僧侶が描く漫画が楽しくて深い!「仏教に関わる中で見えてきたことを表現したい」/ヤンキーと住職【作者に聞く】





――これまで描かれた漫画のなかで、特にお気に入りのエピソードを教えてください。
「どれも気に入っていますが、第2回『諸行無常』のエピソードは特に上手く描けたように思っています。仏教の言葉に出遇うことで物事の見方が変わったり、自分のとらわれている癖に気づいたりすることがよくあります。そういう自分の経験を、漫画で表現できたように思います」




――漫画の内容にまつわる数々の質問にも、毎回丁寧にお答えいただきありがとうございました。
「当たり前なのですが、仏教を常日頃聞いている僧侶でも分からないこと、知らないことは多々あります。自分の場合は僧侶になってまだ10年で、本当に学び始めたばかりです。
質問されて初めて深く考え、そこから質問してくれた方と共に学び、教えを聞いていくということがあります。連載でも質問をいただいてから、あらためて深く考えさせられたことがありました。質問に関連するいろいろな仏教書を読んだり、日常の中で考えたりもしていましたね。
また、仏教の教えの解釈はさまざまあります。なので、読んだ人が自分の中で改めて考えることも大切だと思っています。答えを私が握って提示するのではなく、一緒にそこから考えてもらえるような文章になるよう工夫しました」



――漫画を描くうえで大変だったことをお教えください。
「何より大変だったのは、漫画を描くのに時間がかかるということです。自分は普段、学校の教員や仏教関係の仕事などをしています。その中で絵を描く時間をつくりだすのが大変でした。今回の連載にあたり、絵やセリフ、ストーリーなどの細かな部分を改善しました」