築地本願寺の楽しみ方ガイド!おすすめの回り方からグルメまで【コロナ対策情報付き】

東京ウォーカー(全国版)

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東京・築地の街でひときわ目立つ存在の築地本願寺。その歴史は古く、創建400年を越える歴史のある浄土真宗本願寺派の寺院。そんな築地本願寺の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介しているイベントや施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

独特な外観が特徴的な築地本願寺の本堂


築地本願寺ってどんなところ?2度も焼失した異国情緒あふれる寺院

【写真】厳かな雰囲気の本堂内部。御本尊の阿弥陀如来像は、大阪の本願寺堺別院から寄進されたもの

築地本願寺は、京都の本願寺(西本願寺)を本山とする浄土真宗本願寺派の寺院。1617年(元和3年)に、浅草近くに創建されたが、1657年(明暦3年)の「明暦の大火」で焼失してしまったそう。そこで再建の地として幕府から現在の土地が与えられたが、なんとその土地は海中だった…。そのため、海を埋め立てて土地を築き上げ、本堂を建立したことが“築地”の由来になったという。

さらに、1923年(大正12年)には、関東大震災に伴う火災により、再度本堂を焼失。10年以上の歳月を経て、1934年(昭和9年)に、帝国大学(現、東京大学)名誉教授で建築家の伊東忠太博士の設計により、古代仏教建築などを模した現在の本堂が落成した。建物内部は浄土真宗寺院の伝統的な造りと、パイプオルガンやシャンデリア、正面扉上部にあるステンドグラスなどの西洋文化が調和した、心安らぐ空間になっている。2014年に、本堂、三門門柱、大谷石塀が国の重要文化財に指定された。

【見どころ1】お寺なのにパイプオルガンでコンサートを開催!

パイプオルガンの演奏台は、本堂の後ろに

御本尊の阿弥陀如来像を安置されている本堂の内部は、荘厳な装飾や宝具が置かれ、厳かな雰囲気が漂う空間だ。その中で目を惹くのが、約2000本のパイプが張り巡らされたドイツ製の巨大なパイプオルガン。これは1970年(昭和45年)に仏教音楽の普及を願い、仏教伝道会から寄贈されたものだそう。

このパイプオルガンの音色は、毎月最終金曜に行われているランチタイムコンサート(12時10分〜12時50分)のほか、結婚式や諸行事などで聴くことができる。(※現在、新型コロナウイルス感染防止のため中止)

荘厳な音を奏でるドイツ製のパイプオルガン

「これだけ大きなパイプオルガンがある寺院は、かなり珍しいと思います」と、広報の北本さん。仏教讃歌は西洋音楽のメロディにのせて歌う仏教音楽で、一般の人でも親しみやすい音楽だそう。パイプオルガンの音色と合唱団の澄んだ歌声が堂内に響き渡り、寺院の本堂にいることを忘れるほどの迫力だ。

【見どころ2】いくつ探せるかな? あらゆるところに動物や聖獣の石像やレリーフが装飾

参拝者を凛としたたたずまいで迎える、翼が生えた獅子像

本堂の中には仏教の伝統的な装飾だけではなく、洋風建築に見られるようなレリーフや動物の像が配置されている。本堂正面にある向拝階段の手すりには、参拝者を迎えてくれる翼が生えた獅子の像がしつらえられている。そのほかにも堂内には馬や象、牛など13種の霊獣が各所に隠されているそう。これらを配置したのは、設計者の伊東忠太博士だが、どんな意図で配置されたのかは謎だという。

階段の手すりにある、まん丸な象の像の装飾

堂内のさまざまな場所に動物などの彫刻を見ることができる

さらに、仏教や浄土真宗のみ教えに関わる動物ではないが、四方を守る四聖獣(青龍・朱雀・白虎・玄武)のレリーフも堂内の柱にしつらえられている。これらは、動物や幻獣、妖怪などを建築物に取り入れるという伊東忠太博士の手法が、築地本願寺にも採用されている証でもあるのだ。

【回り方】参拝後にカフェランチや屋上テラスから本堂を眺める

カフェやブックセンター、オフィシャルショップがあるインフォメーションセンター

築地本願寺カフェ「Tumugi」は、プロントがプロデュースする和カフェ

参拝するなら、朝7:00からのお勤めに参加して、カフェで朝食するのが、広報担当北本さんのおすすめだ。本堂でお参りしたあと、向拝階段の動物の彫刻を眺めたり境内を散策まで楽しんでも30分程度。

じっくり満喫する時間がある人は、オフィシャルショップ2階の屋上テラスから、本堂の姿を眺めるのもおすすめだ。また、インフォメーションセンターに立ち寄って築地本願寺カフェ「Tsumugi」でモーニングやランチを楽しんだり、ブックセンターやオフィシャルショップでお土産を選ぶのも楽しい。

オリジナルグッズもたくさん揃うオフィシャルショップ

さらに時間があるならば、分院の和田堀廟所(わだぼりびょうしょ)にも足を運んでみよう。最寄り駅の京王井丿頭線明大前駅と京王線下高井戸駅から、共に10分ほどで到着する。ここには、樋口一葉など著名人のお墓があり一般にも開放されている。

【御朱印】御朱印がない!? どうしてなの?

実は、築地本願寺には御朱印がない。その理由は、浄土真宗では写経をしたりして功徳を積む追善供養を行わないから。御朱印の起源は追善供養の写経をした証なので、浄土真宗の寺院では御朱印がないのだというわけだ。そのかわり参拝記念のスタンプとカード(共に無料)がいただける。

【イベント】築地グルメが楽しめる盆踊りやライブコンサートなど催しがいっぱい!

毎年5月21日に行われる、親鸞聖人の誕生日を祝う宗祖降誕会(しゅうそごうたんえ)

築地本願寺は浄土真宗の寺院なので、基本的には法要が中心。毎日7:00の晨朝勤行と16:00の日没勤行の2回、日常勤行として本堂でお経を唱えるお勤めをしている。朝は30分、夕方は10分くらいで、誰でも参加できるそう。通常なら経本が借りられるが、コロナ情勢により現在は中止している。ブックセンターにて275円で購入することができるので、興味がある人は購入して参加してみよう。

浄土真宗で最も重要な儀式の一つ報恩講

また、11月11日から16日まで催される「報恩講」は、宗祖である親鸞聖人の命日の法要で、連日お経が唱えられる。また、法要とは別にパイプオルガンの演奏やコンサートも開催。法話が聴けたり、お斎(おとき)と呼ばれる精進料理(有料)が振る舞われたり、仏教の教えに触れることのできる期間でもある。他にも、4月上旬の「はなまつり」と、7月下旬から8月上旬の「納涼盆踊り大会」が風物詩として人気だ。

はなまつりでは、お釈迦様の像に甘茶をかけるのが習わし

「はなまつり」は、お釈迦様の誕生日を祝う行事で、ヒーローショーや子供たちの稚児行列が行われる。盆踊り大会は、境内に築地音頭や太鼓の音色が響き渡り、櫓を中心に多くの人がリズムに合わせて踊る。さらに土地柄、築地銘店会の店が数多く出店。「鳥藤」の焼き鳥、「きつねや」の牛もつ煮込み、「つきぢ松露」の玉子焼、「味の浜藤」の練り物など、人気グルメが味わえるのも築地ならでは。「はなまつりや盆踊り、除夜の鐘など四季折々の行事を開催していますので、お気軽にご参拝ください」と、北本さん。

地域の人や観光客が一緒に踊る、納涼盆踊り

都心に響き渡る鐘の音も築地の風物詩。除夜会・元旦会


【グルメ・お土産】写真映え間違いなしの18品の朝ごはんは要チェック!

さまざまなおかずが楽しめる人気の「18品の朝ごはん」1980円(税込)

築地本願寺カフェ「Tsumigi」では、朝食メニューの「18品の朝ごはん」(10時30分LO)が話題。16皿の小さな小鉢に少量のおかずが盛られ、小鉢を持ち上げると下にメニュー名が書いてある遊び心も。「つきぢ松露」の玉子焼や、「築地 江戸一」の甘口昆布の佃煮など、名店の味も楽しめ朝から栄養もたっぷり!

ちなみに18という数字の意味は、築地本願寺の公式サイトによると、法蔵菩薩が建てた48の願いの18番目が「本当に安心できる世界に、いのちあるものすべてを平等に生まれさせたい」という願いだったことからきているという。また夜はアルコールも楽しめるので、仕事終わりに立ち寄ってもOK!

「匂い袋 築地本願寺之香」(税込1050円)

「江戸線香 彩透」(税込1320円)。香り違いで月慈もある

オフィシャルショップでは、お土産を忘れずに。築地本願寺の本堂の香りをイメージした限定の匂い袋「築地本願寺之香」は、京都の老舗「薫玉堂」の逸品。バッグなどに入れて粋な香りを楽しもう。また、築地本願寺限定販売の線香「江戸線香 月慈」もあり、「彩透」と「清明」の2種類が用意されている。

さらに、第一伝道会館の1階にもレストランの日本料理「紫水(しすい)」があり、古来から伝わる精進料理や、市場より仕入れた新鮮な素材を使った御膳、寺院の名物である門前そばが味わえる。

【混雑情報】

基本的に混雑はないが、参拝者が増えるのは11時~14時ごろ。お彼岸やお盆、盆踊りや報恩講などのイベント、除夜の鐘や初詣の時期は混雑するので、事前にチェックしておこう。

【基本情報・アクセス】築地本願寺の基礎情報をチェック!

築地本願寺へのアクセスは、東京メトロの場合、日比谷線築地駅出口1より直結している。有楽町線なら、新富町駅出口4より徒歩約5分、都営地下鉄の場合、浅草線東銀座駅出口5より徒歩約5分、大江戸線築地市場駅出口A1より徒歩約5分。

駐車場は約50台の参拝者用駐車場があるが、周辺の混雑や慣れない都心の走行を考慮すると、公共交通機関を利用するのがおすすめだ。参拝時間は6時~16時(夕方のお勤め終了後、本堂閉門)までで、年中無休(境内閉門は21時ごろ)だ。なお、参拝料は無料。

【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】

・マスク着用の上、ご参拝ください。
・消毒剤を設置しておりますので、手指消毒にご協力ください。
・各入口にサーモグラフィーを設置しております。
・各受付に飛沫防止パネルを設置しております。
・本堂内ではソーシャルディスタンスの確保にご協力ください。
・職員はマスクの着用をしております。
・各室、定期的な消毒を実施しております。
・積極的な室内換気を実施しております。
・その他、講座や行事イベント、インフォメーションセンターの各店舗営業時間等については公式サイトをご確認ください。

取材・文=北村康行

<施設情報>
住所:東京都中央区築地3-15-1
営業時間:本堂6:00〜16:00(夕方のお勤め終了後閉門)、本願寺カフェ「Tsumugi」8:00~21:00※現在は18:00まで(朝食は10:30まで)
定休日:なし
駐車場:50台
アクセス:【電車】東京メトロ日比谷線築地駅出口1直結

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※2020年11月時点の情報です。

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