妊娠・出産をサポートする「助産師」を目指す学生たちを漫画に。「人々に寄り添う楽しさが、この仕事の魅力」【作者に聞く】
産科病棟の看護師から助産師の道へ。学生時代の「スパイシーで濃厚な日々」を漫画に
助産師になる前は産科病棟の看護師として働いていたモクコさん。助産師の仕事を身近で見るうちに、「もっとお母さんや赤ちゃんの役に立ちたい」と思い、助産学校の門をたたいたそうだ。学生時代の経験を漫画にしようと思ったきっかけは何だったのだろうか。
「助産学生時代のスパイシーで濃厚な日々を描いたら、誰かはおもしろく読んでくれるんじゃないかと思い、描き始めました。現役の助産学生さんや、これから目指す方の励みにもなればいいなと思っています」


同じ出産でも、落ち着いた様子の経産婦さんもいれば、予定日を過ぎても陣痛がなく、不安と焦りを抱える初産婦さんなど、状況はさまざま。漫画では学生たちが産婦さんそれぞれに合わせた対応を学んでいく。助産師としての経験のなかで、特に印象深い出産のエピソードについて聞いてみた。
「『赤ちゃんは生まれてくるときを選んでる⁉』と思う出来事が何度もありました。パパの到着を待っていたかのように生まれてきたり、馴染みのあるスタッフが分娩当番のときに生まれてきたり。自分の出産時もそうで、たまたま同期がそろっている日に生まれてきてくれました。とても心強かったです」



3歳の双子を育てる母親でもあるモクコさんは、妊娠中に切迫早産となり入院、生まれたときの双子の体重は約700グラムだったそう。自身の出産を経験して、妊娠と出産について感じていることがあるという。
「私は予定日より4カ月早い妊娠23週で双子を出産しました。子どもが生きられるかどうかわからない、生きられても後遺症が残る、そんな状況でした。妊娠出産は本当に何があるかわからないと実感しています。だから人生そのときそのときで、できることをやるしかないんだな、と思うようになりました」


