児童養護施設を出てミュージシャンを目指すも挫折。どん底で出会った運命の人は言葉の通じないカナダ人...⁉【作者に聞く】
純粋でまっすぐで、自由奔放な旦那さん。過去を打ち明けないから今の本当の自分でいられる
どん底で自暴自棄になったぐねりさんの前に現れた、カナダ人男性。言葉が通じないからこそ、自分の過去を説明することなく今の自分でいることを肯定されたと感じたという。終電がなくなった時間に徒歩で10キロの道を迎えに来るなど、表現がストレートで裏表のない人柄のぐねりさんの旦那さん。ほかにも印象に残ったエピソードを聞いてみた。
「メガネを忘れた私に、メガネを届けるためだけに職場まで来てくれたことがありました。ただ暇だったというのもあるかもしれませんが(笑)。10キロの道のりを迎えに来たときも、せっかくの日本を楽しむために散歩をしている、来たくて来たという印象でした。そんな純粋でまっすぐで、自由奔放な印象がとっても心に残っています」


現在、カナダに住んで6年目のぐねりさん。異国での生活は大変なこともあるかもしれないが、移住して自身の考え方にもよい変化を感じているという。
「すごくリラックスして暮らせるようになりました。人の目を気にせず、自分らしく生きる人が多くて、自然と私もそうなった気がします。移民が多い国ということもあり、いろんな人がいるので、人と人は比べられないということにも気付きました。日本にいたときは『見られている』という意識が強く、むやみにダイエットをしたりファッションに気を遣ったりしていましたが、そういったことは一切やめました」


最後にぐねりさんから、読者へメッセージを貰った。
「カナダで見つけた素晴らしいところや、私自身の気付きをこれからも漫画を通して共有できたらと思っています。なれそめの漫画では暗い過去を描いていますが、最後にはちゃんと本当の幸せをつかみます。生きづらさを描く漫画では、最終的に『理解のある彼くん』が登場する漫画も多いですが、私の場合は『そもそも日本語が通じない外国人』でした(笑)。そういったところも、おもしろさのひとつなのかなと思います。ぜひ読んでみてください」


旦那さんと無事に結ばれたぐねりさん。しかし、カナダに行けば天国だと思っていたら、予想外の事態が待ち受けていた…。そんな衝撃な漫画のラストは電子書籍にて公開中だ。ぜひ一度読んでみてほしい。
取材・文=松原明子