【漫画】誰が読んでもお経の効果は変わらないの?「衣がお経を読むわけじゃねぇ」/ヤンキーと住職
葬儀などの儀礼は、仏さまの前で多くの人々と教えを聞く場
私たちが僧侶を呼ぶシチュエーションといえば、真っ先に葬儀が思い浮かぶ。では葬儀中、僧侶は何をしているのだろう。
「葬儀の際、お坊さんのことを導師といいます。導師には葬儀や法要の儀式を導き、しっかり執り行うとの意味があります。そして導師は今からどのような儀式を行うのか同席している人たちに伝え、お経を読みます。つまり浄土真宗の場合、葬儀などの儀礼は、仏さまの前で多くの人々と共に、教えを聞く空間なのです。参列者をリードし、仏様と教えを聞く空間を作り、読経や法話を通して仏教を伝えていく使命が僧侶にはある訳ですね」
またお経の独特の節回しにも、多くの人に伝わる理由があるという。
「お経は内容だけでなく、その響きや美しさを通して伝わるという面もあります。丁寧に、大切に唱えられたお経から、何かを聞き取る人がいる。お経には独特の節回しがあるものも多いので、日々読経の練習をし、さまざまな訓練をしている僧侶でなければ難しいものもありますね。そのお経に感動した人が、また日々お経を読むこともあると思います。
今回のインタビューに答えるために岡崎秀麿先生・冨島信海先生の著書『ねぇ、お坊さん教えてよ どうしてお葬式をするの?』(本願寺出版刊)、渡辺照宏先生の『お経の話』(岩波書店刊)を参考にさせて頂きました。より詳しいことが知りたい方は是非これらの本を手に取ってみて下さい」
ブッダの教えを聞き、大切なことに目覚めるために読まれるお経。その功徳は、僧侶が読んでも私たちが読んでも変わりはないそう。次回は事故で動けない住職の代わりにお経を読みに行くと言うヤンキーの、秘められた過去が明らかになる。「ヤンキーと住職」を今後も楽しみにしてほしい。
取材・文=石川知京