【レポ漫画】狩猟体験で初めて見た、イノシシが絶命する瞬間…。自らさばいて「肉」にして感じたこととは?【作者に聞く】
初めて見る哺乳類の命が絶える瞬間。狩猟体験で見えてきた命をいただく重み
あおばさんが参加したのは、千葉県で1泊2日かけて行われた狩猟体験。初日は猟師から講習を受け、山歩きやジビエを味わい、翌日は実際に捕えた獲物を締める様子を見学。そして参加者たちでさばいていく。今回、罠にかかったのは2頭のイノシシ。事前にわかっていたとはいえ、命を奪うところを見るのはとても衝撃的な体験だったと振り返る。
「狩猟体験の当日は雪が積もったのですが、イノシシにトドメを刺し、血抜きの際に赤い血が雪に染みていく瞬間は今でもはっきり覚えています。哺乳類の命が絶えるのを見るのは初めてで、残酷な場面でありながら目を逸らすことができませんでした」


普段私たちは、スーパーに並ぶ肉や魚を食材として購入し食べている。しかし他の生物の命をいただいている行為だということを、どれだけ意識できているだろうか。今回の漫画には「食育として一度は見ておきたい」「心に刺さりました」など多くの反響が寄せられたが、あおばさんはその中でも印象に残っているコメントがあるという。
「実際に狩猟免許を持ち、狩猟をされている方から『いい経験をされましたね』とコメントをいただきました。狩猟をするなら避けては通れない、獲物を締めるという行為を実際に何度も行っている方々は、本当にすごいと思います。覚悟はしていたつもりでしたが、トドメ刺しの瞬間はただ凝視するしかできなかったので…」


狩猟体験を終えたあおばさんは、狩猟免許を取ることをもう少し考えるという判断をした。その背景にはどんな思いがあったのだろうか。
「イノシシが目の前で絶命し、自分たちの手でさばいて『肉』にしたことは、間違いなく私の人生における大きな衝撃でした。それ以来、普段の食事にもより心を込めて『いただきます』と言うようになりました。同時にその現場を、五感を通して感じたことで、生半可な覚悟でハンターになって獲物の命を奪う訳にはいかないだろうと思ったのです。自分自身を見つめ直すため、狩猟免許の取得はもう少し考えようと思いました」
