オカン以外の女子と喋らず終わる、模試で女子大の判定を出す…これがリアルな「男子校の生態」だ!【作者に聞く】
男子校にもいろんな流派があるんだと思います
――ご自分にとっては当たり前だった男子校の日々を描いてみて、意外な反応などはありましたか?
女子校の方から共感の感想がたくさんきていたことが意外でした。男子校や女子校みたいな「異性がいない環境」に身を置くことで起こる現象で共通するところがあったみたいです。そのひとつが、「今まで異性が担っていたポジションを担当すること」。例えば、僕が担っていた「姫ポジ」と同様に、女子校では「王子ポジ」が生まれ、その王子ポジの子を守る「騎士ポジ」が現われた話はおもしろかったですね…(笑)。また男子校の子からは、聖母みたいな「母ポジ」も生まれていたという報告も受けて、女子校も男子校もまだまだ奥深いなと思いました(笑)。




――同じ男子校出身の方からの反応で、何か印象的なものはありましたか?
男子校の同級生からは「お前の漫画を読んでいると昔を思い出せて楽しい」「懐かしくて泣きそう」といった感想が届いたのはうれしかったですね。あまり話してこなかったクラスメイトからも久しぶりに連絡がきて、書籍化の影響力も感じました。
一方でSNSでは、同じ男子校出身者でも「めっちゃわかる!」という方もいれば「俺のところは全然こんな感じじゃなかった」という意見もあってなかなか興味深いです。女子校と比べて男子校は母数が少ないので、サンプルが少ないのもありますが、いろんな流派があるんだと思います。
あと母校の後輩からTwitterで「母校の世間に出してはならない部分をうまく取り除いて描いてあって素晴らしいクオリティ」と引用リツイートされていたことには笑ってしまいました(笑)。

――改めて男子校生活を振り返ってみて、男子校だったからこそ学べたことや経験できたことはありますか?
男子校にいると異性の目を気にしなくていいので、無理に男らしさを意識しなくてよくなるんです。それによってみんながみんな自分らしく、のびのびしていられてとても楽しかった。共学よりもいろんなタイプの男子が生まれていたと思います。ある意味、動物園みたいでしたけど…(笑)。このときの経験のおかげで、何事も力を抜いて楽しむ力が身についたのかもしれません。

――出身校の自由でのびのびとした校風も素敵だなと感じられる作品だと思います。SNSでは校長先生からの粋な手紙も公開されていましたが、この作品を通して母校と関わることになって、どう感じていますか?
元々母校だとバレないようにこっそり描いていたのですが、発売するにあたって先生に報告したらとてもノリ良く学校のSNSで宣伝してくださって…(笑)。校長先生は地元紙のインタビューにも答えてくれていました。書籍を出して改めて気づいたのは、母校の先生も現役生もOBも保護者もみんなノリがいい。本当に楽しい学校で過ごしてきたんだなと懐かしく感じました。