『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』連載(全40話)

2020年01月28日 15:34更新

東京ウォーカー(全国版)

『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』連載(全40話)

『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』連載(全40話)

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第1話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第1話

HOME MADE 家族のKUROがサミュエル・サトシ名義で発表した小説『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』の連載をスタート。 * * * 「インパーソネーターって悲...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第2話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第2話

埼玉県所沢市は埼玉県南西部にある人口約34万人の施工時特例市である。日本で初めて飛行場が建設された地で、かつて飛行場があった場所には所沢航空記念公園が作られている。 東京のベッドタウンとして人口が急...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第3話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第3話

「エエ、ソレデハ、次のコノGirl Is Mineという言葉を誰か訳してミテクラサ〜イ。じゃ、Mr.ビトウ!」 BS2に入っている友達、友達…思いつかない。そもそも友達と呼べる知り合いがいない。 ...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第4話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第4話

むちゃくちゃキツいじゃん。回転寿司。 回転寿司の回転は寿司が回っているのではなく、人が回っていると言っても過言じゃない。洗い場、レーンの寿司埋め、細巻きのストック作り、シャリマシーンのシャリ補充、テ...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第5話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第5話

「それでは続きまして! 豪華景品総取りビンゴ大会!! パフパフパフ〜」 司会役の人が宴会場に設置してあるカラオケマイクを使いながら無理やり盛り上げようとして必要以上に声を張り上げている。 精度のい...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第6話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第6話

「お、寿司の置き方が上手になったな!」 ベテランの先輩が背中越しから僕の手元を覗いてそう言うと、ニコッと笑ってホールへ消えていった。 「ありがとうございます!」 あの日、社員旅行で一気に200名...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第7話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第7話

「すみません、商店街は何口になりますか?」 改札で駅員に訊ねると、無愛想に「西口」と言ってそちらを目で指し示した。 僕は小さく「ありがとうございます」と言って頭を下げた。 所沢から蒲田まで一時間...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第8話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第8話

「ねぇ、誰、あれ!?」 「うわ! ヤバくない!?」 「すげーーー」 キノさんが突然かけたジャクソンズのマニアックな『シェイク・ユア・ボディ』のリミックスでカチコチに凍結してしまったダンスフロアを...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第9話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第9話

蒲田の『SOUL BARスタジオ54』で行われた『第一回 MJ DANCE PARTY』に参加したことで僕の交友関係は一気に広がった。期せずして、パフォーマンスタイムに一人で踊ったことがきっかけで相手...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第10話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第10話

荒廃したスラム街。たむろするギャングたち。深夜のストリートを黒いドレスに身を包んだ一人の美女がさっそうと歩いている。突然、暗闇から現れ、立ちはだかるマイケル。それには目もくれずに歩き去る美女、タチアナ...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第11話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第11話

西新宿で行われたマイケルのショートフィルム『ザ・ウェイ・ユー・メイク・ミー・フィール』を忠実に再現するというプロジェクトは大成功を収めた。タチアナの正確な絵コンテと周到なロケハンのおかげで撮影は無事に...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第12話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第12話

「あーーーーーー、ダメだぁ!!」 西新宿の四十二階建ての損保ジャパンビルの裾野で僕の小さな声が珍しく鳴り響いた。ここは関東のストリートダンサーたちが聖地にしている練習場所、旧安田火災ビル、通称、安田...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第13話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第13話

昼間の園内は家族連れやカップル、ジョギングに興じている人や犬を散歩させている人たちで賑わっている。特に今日は『所沢STREET DANCE CONTEST』が開催されるとあって、あちこちにドレッド頭や...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第14話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第14話

フェドラ帽を被り、白地にピンストライプのタキシードスーツ。右腕にブルーの腕章、インナーはブルーシルクのドレスシャツ。白のサスペンダーに白のシュースパッツ。ダンスの神様、フレッド・アステアの『バンド・ワ...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第15話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第15話

「懐かしいな〜」 そう言うと尾藤さんは窓外の景色に目を細めた。池袋東口はとっぷりと日が暮れて街灯がつき始め、駅前の交差点が帰宅ラッシュで混雑している。ここから見る人の塊は、まるで寄せては返す波打ち際...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第16話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第16話

「え! これもコングくんが作ったんですか?」 「うん。ま、作ったのもあるし、発注したのもあるかな」 天井から無数のツタがぶら下がり、そこに怪しい照明が当てられ、吉祥寺のライブハウス『サンタバーバラ...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第17話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第17話

「はい。大丈夫です。その日は仙台から入って渋谷に向かいます。はい。多分、間に合うと思います。引き続きよろしくお願い致します!」 「お! 一斗、また営業入った?」 二つ折りの携帯を閉じると、目ざとく...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第18話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第18話

結局、いわれのない濡れ衣を着せられたフレディーが、参宮橋のパン屋で怒りにわなわな震えながら今までの通帳、領収書、レシートをみんなの前に広げて身の潔白を証明してみせた。 それを見たオパちゃんは、何を思...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第19話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第19話

#BAD MJ-Soul最大の修羅場を迎えた後の『NEVERLAND』は、どうにかギリギリのところでやり遂げることができた。イベント的には集客も多くてとりあえずは成功したと思う。 これを機にグルー...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第20話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第20話

横浜ベイホール。収容人数可変式、中規模のライブハウスと呼ばれているが、オールスタンディングにすると1100人は収容できる大きな会場だ。 元町・中華街駅を降りて山下埠頭に向かって十五分ほど歩くと、一目...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第21話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第21話

「やりたくねーだと!!? ふざけんなよ!!」 コングくんが控え室でキレている。合同楽屋だから他の出演者たちもチラチラこちらを見ているのが分かる。 「世界一のインパーソネーターかどうか確かめに行こう...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第22話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第22話

大方の予想通り、マイケルと一緒にクリスマスを過ごすという年末のプレミアムパーティーは実現しなかった。最初からそれほど期待もしていなかったが、それでも周囲の落胆は大きかった。 ただ嘘か本当か、イベント...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第23話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第23話

3月8日と9日の二日間に渡って開催されるこのプレミアムパーティーは、初日が、プラチナチケットと呼ばれた一枚40万円もする『超豪華特典付きVIPデー』で、二日目は、ファンの出展作品からマイケル自身が入賞...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第24話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第24話

舞台袖からステージ下を覗く。いた。マイケルだ。 黒地にドットのスーツに身を包み、長くて奇麗な黒髪を垂らし、サングラスをかけて目の前に座っている。 本物だ。 時折、周りのスタッフと談笑している。普...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第25話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第25話

「マイケルにexcellentって言われたなんてすごいですね!」 もう4時間以上もこの喫茶店にいる。 僕は尾藤さんがマイケルの前でパフォーマンスした話につい興奮してしまい、気がつくと何度もお冷をお...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第26話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第26話

マイケルが亡くなってすぐ、いつも『NEVERLAND』でお世話になっている吉祥寺のライブハウス『サンタバーバラ・カフェ』のマスターに無理やり頼み込んで急遽マイケルの追悼イベントをやらせてもらった。疎遠...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第27話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第27話

「コンセプトはこうだ」 深夜のファミレス。コングくんがiPadの画面をスクロールしながらメンバーに説明を始めた。そこにはSHIBUYA-AXのステージ見取り図や様々な情報を収集して分かった、マイケル...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第28話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第28話

インターホンがさっきから何度も鳴っている。 ドアの向こうから微かに声が聞こえる。 「イーくん! 居るのか?」 今は動きたくない。鍵はどうせ開いている。勝手に入ってくるだろう。 「おい、なにして...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第29話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第29話

オパちゃんと会うのはいつ以来だろうか。 もともと社交的な人ではないし、自分から連絡をしてくるような人でもない。あれほど同じ時間を共にした仲なのに僕を含め、オパちゃんの近況を誰も知らないでいた。 そ...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第30話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第30話

「おい!! みんな!! なんと、チケットが15分で売り切れたぞ!!」 コングくんの吉報に誰もが沸き立った。 「すごーーーい!!」 「Incredible!」 ユーコとジュディスがハグし合って喜...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第31話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第31話

「あの、一斗さん、ちょっと振りの確認なんですけど…」 バックダンサーの一人がおずおずと話しかけてきた。 「ああ、ごめん。ユーコかジュディスに聞いて、ちょっと忙しいから」 「あ、はい。すみません…...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第32話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第32話

SHIBUYA-AXの入り口には何重にも折り重なって長蛇の列ができていた。 僕を見るためにこれだけの人が集まったのか。 まるで新木場のSTUDIO COAST状態だ。 あのときはゲストだったが、...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第33話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第33話

僕らが知る映画版の『THIS IS IT』は、良いテイクのリハーサル映像をつなぎ合わせているだけで、実際のセットリストとは違っていた。 ある有名な音楽評論家がブログでアップした、同ツアーのパーカッシ...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第34話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第34話

前代未聞のインパーソネーターによるマイケルの『THIS IS IT』は、翌日のトップニュースになった。 SNSや各メディアがこぞって取り上げ、その偉業を誰もが称えた。すぐにでも再演を望む声があがった...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第35話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第35話

MJ-Soul活動休止の報せは瞬く間に広がった。 惜しむ声は多く、最後のライブを見届けようと吉祥寺の『サンタバーバラ・カフェ』にはたくさんのファンが詰めかけた。 コングくんはまだ納得いってない様子...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第36話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第36話

「潰瘍性大腸炎ですね」 医師の口調と表情から深刻なことがすぐに見てとれた。僕は体の不調を訴えて近くの総合病院に来ていた。 「かいようせいだいちょうえん? あの、それって、治るもんなんでしょうか」 ...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第37話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第37話

「え、え、どういうことですか?」 新幹線の中は重要な話をするには適していない場所だ。周りの目は気になるし、よく聞こえない。今日はデッキにも多くの乗客が乗っている。 「なんか下田の海で溺れたみたいで...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第38話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第38話

オパちゃんが亡くなってから約2ヶ月後に『オパールメモリアル』と題してMJ-Soulのメンバーで追悼イベントを開いた。 まさかこんな形でまたみんなとすぐ再会するとは思わなかったが、この日はフレディーも...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第39話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第39話

#Invincible しばらく僕は糸の切れた風船のようになった。当てもなくフラフラしているというよりも精神的に自由になったような気分だ。 相変わらずオファーがあれば、週末はどこかに出かけてパフォ...

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第40話

『マン・イン・ザ・ミラー』連載 第40話

何時間くらい居ただろうか。  気がつくと、お店に入ってからゆうに10時間を越え、喫茶店の閉店時間が間近に迫っていた。僕と尾藤さんは急いで会計を済ませお店をあとにした。 店の外に出ると湿気が体にベッ...

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