【漫画】呪文のような「お経」って、結局なに?お釈迦様の教えと真意に迫る/ヤンキーと住職
住職のキャラクターには近藤丸さん自身を反映




お寺の生まれではないものの、仏教と出合いその面白さや奥深さに興味をもち、仏教の学校に入った住職。お寺を盛り上げるために奮闘したり、時には自分とタイプの違うヤンキーに嫉妬したりと、厳格な職業ながらどこか人間味を感じるキャラクターだ。この住職の性格や置かれている現状には、近藤丸さん自身を投影した部分はあるのだろうか。
「おっしゃる通りです。住職のキャラクターには自分を投影していて、自分だったらどうするかな?と考えながら描いています。人付き合いが苦手なことや、悩んで仏教系の大学に行ったけど、図書館で本ばっかり読んでいるというのも、自分の経験を基にしています。住職は自分と同じで、仏教を少しかじっていているのですが、頭でしか理解していない所がある。生き方にまで仏教を反映できていなくて、小さなことに悩んだり、煩悩に振り回される。また、思い通りにならない現実に、悩んでいる青年なのです。私はお寺を継いでいませんが、現状を打破するための奮闘は、お寺を継いだ友人僧侶のエピソードなどを参考にさせてもらっています」
特に浄土真宗では僧侶もそれ以外の人も、煩悩にとらわれた「凡夫」と考えるそう。近藤丸さんの経験や性格から生まれた住職というキャラクターが、人間味あふれる普通の人であることも、必然のように思えた。
一方、もう1人の主人公であるヤンキーはどうなのだろう。
「ヤンキーは仏教の知識はあまり無いけれども、人生経験が豊富で、仏教の教えも自分の生活に引き付けて考えるのが上手。住職と対照的です。自分でも憧れるような正直でいいヤツに、と思いながら描いていますね」
住職は近藤丸さん自身で、ヤンキーは憧れの人物像。そう思いながら改めて漫画を読むと、また違った面白さを感じる。