「いつか分かってくれるはず」と話し合いを避けている内に、妻が亡くなった。後悔する男の心は救われるのか?【作者に聞く】
病気で亡くなったからといって、幸せでないと決めつけることはできない
池尾は妻が亡くなったあと、「妻を幸せにできなかった」ということをずっと悔やんで生きてきました。でも、これはきっと思い込みに過ぎません。病気で亡くなったからといって「幸せではなかった」と決めつけることは、できないと思います。長生きだけが幸せだとは限らないし、池尾が知らないだけで妻は妻なりに、自分の人生をまっとうしたのでしょうから。
世間一般でいう「男らしさ」や「女らしさ」よりも、「自分らしさ」を求めることが幸せになる近道だと私は思っています。誰しも土台に「自分の力で幸せになる」という気持ちがあってこそ、相手を思いやる気持ちが生まれるのではないでしょうか。






加恋が妻の気持ちを代弁したことで、ようやく自分の幸せに目を向けることができた池尾。次はどんな訳アリ客が、加恋のもとにやって来るのだろうか。今後も楽しみにしてほしい。
取材・文=石川知京