『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』連載（全40話）(3ページ目)

「やりたくねーだと！！？　ふざけんなよ！！」 コングくんが控え室でキレている。合同楽屋だから他の出演者たちもチラチラこちらを見ているのが分かる。 「世界一のインパーソネーターかどうか確かめに行こう...

大方の予想通り、マイケルと一緒にクリスマスを過ごすという年末のプレミアムパーティーは実現しなかった。最初からそれほど期待もしていなかったが、それでも周囲の落胆は大きかった。 ただ嘘か本当か、イベント...

3月8日と9日の二日間に渡って開催されるこのプレミアムパーティーは、初日が、プラチナチケットと呼ばれた一枚40万円もする『超豪華特典付きVIPデー』で、二日目は、ファンの出展作品からマイケル自身が入賞...

舞台袖からステージ下を覗く。いた。マイケルだ。 黒地にドットのスーツに身を包み、長くて奇麗な黒髪を垂らし、サングラスをかけて目の前に座っている。 本物だ。 時折、周りのスタッフと談笑している。普...

「マイケルにexcellentって言われたなんてすごいですね！」 もう4時間以上もこの喫茶店にいる。 僕は尾藤さんがマイケルの前でパフォーマンスした話につい興奮してしまい、気がつくと何度もお冷をお...

マイケルが亡くなってすぐ、いつも『NEVERLAND』でお世話になっている吉祥寺のライブハウス『サンタバーバラ・カフェ』のマスターに無理やり頼み込んで急遽マイケルの追悼イベントをやらせてもらった。疎遠...

「コンセプトはこうだ」 深夜のファミレス。コングくんがiPadの画面をスクロールしながらメンバーに説明を始めた。そこにはSHIBUYA-AXのステージ見取り図や様々な情報を収集して分かった、マイケル...

インターホンがさっきから何度も鳴っている。 ドアの向こうから微かに声が聞こえる。 「イーくん！　居るのか？」 今は動きたくない。鍵はどうせ開いている。勝手に入ってくるだろう。 「おい、なにして...

オパちゃんと会うのはいつ以来だろうか。 もともと社交的な人ではないし、自分から連絡をしてくるような人でもない。あれほど同じ時間を共にした仲なのに僕を含め、オパちゃんの近況を誰も知らないでいた。 そ...

「おい！！　みんな！！　なんと、チケットが15分で売り切れたぞ！！」 コングくんの吉報に誰もが沸き立った。 「すごーーーい！！」 「Incredible！」 ユーコとジュディスがハグし合って喜...