【漫画】スライムと人間の恋!?姿の違う相手を愛することは「見た目なんか関係ない」ではなくて...?【作者に聞く】
「人であることが素晴らしいとは限らない」物語の構成で心掛けたこととは
もしも現実の世界にスライムがいたとしたら…?きっと特別な目で見られているだろう。しかし、清水さんの描く世界では少し違う。今作では世界観をつくるときにこだわったことがあるそうだ。
「『みんなが当たり前に思って不思議に思わなくなっている不思議』というのが大好きで、スライムである『泥沼君』がスライムであることを揶揄されたりせず、ごくごく普通に社会に溶け込んで暮らしている、ごくごく普通の人であるということを強調したかったです。むしろスライムの子がクラスにいたら人気者かもしれないぞと思い、そう描きました」


私たちのイメージを覆す設定はほかにも。物語を読み進めるうち、泥沼君となゆた君の外見だけではない対照的な様子が描かれるが、そこにスライムだから、人間だからといった違いはない。
「『見た目』が主軸の話なので、性格や見た目のギャップだけでなく、見た目は人ではないけれど泥沼君の家の『一般的とされる温かな家庭』と、一見普通の男の子に見えるなゆた君の家の『殺伐とした環境』が対比するようにしました。人の姿であることが素晴らしいといったような話が多いので、そうとは限らないというお話を描きたかったです」


商業や個人で精力的に作品を制作している清水さん。最後に今後の展望と読者へのメッセージをもらった。
「商業でも漫画を描かせていただいているのですが、こうした数人の友人に喜んでもらえればいいという気持ちで描かせていただいた超個人的な漫画を読んでいただけるのは大変ありがたいです。これからも細く長くこんな感じの漫画を描いてSNSにアップしていくので、フォローしていただけたらうれしいです。お仕事も募集中です。よかったらお仕事ください。よろしくお願いいたします」


清水さんのこれからの作品も楽しみにしたい。
取材・文=松原明子