「禁止されるとやりたくなる」「みんなが持っているものが欲しくなる」誰もが持つあの心理の正式名称知ってる⁉
東京ウォーカー(全国版)
こんにちは。クイズを愛する2児のサラリーマンけんたろ(
@kenlife202010
)です。クイズ好きが高じて、日本語や雑学に興味を持つようになり、Twitterではクイズを中心に言葉の知識や雑学ネタを発信しています。
こちらでは「言葉にまつわる知識」をテーマに、よくある日本語の間違い、実は知らない身近なモノの名前、漢字、社会人としての言葉、言葉の雑学などをお伝えしていきます。
今回は
「アノ効果の名前」
です。
占いで自分に当てはまっていると感じたり、ダメと言われたら余計にやりたくなったり、周りの人が持っているモノを自分も欲しくなったり、不要と考えているのにこれまで使ってきたお金や時間をもったいないと考えやめられなかったりと人間誰しもそのような心理状態になったことがあるのではないでしょうか。
今回はそんな経験したこともあるような心理状態や感覚、現象について「○○効果」としてネーミングされているものを12個ご紹介します。
バーナム効果
:
星座や血液型占いを目にすると「当たってる!」と思うことは多いのではないでしょうか?誰にでも当てはまるような性格や特徴をまるで自分だけに当てはまっているように錯覚する心理効果をバーナム効果と言います。これはアメリカの興行師フィニアス・テイラー・バーナムの名から名付けられています。この方は映画『グレイテスト・ショーマン』でヒュー・ジャックマンが演じた主人公です。バーナムが心理トリックを用いた見世物で人気を集めている中で「我々は誰にでも当てはまるものを持っている」という言葉を残したためこの心理効果の名前となりました。この効果は誰しもが共通の理想像を持っていることから起こり得るもので、ポジティブな言葉であるほど、言われた方は信じ込みやすいです。
プルースト効果
:
ある特定の香りをかぐと、その香りに関連した記憶がよみがえる効果です。これはフランスの小説家マルセル・プルーストの長編小説『失われた時を求めて』の中で、主人公が紅茶に浸したマドレーヌの香りから幼少期の記憶を幼少期の記憶をよみがえらせるというシーンがあることから名付けられました。理由としては、嗅覚は五感の中で唯一、本能的な行動や喜怒哀楽などの感情を司る大脳辺縁系に直接つながっているためと言われています。元々動物にとって匂いは天敵を察知することや安全な食料を見極める上で重要な役割を担っていたからです。
カリギュラ効果
:
「~してはいけません」と何か禁止されるほどむしろ気になってやりたくなる心理作用です。これは1980年にアメリカで公開されたローマ皇帝カリギュラを描いた映画『カリギュラ』から名づけられています。内容が過激なポルノであったため、一部のエリアでは上映禁止になったのですが、それが逆に世間の関心を集め大ヒットとなったためこの効果の名前となっています。人は自分の行動や選択は自分で決めたいという心理が働き、妨害されると「心理的リアクタンス」と呼ばれる無意識での抵抗を示します。カリギュラ効果もこの一種です。子供への「~してはいけません」は逆効果となり、グレる原因になっていきます。
ツァイガルニク効果
:
完了したものより未完のものの方が記憶に残りやすい効果です。これはこの効果を検証した旧ソ連の女性心理学者ブリューマ・ゼイガルニク(ツァイガルニク)の名前から名づけられました。理由としては、目標達成するとそれまでの緊張が無くなるのに対し、未完の状態は緊張感がまだ続いているため印象や記憶に残りやすいからだと考えられています。成就しなかった恋がいつまでも記憶に残っているのはこれが原因です。逆にこの効果をうまく利用して、仕事や勉強をあと少しで終わりそうなところで切り上げると定着度はアップします。
ダニング=クルーガー効果
:
能力の低い人ほど自分を過大評価してしまう傾向のことです。これはアメリカの心理学者デイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーの2人の実験によって明らかになったことから名づけられました。この実験によると、能力の低い人は「自分の能力を過大評価する」「他者の能力を正確に評価できない」「評価の不適切さを全く認識できない」という3つの点により自分の評価が高くなるといいます。この実験は2000年にイグノーベル賞心理学賞を受賞しています。
ピグマリオン効果
:
期待されたり褒められたりするとその期待に応えようと頑張る効果です。これはギリシャ神話に登場する王の名前から名づけられています。このピグマリオン王は自分で作った女性の彫刻に恋をしてしまい、その彫刻が人間になるよう願い続けた結果、彫刻は人間となりピグマリオン王と結ばれたというお話に由来します。特に教育に関しては、教師から期待された生徒の方が期待されていない生徒より成績の伸びが良いという実験結果もあり「ローゼンタール効果」とも呼ばれます。また同様に、上司などから注目されている時や、スポーツでも大観衆の前の時の方が頑張れるという心理効果を「ホーソン効果」とも呼びます。ただし、期待をかけすぎると大きなストレスとなり逆効果となることもありますのでバランスが大事ですね。
コンコルド効果
:
使用した費用や時間が大きくなるほど途中でやめられなくなる心理作用です。これはイギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機「コンコルド」から名づけられています。1976年から2003年まで就航していましたが、性能が良い一方で採算がとれずビジネス的には大失敗となったことから来ています。皆さんも生命保険や習い事など、やめたいけどこれまでのお金と時間を理由にやめられないってことはないでしょうか。この効果は「サンクコスト効果」とも言います。サンクコストとは既に使用してしまい回収不能になった費用・時間・労力などの埋没費用のことです。この効果の影響を受けないためには、過去ではなく未来の価値に目を向けることです。
プラシーボ効果
:
病気に効果のない薬でも効果のある薬だと思い込むことによって何らかの改善効果が見られる効果です。偽薬のことを英語でプラシーボと言うため名づけられた効果で、フランス語読みからプラセボ効果とも言われます。つまり古くから伝わる「病は気から」も間違いではありません。一方で、偽薬によって副作用の効果が強く表れることを「ノーシーボ効果(ノセボ効果)」と言います。治験や研究の中では、薬の効果を科学的に証明するために偽薬を服用させることもあります。
カクテルパーティー効果
:
人混みの中でも関心のある音だけを選択的に聞き取ることができる能力のことです。騒がしいカクテルパーティーの中でも自分の名前や興味関心がある話題については聞こえてくるということから来ています。これは元々人間の脳に備わっている機能で、情報過多になり過ぎないようになっています。一方で同じような機能が視覚にもあります。日常生活の中で、欲しいなと思っているものや学んだばかりの単語などが自然と目に入ってくる経験は誰にでもあると思います。このように関心のあるものが選択的に目に入ってくる効果を「カラーバス効果」と呼びます。
バンドワゴン効果
:
多くの人が使用している、または利用しようとしているものを自分も選びたくなる心理現象のことです。バンドワゴンとはパレードの先頭にある楽隊車のことです。パレードで楽隊車の後に行列が続くさまをイメージして名づけられています。例えば、行列のできているカフェとガラガラのカフェだとどちらを選びたくなるでしょうか?恐らく行列のできているカフェの方がそれだけ美味しくて居心地が良いのだろうと考えると思います。バーゲンなどでも他人がたくさん買っていると自分も思わず必要のないものまで買ってしまいがちです。人は「社会的証明の原理」に基づき、安心感を得るために他人の行動や考え方につられてしまうことが多いのです。これとは逆に、他人とは違うものが欲しくなる心理現象を「スノッブ効果」と言い、さらにその現象に近いもので劣勢に立たされている不利な方を応援したくなる現象を「アンダードッグ効果」と言います。
シャルパンティエ効果
:
ここでクイズです!「10キロの鉄と10キロの綿ではどちらが重いですか?」パッと出されると「鉄」と答えてしまう人も多いのではないでしょうか?正解はどちらも10キロと書いているので当然同じ重さですね。このように同じ重さの物体を比較した時に、大きく見える物をより軽く、小さく見える物の方をより思いと錯覚してしまう現象をシャルパンティエ効果と言います。これは大きさと重さに関する錯覚実験を行ったフランスの医師シャルパンティエの名から名付けられています。色においてもこの効果が発動し、黒色と白色の同じ重さのものでも、多くの人が黒色の方が重たく感じます。そのため引っ越し業者などの段ボールなどは基本的に白系の色となっています。また、最近では重さ以外にもマーケティングにおける消費者の受け取り方の変化を指す意味でも用いられています。例えば、「2000ミリグラムのビタミンC」というよりも「レモン100個分のビタミンC」の方が多いようなイメージをもちます。
ストライサンド効果
:
一度Web上に公開された芸能人のスキャンダルや企業の不祥事を隠そうとすると、かえってその情報は急速に拡散される現象のことです。これはアメリカの歌手バーブラ・ストライサンドが空撮された自宅写真をWeb上から削除しようとして裁判を起こしたところ、逆に世間の注目を集めてしまい、多くの写真がWeb上に拡散されてしまったことから名付けられました。カリギュラ効果の由来に似ていますね。Twitter含めSNSで発信されている方で発信力のある方は気を付けておきましょう。
これまでの人生で経験したことのあるものも多かったのではないでしょうか。人間には自分の身体や精神を守るために身についている心理効果があります。今回ご紹介した、カリギュラ効果・ツァイガルニク効果・コンコルド効果・バンドワゴン効果・シャルパンティエ効果などは、実際マーケティング分野などでも顧客の購入意欲をそそるために利用されています。もちろん悪用は厳禁ですが、自分の仕事にも活かしてみてはいかがでしょうか。
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