【漫画】鳥さんの健康を守るために発情の抑制はマスト!体重の増加や吐き戻しなどのサインを見逃さないで

「産卵」は鳥さんの体に大きな負担がかかる行為

そもそもなぜ発情にはリスクが伴うのだろう。「森下小鳥病院」の院長・寄崎まりを先生に詳しく聞いてみた。

「産卵は、鳥さんの体に大きな負担がかかる行為です。恋の季節である『繁殖季節』は鳥種によって異なり、オウム目の鳥さんは一般的に日本の季節で春に繁殖し、ブンチョウは秋に繁殖します。しかし、家で飼育されているペットバードは、エサが豊富にあるうえ暑さ・寒さも常に適温に調節され、さらには夜遅くまで明るい環境にあるため、繁殖季節に関わらず発情をしてしまう傾向にあります。

『1羽で飼育しているメスが卵を産んだ』と驚かれることもありますが、メスはオスと交尾をしなくても卵を産みます。哺乳類は卵子と精子が受精しないとおなかの中で赤ちゃんが育ちませんが、鳥さんの卵は受精するしないにかかわらず、一旦排卵されると殻のある状態まで育ちます。ちなみに、私たちが普段口にしている卵のほとんどが、無精卵です。

卵を作る際、体には大きな負担がかかります。発情すると肝臓で、卵の黄身の成分であるタンパク質や脂質がせっせと作られ、血液を介して卵巣へ。そのため、発情が長く続くと肝臓が疲れて悪くなったり、血中の脂質が血管にくっついて動脈硬化が起こりやすくなります。

また、お腹の中の卵は、鳥さんの体と比較するとかなりの大きさです。それをお尻から出す産卵は、卵管の筋肉を強力に収縮させる必要があります。

卵管の筋肉を収縮させたり、卵の殻を作るには、たくさんのカルシウムが必要です。そのため、慢性的に産卵してしまうと体のカルシウムが足りなくなって卵が詰まったり、足が立たなくなったりしてしまいます。また、卵管が疲れてしまうと、正常な卵が作りづらくなるため、余計卵が詰まりやすくなるリスクもあります。

メスの発情抑制で一番大切なのは、『体重の管理』です。鳥さんは発情すると卵を作る準備で卵管や卵巣が発達したり、骨にカルシウムを貯めたりするため、普段より体重が重くなります。そのため、普段より体重が重くならないように管理すると、産卵を防ぐことができます。鳥さんによって産卵しなくなる体重は異なるため、かならず獣医師に相談しながら体重管理を行いましょう。

また、発情相手を遠ざけることや、日照時間の短縮、巣や巣とみなしているものを撤去することも効果があるとされています。

なおオスは発情すると、吐き戻しを行います。発情対象はメスだけでなく人やおもちゃになることもありますので、吐き戻しをしているものは、なるべく見せないようにしましょう」

「小鳥と楽しく幸せに暮らしたい」と願うあなたの役に立つ、超実用的な知識が満載の「 トリ扱い説明書 」。これからもさまざまな情報を届けるので、楽しみにしてほしい。

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