ジャルジャルは仲良しではない!?勘違いされがちな2人の関係性とは
東京ウォーカー(全国版)
単独ライブツアー「JARUJARU TOWER 2021ージャルってんじゃねえよー」が5月17日(月)にスタートする、お笑いコンビのジャルジャル。2020年9月に開催されたコント王を決める大会「キングオブコント2020」で見事優勝を果たした後藤淳平と福徳秀介に話を聞くと、2人は意外にも冷静にとらえているようで……。また、2014年から始めたYouTubeでの活動に関する話題、今や8000本を超えるというネタ作りの裏側などを語ってもらった。
大きなドラマがなかった芸人人生の先に目指すもの
――「キングオブコント2020」での活躍が記憶に新しいですが、優勝を経て環境が変わった実感などはありますか?
【後藤】環境としてはそこまで変わった実感はないですね。ただ、優勝していなかったとしたら、心のどこかにずっと「あ〜、優勝できんへんかったな」っていう気持ちが残り続けたと思います。だから、これで心置きなく、これからもコントをやっていけるなという感じです。
【福徳】優勝後は前よりすんなりロケ地を貸してもらえたりだとか、そういった変化はありますね。まぁ、芸歴18年の中で大きな波は一度もなかったので、きっとこれからも変わらず。優勝したからといって意識が変わるわけでもなく、同じ気持ちで続けていくと思います。
【後藤】上がる波も下がる波も、芸人人生において大きなドラマはなかったように思いますね(笑)。今までもこれからも、コツコツという感じで。元気にネタ作りをして、元気にネタをやって行きたい。それを続けて、例えば海外公演などに繋がっていったらいいなと思いますね。
【福徳】そうですね。長生きしたいけどそれだけじゃ意味がなくて、健康寿命が長くないとつまらない。そんな感じで、“おもしろ寿命”を極力伸ばしたいですね。ただただ芸人をやってても仕方がないので、おもしろ寿命を意識しながら続けていけたらなと。
YouTube再生数の伸ばし方は今だにわからない
――YouTubeでネタを毎日アップされているのもコツコツとした活動のひとつかと思いますが、コロナ禍でYouTubeを始める芸人さんが増えた中、お2人はかなり早い段階から配信をされていました。
【後藤】僕らの動画はほかの芸人さんに比べると、だいぶ毛色が違うというか、ただネタをあげているだけなんです。こういう企画が伸びるとか、サムネイルはこうした方がいいとか、一切分からないまま淡々と。こういうタイトルにした方が観てもらえるんかなぁ、って調整はしますけど、いわゆるYouTubeの伸ばし方なんかは正直今だに分からないですね。
【福徳】早くからやっていても、最近始めたとしても、ネタをやることに変わりはなかったので…。逆にここまでネタに特化したチャンネルもあまりないので、周りを気にせずにできるのはいいなと思いますね。
――マネージャーさんからの勧めでチャンネルを作ったそうですね。
【後藤】「まぁ、誰も観んやろ」と思いながら、でもマイナスではないし、没ネタを成仏させる場所としてちょっとやってみようか、という感じでした。
【福徳】YouTubeで一発当てたろう、みたいな感じではなく。1日の再生数も、1000くらいいけばいいかなっていう、ほんまにそのスタンスやったんで。
【後藤】最初はサムネイルもなかったし、どうやらそんなんがあった方がいいらしいって情報を聞いて作ったりして、今の形になりましたね。
ツアーのために作ったネタは150本!自然現象でできている感じ
――劇場ともテレビとも違うYouTubeという場について、どのように感じていますか?
【後藤】テレビよりは劇場に近いっていうか……。劇場ではアンケートがあるように、観た人の声がコメント欄で直接届くというのはテレビにはないところやし、そこはやっていて参考になったり楽しかったりしますね。
【福徳】劇場であっても、お客さんにとってはおもろいと思ってる人だけがおもろいし、おもんない人はおもんないしと思うし、そういう意味ではYouTubeでもテレビでも劇場でも、一対一の関係性は一緒かなぁという気はします。
――毎日更新ですし、ネタが尽きて困ってしまったというようなことはないですか?
【後藤】僕らは今、単独ライブに向けてしかネタを作らないので。そのネタのストックがずっと溜まっていってて、YouTubeではそれを出していってるんです。
【福徳】以前、ネタ数を聞かれたときにマネージャーが単純計算して「8000くらい」と言っていたので、およそ8000本なんですけど、もう数えられないくらいあるんですよね。
【後藤】今回のツアーだと、10数本披露するために150本くらいは作ってます。
――4、5カ月分のネタができるんですね。そんなにたくさんの数になるということは、ネタ作りの時間を2人でしっかりとっているんですか?
【福徳】別に、わざわざ時間をとっているということはないんですよ。基本的に僕らはサボらないので、一緒にいるときにコツコツコツコツやってると、あっちゅう間にたまります。どうやって作ってるかというのは、うまいこと説明できなくて…。ホントに自然現象でネタができてる感じですね(笑)。
――例えば、友達ノリの延長線上でネタが生まれてくるような?
【福徳】勘違いされることが多いんですけど、僕らはケンカしないだけであって、特別仲がいい訳ではないです(笑)。信頼し合ってはいますけど、一緒に飯行ったりもせえへんし。
【後藤】ネタ作りのときには一緒にいる、っていうくらい。
【福徳】本当にそのときだけの関係性(笑)。“ネタ友”みたいな感じ。
【後藤】2人でいるときは、ちゃんとネタを作ろうというスタンスで話してます。仕事の合間にちょっとやって、5本くらいできることもありますね。
【福徳】だから、単純にネタを作るっていうだけの意味なら、特に苦労していることはなく。
――それを劇場で披露できるものに仕上げるという過程で、うまくいかないことがある。
【福徳】そうですね。作家さんと相談して決めたネタを磨いていくんですが、「よし、これで決まりや!」っていう感じではないです。ライブの日が来てしまったから、これでいかざるを得ないっていう感覚というか。
【後藤】そもそも完成形というものがないので、終わりがないんですよね。ライブが始まるまでにできる限りのことをして、ライブが始まったら始まったで反応を見ながら少しずつ形を変えてっていう。
YouTubeは荒削り。お金を払ってもらうライブは緊張感が違う
――劇場では目の前にお客さんがいて実際に歓声が聞こえると思いますが、そうでない場とでは気持ちは違いますか?
【福徳】ネタをやるという意味で、気持ちは基本的に一緒なんですけど、このライブにお金を払って良かったなと思ってもらえないとダメなんで…そこのプレッシャーはあります。
【後藤】払ってもらったお金以上の満足感を持って帰ってもらわないといけない、という緊張感ですね。YouTubeのネタを撮ってるときは本当に緊張感がなく、だいぶ荒削りなので(笑)。作り込む完成度が全然違うので、YouTubeでのイメージで劇場にきたら、ちょっと雰囲気が違うなと感じると思います。
――一方で、後藤さんは映画『ロックンロール・ストリップ』で主演を務めたり、福徳さんは「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(小学館刊)を執筆されたりと、お笑い以外の場でも活動されていますね。
【後藤】お話を聞いて「おもろそう」と思ったものをやらせていただいてます。演じるということは好きなので、コントとはまたちょっと違うんですけど、その違いもまたおもしろいなと思いながら楽しんでやってますね。
【福徳】僕の場合は、挑戦みたいな感じですかね。本業とは別でありながらも真剣に書いたので、もし本をきっかけに僕のことを知った人がいるのであれば、本を読んでからネタを観たら、「あんな真面目な文章書いてたやつが、こんなふざけてるんや」って笑いが増えるんちゃうかなっていう気持ちはありました。そのギャップがお笑いへのいい振りになるんちゃうかと。
――お互いの仕事に関して、思うことはありますか?
【福徳】一昨年に、(後藤が出ている映画の)チケットを買って映画を観に行こうとしたら、前日くらいに足を骨折したんですよ。それで、なんか縁起悪いなと思って、そこから行ってないんですよ。行こうとしたら怪我するんちゃうかっていう、謎の恐怖心が芽生えて(笑)。
【後藤】僕は発売当日に(福徳の書いた)本を買いました。でも、知り合いに読まれるのが恥ずかしいって言ってたんで、読まずにおいてあります。
一緒に観に行ったライブで「俺らのがおもろいよなぁ」
――5月から6月にかけて行われる単独ライブツアー「JARUJARU TOWER 2021ージャルってんじゃねえよー」では大阪、東京、福岡を巡りますが、この3都市の中で思い出のスポットやお気に入りの場所を教えてください。
【後藤】大阪公演の会場「COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール」は、大阪城公園の中にあるんですけど、若手の頃に劇場の先輩とかとお花見なんかで集まった思い出がありますね。大阪城公園は関西でも有名な桜の名所で、景色がすごくいいんですよ。
【福徳】僕らが高校のときにお笑いを観に行った大阪・梅田にある「HEP HALL」は、思い出深いですね。お笑いの道に進むとほぼほぼ決めていた時期だったので、そういう意識で観に行きました。まぁ高校生なので、ライブが終わったあとに「俺らのがおもろいよなぁ」とか言ってましたけど(笑)。ブラックマヨネーズさんとチョップリンさんがめっちゃおもしろかったので、「いや、ちょっと負けたかもな……」みたいなこと言いながら。前を通るたびに、当時を思い出しますね。
撮影=小山志麻
取材・文=大谷和美
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