家では明るく振る舞う娘は、学校で4年間もいじめに耐えていた。家族の戦いの記録に反響多数【作者に聞く】
「家族全員でいじめと戦う」タイトルに込めた意味とは
漫画には、「私もいじめられていて、親にも言えなかった」「どうするのが正解なんだろう」など、たくさんのコメントが寄せられている。連載中の漫画だが、さやけんさんは寄せられた声にあえて結末について触れて返信しているそうだ。
「このお話を描き始めてから、多くの体験談をいただくことが増えました。先生や親が助けてくれたという方がいる一方で、誰も助けてくれず、今も心に傷を抱えている方も多く、本当に胸が締め付けられます。返信の際に必ずお伝えしているのは、『このお話はハッピーエンドです』ということです。ハルコちゃんのモデルになった女の子は、4年間のいじめを乗り越え、現在はとても幸せに暮らしています。最終話のハルコちゃんの幸せそうな笑顔を見て、その笑顔に安堵し、少しでも幸せな気持ちになってもらえたらと思います」



最後に、漫画の今後についてと、読者へのメッセージを貰った。
「現在、漫画のなかでは勇気を出して真実を語る決心をしたハルコちゃん本人の回想が描かれています。主犯格とされた子、傍観者となり傷ついた元クラスメイト、それぞれの親も巻き込み、お話も終盤へと差し掛かっていきます。『家族全員でいじめと戦う』というタイトルには、被害者家族だけでなく、加害者家族という意味も込めています。ハルコちゃんの両親、そして加害児童やその親たちの行動が、一般的に見て正しかったかどうかはわかりませんが、結果的にハルコちゃんは現在とても幸せに暮らしています。うまく伝えられるよう何度も修正しながら心を込めて描いていますので、最後まで読んでいただけるととてもうれしいです」



被害者に一生消えない心の傷を残すいじめ。我が子がいじめにあっていたら、関わっていたら、どうしたらいいのか。漫画を通して、目をそらさず考えていきたい。
取材・文=松原明子