともと人気の高かった大川荘も、一時期は全館休館するなど新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた。それでも営業再開以降、鬼滅の舞台に似ていると話題を知った人からの宿泊の問い合わせや、鬼滅のアクセサリーや衣装柄のマスクを身につけた宿泊客が増えているという。

大川荘で広報を担当する鈴木直樹さんも「正式なモデルというわけではないのに話題にしていただけるのはありがたいお話。こちらとしては特別何かをするわけではないが、作品がきっかけでお越しいただいた方にも最高のサービスを提供して、大川荘の魅力を知ってもらえるようにしたい」と話す。新型コロナウイルス感染症の影響で観光業界全体が苦境に陥るなか、鬼滅の刃の影響力をうかがわせるエピソードだ。