定時退社NG、トイレに行く前に先輩に報告!?新卒で入った会社でパニック障害・適応障害・抑うつ状態となった実体験を漫画に【作者に聞く】
漫画を描き始めてよかったのは、同じような気持ちの読者と心を共有できたこと
ブラック企業や合わない会社で心身を削って働きながらも、仕事への責任や将来の不安など、さまざまな理由で悩む人は多いのではないだろうか。けろちゃんさんは自身の経験から、「会社基準」ではなく「自分基準」で考えてほしいという。
「『タイミングを見極める』ことが大事じゃないかと思っています。今いる環境から抜け出すのか、もう少し様子を見るのか、環境を変える行動をしてみるのかとか。一番してはいけないと思うのは、我慢することです。自分に合わない方法で無理していると、いつか必ずどこかで代償を払うことになると思います。心と体調を崩しても、誰も責任は取ってくれないので…。だからこそ、自分が一番納得できる答えに突き進んでいいのかなと感じています」



漫画には読者から「トイレで待ち伏せって…」や「似たような症状だったので共感しまくりです」などのコメントが寄せられている。けろちゃんさんにとって、コメントを始め、漫画を通して読者とつながったことは、大きなプラスになったそうだ。
「漫画を描いて一番よかったのが、読者の方と心の共有ができたことです。私はあまり家庭環境がよくなくて、家庭で培われた経験や癖と社会で生きていくことのズレというか、その影響もあってうまく会社になじめなかったとも感じています。そういったズレを同じように感じている方のコメントは印象深かったです。『この本おすすめだよ~』と言ってくださった本は、すべて速攻で買って読みました(笑)!」




現在は新しい環境で、仕事に復帰することができたというけろちゃんさん。最後に、読者へメッセージをもらった。
「悲しき引きこもり爆食ニート時代の暇つぶし漫画が、こんなに多くの方に見ていただけるとは思っていませんでした。励まされたし、いただいたコメントに考えさせられることが多く、とてもありがたかったです。漫画はこれからも好きなように描いていこうと思っています!」
けろちゃんさんのこれからの漫画も楽しみにしたい。
取材・文=松原明子