男を遠ざけてきた母が、ある日突然「いつまで独身でいるつもり?」と聞いてきた。過干渉な母の呪縛をメンエス嬢が断ち切る話【作者に聞く】

緩やかにねっとりと縛り付けてくる「過干渉の母親」を表現したかった

今まで何度か男の人と付き合うものの、キス以上のことをされるのが耐えられず、最終的には愛想を尽かされてきた若菜。「女性に対してならそういう気持ちがわいてくるのかも?」と思い店を訪れたと打ち明けるが、加恋が肌に触れると見えてきたのは、母親に束縛されて育ってきた姿だった。

今回の話のテーマや読者に伝えたかったことを、蒼乃シュウさんに聞いてみた。

「以前から気になっていた『母と娘』の関係について描きたいと思いました。これまでの客も『親の言葉』がトラウマの原因になっていることが多いのですが、暴言やネグレクトなどのわかりやすい毒親ではなく、もっと緩やかにねっとりと縛り付けてくる過干渉の母親を表現したかったんです」


傍から見ると仲睦まじい母娘でも、実は過干渉なパターンもあるという。

「本人も気がつかないうちに母親から意思も力も奪われてしまっていることは、よくあることだと思います。大好きなお母さんを傷つけてはいけないと、娘が罪悪感を抱くように仕向けられていることも多いかと…。ただ、すべて親のせいだ!と言いたいわけではなく、そこに気づくことで自分を取り戻すことは可能ではないでしょうか」

小さいころは若菜にピンクやフリルを着せていたが、徐々に女の子らしいものを嫌うようになり、男を遠ざけるようになってきた母親。だが若菜が20代半ばになると、突然「あんたいつまで独身でいるつもり?」と聞いてくる。この描写に呆気にとられた筆者だが、それと同時に現実でもありそうだと感じた。このシーンに込めた思いについて聞いてみた。

「このエピソードは、以前友人から聞いた話を元にしました。母親から『絶対に就職しなくちゃだめよ』と言われ続けてきたから就職したのに、次は『いつまで勤めてるの、早く結婚しなさい』と言われて愕然としたそうです。母親の期待する娘になろうと、友人は努力したのに。きっと次は『孫の顔を見せろ』、その次は『同居して面倒みろ』と言い出すだろうし、いつまでたってもキリがありません。母親自身は娘のためを思って言っているつもりなのでしょうが、実は何も考えていないように感じます」


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